「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーのお出かけ:晩秋の新宿御苑

2010年11月21日 | お散歩・お出かけ・遊び


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人は、季節の移ろいをさまざまな事で感じたり認識したりします。

たとえば、春分や秋分、霜月から師走、正月そしてお盆……暦(こよみ)をめくる度に、季節の移り変わりを認識することができます。

その暦どおりに巡ってくるさまざまな行事……ひな祭り・鯉のぼり・七夕・夏祭り・クリスマス飾り、そうした行事や飾りが、季節をいっそう際立たせます。

一方、春一番や木枯らし1号、入梅や梅雨明けそして初霜や初冠雪など、天候の節目となる出来事が、季節の移ろいを人々に体感させます。

街を行き 子どものそばを 通るとき みかんの香せり 冬がまた来る 
(木下 利玄…小学校の時に習った一首で、この時期になると決まって想い出す)

もっと繊細な感性の持ち主は、草花や星座や動植物そして食べ物により、五感で季節の変化を感じ取ることができるでしょう。


春のジンチョウゲ、夏のクチナシ、そして秋のキンモクセイの花の香り。

新春の七草粥、菖蒲湯、タケノコご飯、ムカゴ飯、栗ご飯、柚子湯。

単に暦で季節を知るだけではなく、無常の時を刻む季節を身をもって体験したいと思うのは、多くの人に共通する願いともいえます。

確かに、四季の変化が明瞭な風土に住んでいる日本人は、四季折々の変化を生活の中で楽しんできた長い伝統があると思います。

衣食住全般の生活様式の劇的な変化と、核家族化による世代間情報の希薄化によって、そうした豊かな日本の伝統文化が失われていくのは残念です。



マッキーの随想:今年のお花見…新宿御苑……11月21日、久方ぶりに日曜日に休みが取れたので、今年の春爛漫の季節以来、久しぶりに秋の新宿御苑を散歩しました。

入り口の長蛇の列、花見客の喧騒、百花繚乱の春の新宿御苑から打って変わって、今回は秋の深まった静かな新宿御苑を楽しむことができました。



入り口近くのモミジバスズカケノキの巨木
4月~5月に花を咲かせる落葉高木で高さは35mにもなる
人間の手によってつくりだされた交配種(スズカケノキとアメリカスズカケノキをかけあわせたもの)

この木は、秋には紅葉し茶色のボール状の種子が熟します。

葉が落ちたあとも、種子は木に残りぶら下がっていて、その様子を鈴がたくさんぶらさがっているように見て「鈴懸け」という名前があります。

そして葉がモミジのようなので「モミジバ」、合わせてこの木は「モミジバスズカケノキ」と呼ばれるようになりました。


新宿御苑には、巨木が苑内に散在し、単なる公園というより、植物園に来たような錯覚に陥ります。

巨木の下には、絨毯のように落ち葉が敷き詰められています。

その落ち葉の下には無数の生物が活動し、また幹にも枝葉にもさまざまな生き物を呼び寄せ、共生しながら古木になるまで長い樹の一生を過ごします。

木々は、自らが移動できない代わりに、さまざまな手立てで生き物を身の回りに呼び寄せて交流しているといってよいでしょう。



ラクウショウ(落羽松)…メキシコ原産の落葉高木、膝根(しっこん)や気根と呼ばれる呼吸根を地中から出し、独特な景観を作る

新宿御苑のラクウショウは、どっしりとした高木で、カラマツのように綺麗に黄葉していました。

ラクウショウの周囲に出ている呼吸根は、無数の羅漢像に私には見えます。

一見奇異な景観ですが、そうした物に宿っているであろう何かを、その中に想像してしまうのが、人間の性(さが)なのでしょう。



美しく紅葉したカエデ


カエデの葉の紅葉は、アントシアンという色素によって起きますが、この色素は春から夏にかけて葉には存在せずに、秋に葉に蓄積したブドウ糖や蔗糖と、紫外線の影響で発生します。

したがって、天候が良くブドウ糖が多く作られ、秋に一気に冷え込んでそのブドウ糖が生命活動に使われないような年は、紅葉が美しいと高校の生物の時間で習った記憶があります。

また、そんな年は同じ原理で、ぶどう酒も上等なものができます。



里山に入り込んだような新宿御苑の背後には、新宿の近代的高層ビル群が借景となって、その対比が面白い

鉄とコンクリートとガラスの現代建築に付随した坪庭のような空間に、日本的な雑木の植栽があったり、反対に都会の緑豊かな庭園の背景に近代建築群が見えるなどの対照的な景観は、人工と自然、無機物と有機物の対比的なせめぎ合いが、人々に想像力を喚起させます。




この時期は、苑内の到る所に菊を飾る小屋があり、丹精こめたさまざまな種類の菊を鑑賞することができます。

上の写真は、1本の茎から多くの花が棚状に咲く菊…どれだけの手間をかけたのだろう。




銀杏散る 兄が駈ければ 妹も (安住 敦)

子どもは、ほとんど無意識に、自然を体感しようとします。

靴を脱ぎ、靴下を取り、走り回ったり、這うようにしてその感触を楽しみます。

大人も見習ってやってみたいのですが、変人と思われてしまうので躊躇してしまいます。



サルビアレウカンサ
秋から晩秋にかけて、美しい赤紫~紫の花を咲かせる大きめに育つサルビア
花穂は長く伸びるが、ひとつひとつの花はそれほど大きくない
半耐寒性だが、南関東以南の陽だまりなら庭植えで冬越しする
庭植えにして伸び伸び育てると雄大な姿になり目立つ



ツワブキ
キク科ツワブキ属の多年草
イシブキ、ツワともいう
ツワブキの名は、艶葉蕗(つやばぶき)、つまり「艶のある葉のフキ」から転じたと考えられている

花期は10-11月のツワブキは、葉がフキに良く似ていて、菊の葉には見えません。

人の手によって、驚くほど多様に変化した菊と異なり、ツワブキは野に咲く菊の美しさを表現しているように思います。



街路樹のイチョウとは趣が異なる、剪定を受けない自然のままの巨木


とある日の 銀杏もみぢの 遠眺め  (久保田万太郎)

例年私は、神宮外苑の絵画館前にあるイチョウ並木の黄葉を楽しみにしています。

このイチョウ並木は、並木の美しさを保つ為に剪定され、ある意味人工的な美しさを感じます。

また、イチョウ祭りが毎年開催され、模擬店や大道芸や音楽会など、人寄せの企画が目白押しです。

それに比べて新宿御苑のイチョウの巨木は、自然のままといった風情で、周囲を圧倒する黄葉は、圧巻といって言い過ぎではありません。


以下は神宮外苑絵画館前のイチョウの黄葉のブログです。

マッキーの随想:恒例の黄葉した絵画館前いちょう並木散策

マッキーの散歩の楽しみ…神宮外苑のイチョウ並木



梅の花のように、枝にちらほらと花を付けるジュウガツザクラ


豪華絢爛といってよい春の桜の花に比べて、おとなしく珍しくそして控えめに咲いている桜です。

11月も下旬となると、花も少なくなりますが、今回新宿御苑では、木々の紅葉の他に、さまざまな草花を観ることができました。



「お山にきたみたい」…新宿御苑にお散歩に来た2歳半の幼児の感想




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