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「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの随想:冬に咲く桜と早咲きの桜

2011年02月10日 | 時事随想



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節分・立春が過ぎ、今年は晴れが続いているという事情もあり、太陽光に当たると、春めいた暖かさを感じます。

早春の梅や水仙の花が、此処彼処に咲いていますが、日本人にとって、特に雪国や北国に住んでいる人にとって、桜の開花は、春本番の到来を強く実感させます

太平洋側と異なり東北・日本海側の地方は、桜の花見の時期にようやく雪も消え、戸外で日光浴を楽しむことができることも、そうしたイメージを抱かせる理由となっています。

また、農耕民族であった日本人にとって、桜が咲く頃から本格的な農作業が始まることや、心の琴線に触れるような花の散り際の潔さの美学も含め、桜は日本人にとって特別な存在であるように思います。

全国各地で大切に扱われている桜の古木について、以前の私のブログで取り上げ、データを分析したことがあります。

興味ある方は、マッキーの随想:全国の桜の古木をデータでチェック! をご覧ください。

 

ところで、『春爛漫に咲く桜』の他に、桜の一般的なイメージからずれば、季節はずれと形容してもよい季節に咲く桜が存在していることは、承知のことと思います。

今回、冬に咲く「季節はずれの桜」と、また春早々に咲く「早咲きの桜」について取り上げ、近隣に咲いていた桜の画像も載せながら、少し知識をまとめてみたいと思います。

コスモスの咲く頃、木々が紅葉し始める頃、秋桜(コスモス)ではなく、本物の秋に咲く桜があります。

その名は、十月桜(ジュウガツザクラ)と呼び、ピンクの綺麗な桜です。

下の桜の写真は、新宿御苑の十月桜です。

【十月桜(ジュウガツザクラ)】
花は中輪、八重咲きで淡紅色。開花期は4月上旬、10~12月。
10月頃から咲き始め、翌春にも咲く、年2回花を咲かせる珍しい桜です。
「こひがんざくら」の園芸品種で、晩秋から咲き始め、冬のあいだも少しづつ咲き、4月上旬には多く咲きます。
花は白色か淡いピンクで、小さな八重咲きです。バラ科サクラ属の落葉小高木
 

秋から冬にかけて咲いている桜には、八重咲きの十月桜の他に、花弁が5枚の一重咲きの桜も見かけます。

この桜は、冬桜(フユザクラ)と呼ばれる品種で、下の写真は旧芝離宮恩賜庭園の冬桜です。



【冬桜(フユザクラ)】
花は中輪、一重咲きで白色。開花期は4月上旬、11~12月。
春と秋、年2回花を咲かせる桜で、群馬県鬼石町の桜山公園にはこの桜が多数植えられており、「三波川の冬桜」として有名。
「オオシマザクラ」と「マメザクラ」との種間交雑種と考えられています。江戸時代の後期から栽培され、「コバザクラ(小葉桜)」とも呼ばれています。群馬県鬼石町の桜山公園に1905年に植栽されたものは「三波川の冬桜」として、国の天然記念物に指定されています。10月から翌春まで、白色の花が咲き続けます。
バラ科サクラ属の落葉高木


十月桜と冬桜を対比すると、冬桜のほうが遅れて咲き始めますし、十月桜は八重咲きであり冬桜は一重咲きですので、すぐに区別が可能です。

ただ十月桜も含めて、秋から冬にかけて咲く桜を冬桜と総称する場合もあるそうです。 


桜と言えば
 ソメイヨシノ」というほど、この品種は全国に圧倒的に多く植えられています。

そのソメイヨシノが咲く前に先駆けて、春早々に咲く桜の品種があります。

近隣の公園に咲くそうした桜について、簡単に紹介しましょう。  

まず代表的な早咲きの桜は「寒桜」でしょう。

すでに紹介した「冬桜」とは、違った品種ですので、勘違いしないように。

冬は名詞、寒は「寒い」ですから形容詞。従って相対的に強い名詞の「冬」を冬咲く桜の名称に付け「冬桜」とし、形容詞の寒を早咲きの桜の名称に付け「寒桜」としたのではないかと思います。

しかし牡丹の名称は、二季咲きで冬咲く変種の名称を寒牡丹」とし春牡丹と同じ品種を1~2月に開花するよう調整して咲かせる方を「冬牡丹」と命名しています。ちょっと紛らわしい名称のつけ方のように感じます。


寒桜の仲間には「大寒桜(おおかんざくら)」や、伊豆半島に咲く「修善寺桜(しゅぜんじざくら)」・「河津桜(かわづざくら)」などがあります。

下の桜は、自宅近くの公園に植えられていて、東京でも3月の上旬から咲き始める「寒咲大島」です。

花の色は白く一重の5弁花で、早咲きであることと白い花びらが特徴で、他の桜と区別することができます。



寒咲大島

【寒桜(カンザクラ)】
花は小輪、一重咲きで淡紅色。開花期は3月上旬。
暖地では1月中旬から花が咲きだす桜で、熱海桜とも呼ばれます。


下の画像は、やはり近隣の公園に数本植えられている河津桜(かわづざくら)ですが、この桜が咲き始めると本格的な桜の季節到来を実感させます。

昨年、公園の河津桜は、2月25日にはすでにこのように満開の花をつけていました。



【河津桜 (かわづざくら)】
南伊豆の河津地方で1955年頃に発見された品種。
「大島桜」と「寒緋桜(かんひざくら)」との自然交配種。
その河津地方では河津川沿いに多く植えられる。


やはり早咲きの桜である「ひかんざくら(緋寒桜)」は、赤みの強いピンクの花が特徴です。

ご覧の通り、房状に下向きに咲く花は、一見すると桜とは異なる花かと勘違いするほど、他の桜とは区別が可能な個性的な桜です。



【ひかんざくら(緋寒桜)】
中国南部から台湾、琉球列島に分布しています。沖縄では1月から2月、本州中部でも3月には咲きます。鮮やかな緋紅色の一重の花を、下向きに咲かせます。「ひがんざくら(彼岸桜)」との混同を避けて、「かんひざくら(寒緋桜)」と呼ばれることもあります。1月ごろ、沖縄で桜が開花したとされるのは本種です。


桜の花は、艶やかで人の心を弾ませる花であるだけではなく、その対極にある死をも想起させる花です。


願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃

この歌は、西行辞世の歌とも言われていますが、西行の享年は73才で、この歌は60才代中ごろの作と言われていますので、桜とは切っても切れない仲の西行の、死に際についての願望の歌と言ってよいでしょう。

驚くべきは、釈迦の入滅の日(2月15日)、如月(2月)の望月(15日)の翌日、西行はこの歌で予見したとおり、2月16日に亡くなってることです。

 
散る桜残る桜も散る桜

私の郷里新潟の人、良寛の句ですが、一説には辞世の句ともされている歌です。

やがて来る死は、どんな人にも等しく訪れる運命であるという事を、散り往く桜と艶やかに咲き誇る桜を対比しながら、比喩的に読んだ歌なのでしょう。 


実は、私にもある人の死と桜の花が、切り離すことができない関係として、脳裏に焼きついている記憶があります。

青空いっぱいに、桜の花吹雪の美しさとはかなさが風に舞うとき、胸にこみ上げてくるものがあります。 


How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
Yes, 'n' how many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?
Yes, 'n' how many times must the cannon balls fly
Before they're forever banned?
 The answer, my friend, is blowin' in the wind,
The answer is blowin' in the wind.
 
 

Blowin' In The Wind "Bob Dylan" (1962)

 

 


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