今日のテーマであり、今週小5の算数で取り上げた学習内容である「記数法」(N進法)の指導法を伝授する前に、ちょっと脇道にそれますが、それと関連した授業についてお話ししましょう。
来週、私は江東区の小学校で2年生の算数を指導しますが、塾では無論指導経験がありますが、公立小学校の2年生指導は今まで経験が無く、とても楽しみにしています。
学習項目は「1000より大きい数」で、生徒がどのような反応を示すか興味深く、授業では、さまざまなアプローチで生徒の好奇心を引きだし、楽しい学習時間にしたいと考えています。
B4プリント2枚の教材を作成しそれを使う予定ですが、そのプリントの【1】と【2】の問題が、今日取り上げる記数法に関連しますので、ちょっと取り上げてみます。
【小学2年算数の教材プリント】
【1】すべての数は、( )から( )までの、( )この数字をくみあわせて、作ることができます。
【2】私たちが、算数でも学習しているような、ひごろ使っている数のあらわしかたのほかに、あなたはとくべつな数のあらわしかたを知っていますか。
(この質問の意図が小2では理解できないので、少し問題の意図を解説する必要があります。)
【1】は、お分かりのように、0から9までの10個の数字を組み合わせて、日ごろ私たちが使っている数を表記します。
このように、1が10個集まると十の位に1がたち、10が10個集まると、くり上がって百のくらいに1がたつような数の表し方を、「十進法」または「十進数」と呼んでいます。
【2】の問いかけに対しては、「十進法」の他にさまざまな記数法があることを身の回りから見つけることを主眼とします。
例えば、鉛筆を数えるときに使う12本で1ダース、12ダースで1グロスという表し方がありますし、欧米では長さの単位に、1フィートが12インチとなるように、現在でも「十二進法」を使う場合もあります。
また、60秒で1分、60分で1時間、24時間で1日、12ヶ月で1年というように時間の単位には、「六十進法」・「十二進法」も存在します。
コンピュータは、磁極のNSの変化を用いるために、十進法ではなく「二進法」を使っています。
このようなことを、小学2年生が答えると言うよりは、興味が湧くように簡単に説明してみたいと思います。
小学生が取り扱う記数法は、「十進法」の数字を指定された「N進法」に直したり、「N進法」で表記された数値を、「十進法」に直すことが基本です。
ただし、単に数字が与えられていて、記数法による数値の変換といった問題ではなく、まずその問題が、(1)「記数法」の問題であること、(2)その問題が「何進法」であるかを見抜くことからスタートするような問題設定となっています。
この記数法は、最も代表的な「十進法」の構造が理解できれば、他のN進法にその考え方を適用することにより、比較的簡単に子どもに理解させることができます。
そこで、最初に十進法の構造をしっかりと理解させるために、次のような初歩的な指導を行います。
まず、ノートに1111と、四桁の「十進法」の数字を書かせます。
ミスしやすいポイントは、四桁目の千の位は10が3回かけられた数字となっていることです。
式で表せば、1111=10×10×10×1+10×10×1+10×1+1×1、となります。
これが「三進法」の1111(3)ならば、以下のような構造表になります。
よって、三進法の1111(3)を十進法に直すには、下のような式を書いて求めます。
1111(3)=3×3×3×1+3×3×1+3×1+1×1=40
私は記数法の問題が出たら、まず何進法かを調べ、何進法かが分かったら、初心者には必ず上のような構造表を書いてから解かせます。
では、もう少し問題を解いてみましょう。
【問題1】五進法の2034(5)を十進法に直しなさい。
まず基本に戻りますが、五進法は、0から4までの5つの数字を用い、無論5という数字は使いません。・・・ここの所をミスしないように!
(下の1こ・1こは書かないで、かけた数の125・25を書いても良い。)
この構造表を書いて、これを見ながら式を立てます。
2034(5)=5×5×5×2+5×5×0+5×3+1×4=269・・・答
(数字が0の位も、ちゃんと式に書いておきます。)
では、上の表を使って、今度は十進法を五進法に直してみましょう。
【問題】333を五進法で表しなさい。
まず、表を見ながら333の中には、5×5×5=125が2つ入っていることが分かります。
333-125×2=83
次に、83の中に、5×5=25が3つ入っているので、
83-25×3=8
8の中に、5が1つ入っているので、 8-5×1=3、3=1×3。
この計算から、333=5×5×5×2+5×5×3+5×1+1×3
よって5進法で表すと、2313(5)・・・答 (二三一三の五進法と言います。)
十進法をN進法に直す便利な筆算方法がありますが、まずは上記の基本的な記数法の理解から発した解法をしっかりと定着させましょう。
最後に、N進法の考え方を用いる出題形式の例を挙げましょう。
【問題】白4個は赤1個と等しく、赤4個は青1個と等しく、青4個は緑1個と等しいとします。
(1)緑1個は、白何個と等しくなりますか。
(2){緑緑青赤赤赤}は、白何個と等しくなりますか。
(3)白225個を、できるだけ少ない記号で(2)のように表しなさい。
この系統の問題は、見てすぐ分かることは、ある種の規則性の問題ということです。
そして、この問題のくり上がり方を見て、4進法の問題であることが分かれば、解くキーを得たことになります。
そこで、まず4進法の4ケタの構造表を書きます。
(1)緑1個は、4進法で表すと1000(4)となります。
この緑1個を白何個と等しくなるかという問題は、4進法を10進法に直す問題です。
1000(4)=4×4×4×1+4×4×0+4×0+1×0=64(個)・・・答え
(2) ){緑緑青赤赤赤}を4進法で表すと、2130(4)となります。
この問題は、4進法で表された数値を、10進法で表す問題です。
したがって、4進法の構造表を見ながら、
4×4×4×2+4×4×1+4×3+1×0=156(個)
(3)今度は十進法で表された数値を、4進法に直す問題です。
白225個ですから、まず225の中に64が何個入っているか計算します。
225÷64=3あまり33
次に33の中に16が幾つ入っているか計算します。
33÷16=2あまり1
1の中に4は、入ってなく、あまりは1となります。
よって、225=4×4×4×3+4×4×2+4×0+1×1
この4進法を色で表せば、{緑緑緑青青白}が答えとなります。
記数法の指導で大切なことは、日頃使っている10進法の表記方法の構造を理解させること、それを応用してN進法に変換したり、N進法を10進法に変換する練習をすることです。
そのときに 、N進法の構造表を書きそれを参孝にして問題を解くようにすると、N進法の理解がしっかり出来るでしょう。
HDDは磁極でしょうが、それ以外は電圧のオンオフだと思うのですが。
おっしゃる通り、コンピュータが演算している時の記憶装置は、電圧のonとoffで行っているので、コンピュータは電磁気上2進法を使っているとすべきでした。
とくにN進数、2進数と、重み付が何ヶ月も勉強しても全く意味が理解できなくて.......Nって一体いくつなのか?重みとは一体どれだけの重さ(数)なのかが理解出来ないです(泣)
画像の進数をなんとなく理解するのに1ヶ月かかりました
わたしには難しすぎます
そこで、10進法を参考に、出てきたN進法について「構造表」を、問題の如何に関わらず、まず書いてみます。
小学生には、そうした作業をしてもらい、10進法の考え方を、N進法に拡張する経験を積ませることにより、理解を深めさせることが大切です。