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「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』:続・ 季節を感じる日常の風景

2020年10月30日 | 四季の植物と風景

撮った写真が、瞬く間に季節外れになってしまう今日この頃です。前回に引き続いて、近隣の秋めいた風景を綴ります。都内に住んでいると、紅葉はまだまだといった印象です。温暖化もあり、紅葉時期も遅れてきています。都内では、およそ11月の下旬から12月の上旬が紅葉の最盛期です。近隣の山歩きをすれば、もう少し早く紅葉時期を迎えます。遠方に出かけなくとも、都内でも心打つ紅葉を楽しめる場所はたくさんあります。自分にとって掛け替えのない紅葉を楽しめる場所を持っている人は幸せです。



駅前の欅が色付きはじめました。私は、紅葉の最盛期の華やかさも好きですが、一足早く枝の先が紅葉し始めている儚い景色も好きです。紅葉もせずに、茶色に枯れてしまった木々の葉も好きです。少し注意を払うと、周囲の木々が、日に日に色付いていくのが実感できます。

下の画像のように、マリーゴールドの花、コスモスの花、サルビア・レウカンサの花なども咲いています。その花壇の周囲には、落ち葉が積もっています。紅葉をせずに枯れて落ち葉となる木々の葉もあります。















クヌギやマテバシイやスダジイノの木には、ドングリが付いていました。そして上の画像のように、蝉の殻が必死に葉にしがみついた状態で残っていました。最近人気で、公園に植えられているパンパスグラスの白い穂が揺れていました。







公園の花壇に、俵万智の短歌が見受けられます。この花壇は、中高年の方がボランティアで管理しているようです。その中に、俵万智の短歌が好きな方がいるのでしょう。一般の方に、俵万智は「サラダ記念日」で鮮烈な印象を与え、私もこの歌集を買いました。とても良い企画だと思います。




マッキーの『四季を楽しむ』: 季節を感じる日常の風景

2020年10月14日 | 四季の植物と風景

「猛暑の夏でしたが、蝉の声も急速にまばらとなり、秋の風を感じる時もある今日この頃です。」・・・前回投稿したブログの書き出しです。ちょっとご無沙汰すると、すでに肌寒さも感じるほどの気温で、秋本番の季節となってしまいました。

今年は新型コロナで季節を味わい楽しむこともできず、季節が私を足早に追い越していきます。それでも、日常の営みの片隅で、季節の移ろいを感じる風景があります。今日は、そんな近隣の公園の風景を中心に綴ろうと思います。





彼岸花は、目を刺激する色彩と、毒性を持つなど特徴的な性質が、一層特別な感情を私に呼び覚まします。上の画像の彼岸花の背景の白い花は、タマスダレです。和名の由来は、白い小さなを「」に、が集まっている様子を「」に例えたことによるそうです。彼岸花と同じような時期に咲いている花でが、咲いている期間は遥かに長い植物です。まとまった雨後に一斉に花茎を伸ばし開花することから、別名はレインリリーと呼ばれます。



天候が悪い日が続き、足元にオレンジ色の金木犀の小さな花がいっぱいに落ちていました。意識して花の香を感じる前に、季節は過ぎてしまいました。

都内の紅葉はまだまだですが、北アルプス涸沢の紅葉は最盛期だろうと思います。谷川岳の紅葉も美しかった。奥多摩の紅葉し落葉した葉の絨毯が敷き詰められた登山路を歩く楽しさも忘れ難い。汗を流し登りきった先にしか見れない美しさがあります。その感動は、画像や映像では決して味わうことはできません。私達は、目から入った映像をそのまま見ているのではなく、それを視神経が脳に伝え、そこで様々なフィルターを経由して風景を認識しているからでしょう。





コスモスは、漢字では秋桜と書き、秋を代表する花でしょう。ただし、日本には1879年に渡来したので、無論のこと秋の七草には入っていません。これは、栽培が盛んな菊も同様で、中国から薬草や観賞用植物として入って来た外来種なので、やはり秋の七草には入っていません。最近は、コスモスの中でもキバナコスモスが人気で、公園には大変良く見かけます。コスモスの背景に、終わりの時期を迎えたヒマワリが写っています。ひたち海浜公園が有名で最近人気のコキアも、緑の葉に赤味が入り始めています。全体が朱色に紅葉するのも間近です。
感染予防に注意しながら、公園散策や山歩きをして秋の自然を楽しみたいと考えています。


マッキーの『四季を楽しむ』:桜の季節到来

2020年03月25日 | 四季の植物と風景

 日本は無論のこと、全世界的に新型コロナウイルスの感染が重大な局面を迎えています。そうした、人間の世界の混乱をよそに、自然の歩みは確実に進展しています。下の画像のように、自宅玄関にひな人形を飾ったのは、ほんの少し前の事です。しばらくブログの投稿をしていないと、前回のブログが季節外れの印象を受けます。それほど、季節の進展は速いと実感します。



 3月15日に、新宿御苑を散策しました。桜(ソメイヨシノ)の開花宣言が、とんでもなく早く出された東京ですが、ソメイヨシノはまだまだ咲揃ってはいませんでした。アマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)を交雑させて作出した園芸品種の陽光という桜が満開で、人々がその桜の周囲に集まって鑑賞していました。カンヒザクラの遺伝的性質を持っているので、ソメイヨシノよりも朱が強く、美しい桜です。ただ、今年は酒宴のお花見を自粛すべきでしょう。





 桜の他にも、下の画像のようにユキヤナギ・ボケ・サンシュユが咲き、ハクモクレンが満開でした。ロウバイ・マンサク・サンシュユと黄色い花が次々と咲き、同様に黄色い花のレンギョウ・ヤマブキ・キンシバイなどが咲けば、春本番となります。







 下の画像は、3月20日の近隣の公園で撮ったものです。ハクモクレン・ネモフィラ・レンギョウ・オオシマザクラ・枝垂桜・啓翁桜などが咲いていました。今年のソメイヨシノは、日当たりなどの条件により、木々ごとに開花状況が異なるようです。

 昨日、東京オリンピックの延期が決まったようです。学校も休校となるなど、世の中は異常な状況が続いています。私達は、様々なウイルスと戦いながら生存してきたと言えます。近年でもエボラ出血熱・MERS・SARSなどウイルスを原因とする感染症が、社会的及び経済的に影響し、社会を混乱させることが繰り返されました。今回のウイルスが、人との接触がない場所にひっそりと存在していたのか、既存のウイルスが変異したのか、人工的にウイルスを変異させたものなのかは分かりませんが、新たに新種の未知のウイルスとの遭遇は、これからもあることが予想されます。毎年流行するインフルエンザもその原因となるウイルスの変異が激しいので、危険な性質を増強して出現することも予想されます。

 「散る桜 残る桜も 散る桜」 無論この俳句は、戦中に詠まれたものではありません。江戸時代の良寛和尚の辞世の句と言われています。私たち日本人は、春爛漫の満開の桜を見つつ、散っていく運命をも感じ取っています。無常な世の中を、今年は一層感じる桜となりました。














マッキーの『四季を楽しむ』:河津桜が満開に!

2020年02月19日 | 四季の植物と風景

 教室へ行く途中で、遠回りで公園へ行き河津桜をチェックしました。前回のブログで、河津桜の開花を綴りました。今日は、その河津桜が見頃の満開になっていました。





 今年はかつてないほどの暖冬でしたが、それでも桜の咲く時期になると、身も心も暖かくなります。ただこの時期は、花粉症の人にとっては、厄介な時期の到来となります。桜の開花を感知して、例年ですとメジロが沢山飛来しているのですが、今日はなぜかいませんでした。





 足元には、早春の花・日本水仙がまだまだ元気に咲いていました。植物の変化をブログに載せるとき、ちょっとでも遅れてしまうと時期外れとなってしまうほど、これから慌ただしく季節が変化します。


マッキーの『四季を楽しむ』:河津桜が咲き始めた!

2020年02月13日 | 四季の植物と風景

 2月11日(建国記念日)、近隣の公園を散歩しました。毎年楽しみにしている河津桜が開花していました。三分咲きでしたが、満開の時期には、どこからかメジロの群れが飛来します。やはり早咲きの桜が咲き始めると、春の訪れを感じます。







 河津桜は、オオシマザクラとカンヒザクラの自然交雑種であると推定されています。 名前の通り、この桜は河津町で発見された品種の桜です。カンヒザクラの遺伝的な影響でしょうか、ソメイヨシノよりも濃いピンク色をしています。春先の青空に映えてとても美しい桜です。





 ロウバイも咲き、マンサクやサンシュユなどの黄色い花が咲き乱れるのも間近です。レンギョウ・ヤマブキ・キンシバイなどが咲けば春本番です。春は、以上のような黄色い花が多いのが特徴です。花を楽しみながら散歩をするには、とても良い季節が訪れます。


マッキーの『四季を楽しむ』:都内の紅葉を楽しむ散策

2019年12月16日 | 四季の植物と風景

 都内の紅葉の名所として、近年人気が高まっている場所に、神宮外苑のイチョウ並木があります。かつてはもっとのんびりと鑑賞できた場所でしたが、昨今はいちょう祭りとして宣伝していることもあり、人出はかなりあります。以前から比較すると、黄葉する時期も年々遅くなっていることが分かります。

 私にとって恒例のいちょう祭りですが、今年は12月1日いちょう祭り最終日に出かけました。今年のイチョウは、画像のように木々の先の葉が少なく、かつ完全に黄葉していない状況でした。やはり、黄葉した葉が舞い落ち、その落葉を踏みしめて歩く並木が素敵なので、今年は感動するほど素晴らしい黄葉とは言えませんでした。ですので、いちょう祭りの出店の周囲に、人々の熱気を感じました。





 私が毎日教室へ行くときに使っている浜町駅の出口にある緑地帯のいちょう並木は、今年も綺麗に黄葉しました。階段を登って外へ出る前に、イチョウの黄葉が望まれます。明治座前ということで、高齢者もベンチに座って黄葉を楽しんでいます。また、夜はガス灯のような光の街灯に照らされて、幻想的な美しさを楽しむことができます。







 住宅周囲の植栽の落葉広葉樹は、秋になれば落ち葉を掃除するのが大変です。けれども、夏には、心地よい木陰を、秋には美しい紅葉を、そして冬には葉を落として気持ち良い日向を作り出します。下の画像のように集合住宅の横に毎年きれいに黄葉する木があります。植栽の美しさは、日常生活に潤いを与える大切な要素と言えるでしょう。



 12月15日(日)、新宿御苑へ妻と出かけました。紅葉も終わりの時期ですが、期待していた大イチョウやユリノキの黄葉は、すでに落葉して見ることはできませんでした。けれども様々な木々の黄葉や、モミジの紅葉はとても美しく楽しめました。新宿口近くのモミジバスズカケノキの巨木は、すでに葉を落としつつありました。













 ススキは日光を受けて銀色に輝いて、秋の風情を彩っていました。立入禁止の樹林の中のモミジの紅葉は、山に出かけたように錯覚してしまいそうです。新宿御苑は、都心の中でそうした景観を楽しむことのできる貴重な場所です。多くの外国人も苑内を散策していますが、そうした日本の自然を実感して楽しんでほしいと思います。









 時期が遅かったのですが、茶の花が咲いていました。
チャノキは、ツバキ科ツバキ属の常緑樹ですので、茶の花の画像の下の画像のサザンカの花に、大きさが異なりますがとても良く似ています。低木に絡むように、カラスウリの実が幾つも生っていました。カラスウリの花は、夜咲く特別な形状で、受粉を夜飛ぶガに期待しているのでしょう。







 プラタナス並木は、黄葉も終わり冬枯れた姿になっていました。町中の街路樹のプラタナスも、最近剪定されて冬の姿となっています。このプラタナス並木は、新緑から始まり黄葉そして落葉、最後は冬枯れた姿まで楽しむことができます。このプラタナス並木は、パースペクティブがたまらない魅力です。第三の男のラストシーンを連想してしまいます。





 西洋水仙のペーパーホワイトが咲き始めていました。この水仙は綺麗なのですが、日本水仙と異なり嫌な匂いがします。また時期外れの感じは否めませんが、下の画像のようにヒマラヤザクラ(上)やコブクザクラ(下)、そしてジュウガツザクラも咲いていました。植物は、知れば知るほど奥が深いと感じます。知識が深いほど、植物の美しさを味わうことができます。



【ヒマラヤザクラ】画像のように、十月桜のようなか細い咲き方ではなく、春の桜の季節を感じるほどの威勢の良い咲き方です。色はソメイヨシノよりも朱が強く華やかです。長い間新宿御苑に出かけていますが、満開のヒマラヤザクラを見るのは初めてでした。



【コブクザクラ】子福桜はバラ科サクラ属の落葉小高木である。十月桜(ジュウガツザクラ)と同様に秋から冬、早春にかけて咲く。ただし、十月桜(ジュウガツザクラ)は一重だが、子福桜(コブクザクラ)は八重咲きである。原木は熱海市の石井さん宅にあり、遺伝研の研究者によって発見された。名の由来は、普通八重咲きは結実しにくいが、一つの花に複数の雌しべがあるために複数の実をつけるというところからきている。


マッキーの『四季を楽しむ』:新宿御苑 菊花壇展

2019年11月06日 | 四季の植物と風景

 11月4日(月)、文化の日の振替休日でしたので、散歩に出かけました。文化の日は、全国統一小学生テストを教室で実施したために、休日返上で仕事をしました。都内は、紅葉には少し早い時期です。けれども、毎年行われ私自身も楽しみにしている、新宿御苑の菊花壇展が始まっていましたので、散歩がてら出かけました。

 新宿門の入り口は、とても混んでいました。外人の観光客も目立ちました。多くの方が、この菊花壇展を楽しみにしていることが分かります。外人観光客にとって、春の桜鑑賞も良いのですが、秋の菊と紅葉鑑賞も思い出深い経験となるはずです。春を楽しむことは、世界的に一般的ですが、日本人のように秋をこよなく愛する民族は、そう多くはないと思われます。日本人の特性を表す風習です。それは日本人が農耕民族であり、収穫が終了し一息入れることのできる時期だからでしょうか。また、木々の紅葉が素晴らしくなる気候条件があることも重要でしょう。秋を視覚で楽しむだけではなく、聴覚で虫の音を楽しみ、味覚で秋を味わう楽しみも魅惑的です。



 日本に園芸品種の菊が渡来したのは、奈良時代末から平安時代の初期といわれています。その後、室町・江戸時代と発達を遂げ、明治元年に菊が皇室の紋章に定められたそうです。明治37年より新宿御苑で菊の栽培が始まり、昭和4年から観菊会も御苑で行われるようになりました。様々な菊を鑑賞できますが、その栽培の手間を考えると、その苦労も感じてしまいます。





上の菊は、江戸菊花壇です。下の画像は、大作り花壇です。大作りの菊は、一株の菊から数百輪の花を半円形に整然と仕立てて咲かせる技法です。どれだけ手間がかかっているのでしょうか。





上の画像は、嵯峨菊です。京都の嵯峨地方で発達した菊で、細長い花びらがまっすぐ立ち上がって咲きます。





 上の画像は、管物菊花壇です。筒状に伸びた花びらが放射状に咲く大輪菊で、糸菊とも呼ばれています。下の画像は、肥後菊花壇です。肥後菊は、古くから肥後地方で作られた一重咲きの古典菊で、主に武士の精神修養として発達しました。後ろのよしずと相まって、私自身は好きな菊です。





 上の画像と下の画像は、大菊花壇に咲いている色合いが美しく、また全体の花が揃って咲く美しさを鑑賞する花壇です。大菊は、菊の代表的な品種で、花びらが花の中央を包み込むように丸く咲くのが特徴です。

 毎年この菊花壇展を鑑賞することを恒例としている私ですが、秋も深まってきたことを実感する催しです。下旬になれば、イチョウも黄葉して見ごたえある秋の彩りを楽しめるでしょう。





 菊の花だけではなく、下の画像のようにツワブキの黄色い花、ケイトウの赤い花、そして時期外れの秋咲きのコブクザクラが咲いていました。新宿御苑は、外人の観光地としても人気だそうで、多くの外人が散歩しています。日本の美しい公園を楽しんでほしいと願っています。

 秋を代表する花である菊が、秋の七草に入っていないのも不思議です。職人と呼んでも良い人たちが、丹精込めて育てた変化に富んだ菊の世界を、秋の季節を感じながら楽しむ喜びを今年も味わうことができました。








マッキーの『四季を楽しむ』:近隣のアジサイの花

2019年07月14日 | 四季の植物と風景

 梅雨の季節も終盤を迎え、咲き誇っていたアジサイの花もみすぼらしくなりました。この鬱陶しい季節に、私たちを一時清々しく感じさせる花として、アジサイは無くてはならない花と言えるでしょう。





 ただし、実はアジサイの花の美しさを見出したのは、日本人ではなく欧米人でした。アジサイはアジサイ科アジサイ属の植物で、原産は日本に自生しているガクアジサイです。アジサイは、ヨーロッパに持ち帰られ品種改良された結果、現在私達が見るアジサイとなりました。





 関東周辺では、アジサイが売りの寺が鎌倉に幾つかあります。ただし、アジサイの季節には多くの見物客で溢れます。列に並んでアジサイを鑑賞することが、いまいち情緒がないと感じる人も多いかもしれません。自宅周辺に、毎年綺麗なアジサイが咲く場所を覚えておいて、そのアジサイを味わうのも楽しいことです。





 アジサイと同じ時期に、公園などに咲いている花として、下の画像のビョウヤナギタチアオイなどがあります。ちょっと周囲の草花に関心を向ければ、素晴らしい美しさを感じることができます。どうぞ、公園の花壇だけではなく、路傍の花にも気をつけると、季節の変化を感じることもできるでしょう。





以下のブログも、関心のある方は御覧ください。

マッキーの『四季を楽しむ』:あじさい観賞に北鎌倉を散策(上)

マッキーの『四季を楽しむ』:あじさい観賞に北鎌倉を散策(下)

マッキーの『四季を楽しむ』:キンシバイとビョウヤナギとヒペリカム・カリシナム


マッキーの『四季を楽しむ』:今年も鈴虫を飼い始める

2019年07月09日 | 四季の植物と風景

 鬱陶しい梅雨空が続いている昨今。今年も、知り合いの田中さんから鈴虫を頂き飼い始めました。昨年は、けっこう大きくなった鈴虫でしたので、もらって帰る電車の中で、元気よく鳴き始めたので焦りました。今年は、まだ小さな鈴虫ですので、鳴き始めるのはもっと先のこととなります。我が家では、生き物係の小学5年生の娘が、今年からセキセイインコを飼い始め、合わせてメダカと鈴虫を飼育しています。セキセイインコの名前が「すずちゃん」で、鈴虫も「すずちゃん」ですので、本人はちょっとしたイントネーションの違いで言い分けていると主張しています。前回のブログでは、昆虫食について綴りましたが、今回は昆虫を自宅で飼う話となります。



 私たち日本人は、虫を飼う習慣があります。これは世界的にも珍しく、万葉集にも虫の音を題材とした歌があり、平安時代には鳴く虫をカゴに入れて声を楽しむ風流が貴族階級に流行していたそうです。映画「たそがれ清兵衛」の中で、内職に竹製の昆虫籠を作っていたのを覚えています。江戸時代には、「虫売り」という新しい商売が成立し、一般庶民も虫を飼って楽しんでいたことが分かります。



 人間の脳は左右で機能が違い、一般に左脳が言語をつかさどり,右脳が言語以外の雑音の処理を行っているといわれています。医学者の角田忠信氏の研究によれば、 日本人は例外的に虫の声をはじめ自然界の音を、言葉と同様に左脳で聞いているそうです。 とくに欧米人は、虫の鳴き声を雑音として聞くばかりか、鳴いていることすら気付かない人が大部分だそうです。日本人のこうした特別な感性は、どういった条件で研ぎ澄まされてきたのでしょう。四季の移り変わりを、虫の音で感じる感性は大事にしたいと思います。



 塾の小4理科のテキストに、虫の鳴き声と虫の名前を覚える項目があります。例えば、エンマコオロギが「コロコロコロコロリ」、マツムシが「チンチロリン」、スズムシが「リーンリーン」、キリギリスが「ギースチョン」、 ウマオイが「スイーッチョン」、クツワムシが「ガチャガチャ」などです。私でさえ、虫の名を認識して聞いたことが無い虫もいますので、今の子どもたちには、単なる言葉遊びで生きた知識には程遠い項目だと痛感しています。摩動物公園の昆虫館のように、管理飼育された博物館の中で、出会える動物になったのかもしれません。だとしたら、子どもたちが虫と触れ合える施設をもっと増やすべきだと思われます。



 教育施設や学校にだけ頼るのではなく、自宅で虫を飼うことも子どもにとって貴重な体験となります。鈴虫はあまり手間をかけずに飼育できる昆虫です。また、以前このブログで綴ったカイコなども、桑の木が周辺にあるようであれば、飼ってみることを検討する価値があります。都市の中の集合住宅では、犬や猫などを飼育することが禁止されている場所が多いので、小さな昆虫の飼育を代替しても 「一寸の虫にも五分の魂」と言われる如く侮る事勿れ、子どもに生き物の生態を体験的に理解させることができるはずです。

蚕については、以前のブログも参考にしてください。

マッキーの教育:家でカイコを飼育する(1)カイコが届く!

マッキーの教育:家でカイコを飼育する(2)カイコが繭を作る


マッキーの『四季を楽しむ』:新宿御苑の春

2019年03月21日 | 四季の植物と風景

 3月21日・春分の日東京で桜の開花が発表されました。無論、それはソメイヨシノの標本木の開花ということです。数日前の日曜日、近隣の散歩に出かけた私でしたが、途中で考えが変わり、新宿御苑に急遽出かけました。その御苑の様子を今日は画像で紹介します。ただ、桜の開花が発表され春分の日ともなると、数日前の季節感が時期外れになってしまうほど、季節の移り変わりは早いと感じます。





 御苑の新宿門近くのハクモクレンが満開でした。代々木公園にも、ハクモクレンの素晴らしい木があります。純白の花が青空に映えて見応えがあります。下の画像は、ハチジョウキブシの枝垂れる穂状花序です。





 園内には、早咲きの桜がいたるところで花を咲かせていました。十月桜も、二度目の花を咲かせていました。自宅の近隣でも、現在フユザキオオシマザクラの白い花が見頃です。桜の画像の一番下が、カンヒザクラです。







 黄色い花を咲かせるロウバイマンサクが終わり、現在下の画像のサンシュユが満開でした。プラタナス並木は、まだ冬枯れた姿です。彩りが綺麗な椿も、まだまだ咲いています。







 下の画像は、ミツマタの花です。山を歩いていると、ミツマタの木が自生しているのを見かけます。その下の画像は、トサミズキジャノメエリカの花です。







 いよいよ、ソメイヨシノが開花し、百花繚乱の本格的な春の到来を感じます。河の土手に、土筆が出ていました。様々な植物や動物が、多様な生態で活動を始めます。


マッキーの『四季を楽しむ』:近隣のカワヅザクラが満開

2019年03月03日 | 四季の植物と風景

 3月2日(土)、教室へ行く途中で、近隣の公園に回り道しました。高層ビルから眺めたら、ピンクに染まった木々が見えたからです。早咲きの桜のカワヅザクラが満開でした。カワヅザクラは、寒緋桜の遺伝子を含んでいるので、ソメイヨシノよりもピンク色が強く艶やかに感じます。



 農耕民族である日本人は、桜の開花を農作の号砲のように感じているように思います。特に、雪国新潟で育った私にとって、桜の開花はうきうきする春本番の到来を実感させます。ただ、桜の開花と言うと、一般的にはソメイヨシノの開花です。今年は暖冬でしたので、その開花日は全国的に早くなると予想されています。





 卒業式も入学式も、ちょうど桜の咲く時期に行われる日本では、桜は人生の節目を飾る花でもあります。「桜咲く」を実現し、我が世の春を感じる人もいるでしょう。あるいは「桜散る」を体感し、希望を喪失する人もいるでしょう。人生の節目に寄り添う桜の花は、やはり日本人にとって特別な存在です。

 桜の花が花吹雪になって舞い散る時期、私の知人が列車事故で亡くなった経験があります。それは事故だったのかあるいは自殺だったのかは、不明です。その経験以来、桜の花は人生そのもののようにも感じるようになりました。あとわずかで、ソメイヨシノも開花して、百花繚乱の本格的な春が到来します。



マッキーの『四季を楽しむ』:都内で楽しむ紅葉

2018年12月08日 | 四季の植物と風景

 12月2日(日)、新宿御苑を経由して神宮外苑のイチョウ並木を見るために出かけました。また、自宅周辺の桜の木は、冬枯れ前の紅葉終盤の時期となりました。下の画像のように、桜の紅葉も奇麗だと思います。





 紅葉名所として都内で最も人気の公園は、六義園でしょう。特に日没後のライトアップが人気の理由でもあります。今回行った新宿御苑は、日本を訪れた外国人に人気観光スポットだそうで、御苑を歩いていると最近はとても外人が増えたと実感します。頻繁に訪れる私は、この御苑の季節ごとの見どころを知っています。

 紅葉時期の見所は、大温室前のイチョウの巨木タムケヤマ、新宿門近くのカエデメタセコイアとラクウショウ、サービスセンター前の十月桜などでしょうか。早くも、スイセンの種類のペーパーホワイトが咲き始めていました。

 
タムケヤマ:カエデの園芸品種。枝は曲がりくねりながら枝垂れる。別名ベニシダレ。春の新葉は紅色、夏は緑色、晩秋に再び紅葉する。葉は掌状に7~9深裂し、縁には欠刻状の鋸歯がある。下の三番目の画像。











 神宮外苑のイチョウ並木は、都内でも最も人気の黄葉スポットです。ですので、いちょう祭りを行っている最盛期は、とても混んでいます。かつては、もっとゆったりと鑑賞できたのですが、毎年行っていると、この場所は外すことができません。目に鮮やかな黄色に周囲を染めるイチョウ並木は、訪れた人たちの期待を裏切らない美しさです。子どもが小さい頃は、イチョウの落ち葉を拾い集めて、落ち葉吹雪を楽しんだものです。両脇の歩道も、黄色い絨毯のようになっていました。

 この時期は、街路樹からも公園の並木からも大量の落ち葉が散ります。それを周囲の住民や清掃員が拾い集め、ゴミ出し作業を行います。そうした大変な手間をかけても、落葉広葉樹を植える意味があると思います。落葉広葉樹の変化が季節を感じさせ、人々に潤いを与えるからです。特に日本人は、そうした自然の変化に人生を投影する民族です。そんな環境を、もっともっと楽しみたいものです。  











マッキーの『四季を楽しむ』:国立科学博物館付属自然教育園の秋

2018年10月24日 | 四季の植物と風景

 10月21日(日)、都心の港区白金台にある、国立科学博物館付属自然教育園へ小4の娘と出かけました。都心とは思えない自然がいっぱいの植物園です。この植物園に、私は年に1~2回訪れます。山歩きをしているような錯覚に陥るほど、かつては随所にあったであろう武蔵野の自然が保存されています。その中で生育している植物だけではなく、様々な昆虫や鳥類を観察することができます。



 紅葉にはまだ早く、夏の動植物の活発な活動が収束して、静けさを取り戻した植物園でした。山歩きでは、もっと変化のある植物を観察できますが、植物園は比較的気軽に山野の植物を観察できる場所ですので、中高年の夫婦や子ども連れが多く入園しています。

 実りの秋が到来し、地面にはドングリがたくさん落ちていました。また、様々な木々の実が観察できました。ノブドウの実は、とても綺麗な色をしています。ただ、ブドウやヤマブドウとは種類が異なり、食用には不向きです。白い実が本来の色で、青色や紫色の実は、虫が寄生している寄生果なのだそうです。したがって、主に果実を観賞する目的で、園芸植物として栽培されることがあるそうです。

(木の実 上から順にカラスウリ・クサギ・ノブドウ・マユミ・ガマズミ・センニンソウ














 この時期に高尾山に登ると、ホトトギス・ツリフネソウ・キバナツリフネソウ・シモバシラや各種アザミなどを見ることができます。そうした植物を、都心の植物園で気軽に観察できます。

チャノキは、ツバキ科ツバキ属常緑樹です。チャノキの葉は人間が口にする嗜好品として加工されます。日本の地図記号茶畑を表す記号は、果実を図案化したもので、花よりも実の方が一般的に知られているようです。

(咲いていた花:上から順にチャノキ・ツリフネソウ・ホトトギス・アザミ・シロヨメナ・ユウガギク・ススキ














 水生植物園周辺には、アキアカネヒョウモンチョウが多数みられます。また、ジョロウグモも至る所にクモの巣を作っていました。ジョロウグモは、体は警告色をしていて、ハチのようですが、若干の毒を持っているそうです。ただ、人間には差し障りの無い程度の毒です。このクモは、鳥の餌になったり、地上に落ちればアリの餌にもなります。見た目ほど強い虫ではないようです。

 下のチョウの2枚の画像は、文様が異なりますが、両方ともツマグロヒョウモンのようです。体内に毒を持つマダラチョウの仲間です。この時期に高尾山系でよく見かけるアサギマダラの仲間と言うことになります。アサギマダラは、海を渡ってくるチョウとして有名です。ふわふわと鷹揚に飛びますが、ツマグロヒョウモンも同様にふわふわとした飛び方をしていました。アオスジアゲハもいましたが、こちらは神経質に羽を細かく羽ばたかせています。ユウガギクの案内板の上には、コバネイナゴが乗っかっています。本来はヨシなどの生えた湿った環境を好み、イネ科植物のを食べるため水田に多く生息し、イネの葉を食べるので農業害虫として扱われるそうです。
 











 最後に、園内で見かけた印象に残った出来事を綴ります。幼児連れの親子がいました。父親が、幼児を呼び寄せて話し始めました。「この植物園のドングリは、昆虫や鳥などの動物の餌になっているから、持ち帰ることができないんだよ。」その話を聞いた幼児は、ちょっと躊躇しましたが、手に持っていたドングリを地面に落としました。

 一般的な植物園では、落ちている葉でさえ持ち帰ることを許可していません。枝から取ったのか、本当に落ちていたのか判定が難しいことから、事務的にそうしたルールを決めているのでしょう。また園内には、貴重な植物の種子もあるわけですから、一律的なルールもやむを得ません。

 父親の説得は、一見杓子定規のように思いますが、きっぱりと持ち帰ることを否定したことは、とても良いこと
だと思いました。その子は、記念のドングリを持ち帰る代わりに、父親のルールを守る態度を学びました。地面に無数に落ちているドングリですので、幾つかを持ち帰ってもよさそうに思いますが、それでもダメなことはダメと言い聞かせるのも、大切な教育的態度だと思いました。


マッキーの『四季を楽しむ』:一栄一落これ春秋

2018年10月11日 | 四季の植物と風景

 桜の木々の葉が、茶色に色づき始めました。そしてすでに紅葉を待たずして、落葉した葉が地面を埋めていました。今年の春、心躍る桜の花を楽しませた木々は、冬枯れた姿に向かってどんどん変化しています。今日は周辺の公園の画像と共に、感じたことを綴ります。





こうした光景を見ていると、「一栄一落これ春秋」という言葉を思いだします。

 時が変わり改まるのを驚く事はない。 栄えるも朽ちるも春がきて秋へと移り変わるのと同じようなものなのだから。 菅原道真が失脚して大宰府へと流された際に歌った有名な漢詩です。この言葉を、菅原道真は知人に語りながら、自分にも言い聞かせた言葉と思われます。さて、菅原道真が達観して語った言葉だったのでしょうか? 

(上:大きなかぼちゃ・下:キク科の花)




 学者の家出身の菅原道真は、破格の昇進を遂げたわけですが、その一族も重要視され、藤原一族と対立し、ついには政争に敗れて太宰府に左遷させられます。「一栄一落これ春秋」は、大宰府に向かう途中で知人に語った言葉でした。

 菅原道真が都を去る時に詠んだ和歌はとても有名です。

東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ

(上:百日草の花、下:紅葉したコキア…和名ホウキグサ、草ボウキをつくるのに利用され、
成熟果実は秋田県の郷土料理「とんぶり」の材料。国営ひたち海浜公園の紅葉時期のコキアは有名。





 後ろ髪を引かれる思いで都落ちした菅原道真自身が、「一栄一落これ春秋」の心境まで到達していたのかは疑問です。そうした菅原道真の無念を思って、人々は彼の死後に続いた天変地異を、彼の祟りと考えました。その結果、天満天神として人々の信仰の対象になりました。

 無念の境遇で死を遂げた後に、学問の神様として永久に祀られることは、本人は知り得ません。現在全国で12,000社ほどの神社で天神様がおまつりされているそうです。数え方によっては、2万社~3万社にもなるとも言われています。その事実を本人が知ったら、意外なことだと感嘆したことでしょう。このようなことも、彼が語った「一栄一落これ春秋」ということでしょうか。

(上:子供に人気のクヌギのどんぐり、下:ガマズミの赤い実)



マッキーの『四季を楽しむ』:秋は月

2018年09月27日 | 四季の植物と風景

 おぼろ月などの特別な月を除けば、月の季語は秋です。同様に、天の川七夕も秋の季語となります。大気の透明度は、大気の湿度やチリの存在が関係します。たぶん、冬の月は秋の月よりも明瞭に輝いていると思われます。ただし、天体の観測には、冬の夜空は不向きでしょう。月などの天体を愛でる季節としては、やはり秋ということになります。子どもたちに、俳句の季語を教える時に、そんなことを説明して教えます。

『荒海や 佐渡に横たふ 天の川』 松尾芭蕉  季語:天の川 秋

『七夕や 秋を定むる 夜のはじめ』 松尾芭蕉  季語:七夕 秋

 2018年の十五夜(中秋の名月)は、9月24日でした。上手く時間が合えば、首都圏でも中秋の名月が観賞できました。十五夜信仰は、農作物の収穫ものごとの結実祖先とのつながりなどを感謝し祈るようになったのが始まりだと言われています。土器の文様に月の形状が頻繁に見られるのも、欠けては満ちる月の再生に対して、古代の人たちも尊崇の念を持っていたと考えられています。山を歩いていると、月待ち講の人たちが建てた月待塔をよく見かけます。月信仰は、かつてより広範囲に深く行われていたようです。

 春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷(すず)しかりけり (道元)

 自然の美をありのまま、素直に賞でる気持ちがそのまま仏の御いのち(おんいのち)に通じるという禅の思想を、曹洞宗開祖の道元が詠んだ和歌です。無常な自然の営みの中に、圧倒される美しさを発見出来たら幸せなことです。日々のほんの僅かな時間、自然の美しさを観賞する心の余裕が欲しいものです。

 出家遁世までして、自然の中で漂泊の旅に生きた西行の生き方までせずとも、その生き様を見習いたいものです。桜を愛し、下の歌を詠んだ西行でしたが、まさにその願いに違わず
亡くなった人でした。

   願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月のころ(山家集)

(蛇足)如月の望月の頃とは、釈迦が入滅した日・・・旧暦の2月15日頃となりますが、新暦では3月の中旬にあたります。満開の桜の下で逝きたいという願いですが、はたして桜が満開であったかどうかは疑問ですが、西行が亡くなったのは、願い通り旧暦の2月16日でした。