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ロースクール留学(していた)日記

米国ロースクールLLM卒業生の日常→アメリカ駐在員の日常

法務部のグローバル連携

2014-09-22 11:38:53 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
いくつか興味深い情報を見つけたのでシェアします。

1.某日系企業の法務部体制(pdf)
慶応ローで実施した説明会の資料だそうです。
この手の情報はなかなかオープンになっていることも少ないので大変興味深いです。

2.KPMGのリサーチ資料(pdf)
その1
その2
各社のジェネラルカウンセルへの聞き取りを通して法務体制、コントラクトマネジメントその他法務の役割や業務のトレンドを分析しています。


3.アメリカのAssociation of Corporate Counselの資料(pdf) ←おすすめ資料
・こちら

少し古い資料ですが、BMW、コカ・コーラ、ソニーといったグローバル企業がどのようなグローバル法務体制を敷いているかについて書いてあります。その他体制構築にあたっての思考整理に役立つ事項も書いてあります。


いずれにせよ我々の問題意識や対策の方向性と大きく異なるものではないと感じます。
どの業務分野でも”コスト削減”と”高付加価値領域へのシフト”は声高に叫ばれていますけども、我々の仕事の場合の”高付加価値”とは何になるんでしょうね。紹介した資料でもそのような悩みが感じられます。


人生楽しみたいですし、我々がやりたい仕事を高付加価値と言い切ってもいい気もします(笑。
(我々の仕事は外からはよくわからないので、それなりに論理武装していれば文句をつけてくる人がいないんじゃないかと…)


先日、とあるローファームには従前存在しなかったプラクティス領域を自分で作り出して、かつ、それを一つのグループになるまで拡大した人に出会ったのですが、その人なんかは自分がやりたい仕事を周りに認めさせた事例になるんじゃないかと。

Same Language

2014-09-21 21:35:01 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
こんにちは。

少し前ですが、いわゆるビッグローでグローバル案件をずっとやってきたアメリカ人弁護士と話す機会がありました。そこでグローバル案件を行うにあたって、言葉の問題はどうしているのかと聞いてみました。

彼自身は仕事レベルで使える言語は英語だけとのことでしたが、相手方は大抵英語をしゃべってくれる(あるいは通訳をつける)ので問題がないとのことでした。

やはり英語の国際公用語としてのポジションは非常に有利なものがあります。逆にいえば、日本語の壁がある日本語環境と違って、世界中の英語をしゃべる人が競争相手になるので大変といえば大変ですが。とはいえ、法律関係の仕事はその性質上ローカル色が非常に強いので、そういった競争もないといえばないし、いいとこどりができているのかもしれませんね。

―――

そのほか、とある外国人弁護士×2と話した時に「君たち(私と他の弁護士)は同じ言語を話すから話が通じるよね」といったことを言われました。もちろん、その時は私を含めて3人とも英語を話していたのですが、ここでいう「同じ言語」は「英語」ではなく、同じ業界や経験を経ているという意味での「同じ言語」という意味でした。


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とかく”グローバル”となると英語をはじめとする語学力にフォーカスしがちで、それはそれで間違ってはいないと思いますが、別の意味でも「同じ言語」を話せないとコミュニケーションは上手く成立しないんじゃないかなと思います。(言い尽くされたことですが。)


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企業の社風なんてのも広い意味では「同じ言語」なんてものに入るのかもしれませんが、だいたいどこの会社にも”とりあえず”定めてあるモットーやスローガンなんてのも普段はそんなに重要視されていないことが多いんじゃないかなーと思ったり。


―――




ところで、日本人の場合、自分がうまく英語を話せないと、とかく自分側の未熟さを嘆いてしまいがちですが、とある知り合いは外人に英語力を批判されたとき、それに対してこんなことを言っていたそうです。

「英語を話せるお前の方がこちらがわかるように話すべきだ」

言われてみて、妙に納得してしまったのは私だけでしょうか。


つかみ

2014-09-16 20:34:25 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
海外派遣者の体験談を読んでいるとよく書かれている話ですが、新しいビジネス環境に入っていくときは、
・自分は何ができるか/いままで何をやってきたか
・自分はこれから何がやりたいか
・(自分の派遣元/出身はどのような会社か、会社の基礎データ、競争環境)等
については、よくよく考えて説明できるようにしておいた方がいいですね。

日本語であれば相手の表情を見ながらアドリブで内容調整もできますし、(ごまかしたりもできるので)準備なしでも切り抜けられるときも多いとは思いますが、不慣れな外国語だとこの辺の臨機応変さが現実問題として限られてくると思うので、ますます事前準備が重要になる気がします。


例えば、次のような状況がありました。
・ある相手(キーパーソン。職位&年齢は自分よりかなり上)と会うことになっていたが、自分との会話時間は限られている
・そして彼に次回に合うときまでにかなりの時間があくことになっている
・英語では自分が言いたいことを伝えきれないかもしれない
・相手は忙しいので、別れた後に自分のことは忘れる可能性が高いと思われる
・相手は会話中にいちいちメモなどは取らないと思われる
・相手はこまごまとした書面を渡したとしても読まないと思われる
・相手は帰社後に自分のことを誰かに報告したりする必要があると思われる
・但し、事前に履歴書は渡してあるし、いままで全く付き合いがないわけでもないので、新しい情報がなければ意味がない

そこで自分はレターサイズの紙に上記の三要点他の基本的な項目だけ簡単に箇条書きにして持参しておき、状況を見てそれを使うか判断して、いざという場合はそれだけ持ちかえってもらっても構わない状態にしてミーティングに望みました。また相手のプロフィールを事前に調査しておいて、話に困ったら事前に調べておいた情報を会話の起爆剤にしようとしました。結果として、その時のミーティングは(会合設定の趣旨は達成したので)うまくいったと思います。


他方、同じような状況があったときに、特段の準備をしていなかったときはあまり有意義なコミュニケーションができませんでした。このあたりは”相性”のようなものもありますが、冒頭の三点だけでも抑えておけば…と悔やまれるところでした。


アメリカのインハウス

2014-09-16 19:52:41 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
研修先とは関係ないのですが、探し物をしていた時に、少々古いものの面白い資料を見つけました。(特に12ページ以降)
こちら(PDF)

例えばアメリカのインハウスがどのくらい給料もらっているかを垣間見ることができます。ジェネラルカウンセルまで行くとかなりの金額ですね。あとはいわゆる一人法務部がどのくらいの割合かとかも書いてあるようです。