goo blog サービス終了のお知らせ 

ロースクール留学(していた)日記

米国ロースクールLLM卒業生の日常→アメリカ駐在員の日常

ハロウィン、ベテランズディ、サンクスギビング、クリスマス

2013-11-17 13:07:18 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
少し前のことになりますが、こちらはベテランズディという祝日でした。
しかし、祝日といっても州や施設によって休日扱いにするところとしないところがありまして、私の通う大学では普通に授業がありました。
これからこちらはサンクスギビング・クリスマスとイベントが続いていきます。

ところで、少し旬の過ぎたネタになってしまいますが、証券法の勉強にうんざりしたので、気晴らしに、前から気になっていた探し物をしていました。

それは”Trick or Treat”は強要、脅迫、恐喝あたりにならないのかということ。
(参考)
Trick-or-treating or guising is a customary practice for children on Halloween in many countries. Children in costumes travel from house to house in order to ask for treats such as candy (or, in some cultures, money) with the question "Trick or treat?". The "trick" is a (usually idle) threat to perform mischief on the homeowners or their property if no treat is given to them. (Wikipedia)

結論として、数分のリサーチではよくわからなかったんですが、代わりに面白いものをいくつか見つけました。

ルイジアナ州 刑法 313条

>A. No person shall use or wear in any public place of any character whatsoever, or in any open place in view thereof, a hood or mask, or anything in the nature of either, or any facial disguise of any kind or description, calculated to conceal or hide the identity of the person or to prevent his being readily recognized.

>C. Except as provided in Subsection E of this Section, this Section shall not apply:
(1) To activities of children on Halloween, to persons participating in any public parade or exhibition of an educational, religious, or historical character given by any school, church, or public governing authority, or to persons in any private residence, club, or lodge room.

ということで、性犯罪者はNGですが、ハロウィンの時期や仮面舞踏会や宗教上の理由のような限られた場合だけ仮装していいようです。
同様の規定はオクラホマ刑法にもありました。

そのほか、ノースカロライナのMathewという町のOrdinanceには、以下のような規定があるようです。非常に興味深いですね。


>§ 53:64. Trick or treating on Halloween

Section 1. TIME LIMITS. It shall be unlawful for any person or persons to engage in the act of solicitation commonly known and referred to as “trick or treating” more than two days prior to Halloween day.

Section 2. AREA RESTRICTIONS. It shall be unlawful for any person or persons to engage in the act of solicitation commonly known as “trick or treating” more than five blocks from the home of the “trick or treater” and then only if the “trick or treater” is under the age of 15 years and is accompanied by an adult.

Section 3. OTHER REGULATIONS. It shall be unlawful for any person or persons to engage in the act of solicitation commonly known and referred to as “trick or treating” at any residence where a light is not burning therein.

ニューヨークに同様の規定があるかは軽いリサーチではわからなかったのですが、先日ハロウィン後にNYで見かけたこれらの人たちは場合によっては御用になってしまうということですね。


ホントのようなウソの話。ウソのようなホントの話。

2013-11-13 08:30:29 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
アメリカ人はジョークが好きです。教授は授業中にも最低1回はジョークを織り交ぜてきます。
ジョークはコミュニケーションの円滑化のほか、オーディエンスの注意をひいたり、知性を感じさせたり、ポジティブな効果をあたえます。

一般市民もジョークをちょいちょい飛ばしてきます。気の利いた返しができないと悔しいもんです。
たとえば、スーパーで買い物していた時のこと。ピーマンをレジのおばさんが手に取り、何を言い出すかと思えば、耳元で左右に振りながら「このベル、音が鳴らないわね」と一言。

いわれてみればベルに見えなくもないですね。英訳のひとつに”bell pepper”があることはあとで知りました。

ただ、面白くないジョークもあります。

先日、とある施設で空港のようなセキュリティチェックを受けました。金属探知機をとおって、ベルトコンベアから荷物を一式ピックアップしたのですが、たまたまそのときコーヒーを持っていたんです。

すると、それをみた警備のお兄さんが一言。
「お、君、そのコーヒーは僕のかい?(ニヤリ)」

そこで「いいよ」といいつつコーヒーを差し出したら、少し困った顔をしながら「いらないよ。捨てるならゴミ箱はあっちだよ」といわれてしまいました。。。

ちなみに少しさかのぼりますが、政府のシャットダウンにあわせてコムキャストがつながらなくなったとき、アパートの管理人に「てっきりうちのネットワークもシャットダウンされちゃったかと思ったよ」とベタなジョークを飛ばしたら受けていました。
外国語でジョークを言うのは難しいですが、留学中にアメリカンジョークのセンスも学べたらと思っています(笑


さて、今日はまったくよそさまから拾ってきたネタで恐縮ですが、次のようなニュースを見つけました。

Samsung pays Apple $1 Billion sending 30 trucks full of 5 cent coins
少し前にアップルとサムスンとの間の特許訴訟が非常に話題になりましたが、その賠償金をすべて5セント硬貨で払ったというニュースです。
アップルの本社に5セント硬貨を満載したトラック30台以上が集まったとか。ちゃんと支払方法を指定していないとこうなるという教訓ですね。

続いて、こちらのニュース。
Commuters can do 30 squats instead of paying fare at subway station
なんとモスクワの地下鉄の券売機前でスクワットを30回すると乗車券が出てくるそうです。日本でもこういうの、いいんじゃないでしょうか。





ちなみに前者のニュースはガセだそうです。虚構新聞みたいな感じですかね。つくづくITリテラシーの求められる時代です。後者はホントか確認をとっていません(たぶん本当)。

こちらの検証記事は法的観点からも分析されているので面白いです。日本だと同一硬貨が20枚以上だと拒否できるとかありましたよね。確か。
No, Samsung did not try to pay Apple its $1bn fine in nickels




メタデータ

2013-11-11 22:26:38 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
今日はもうひとつ書いておきたいトピックがあるので連投します。

それは何かというとメタデータの話。



恥ずかしながら不勉強で今日のクラスで教授に教わるまで知らなかったのですが、ワードファイルに書き込んだ内容は削除しようが”反映”しようが、やりようにやっては書いてあった内容が復元できちゃうらしいです。アメリカのローファームにはディスカバリー用にこの手の復元係を置いているところもあるとか。

少し古いですが、日本語の記事でもこんなの見つけました。

「Wordファイル作成者が丸見え──メタデータも削除した?」

マイクロソフト公式だと、ワード2003向けですがこんな記事があります。
Find and remove metadata (hidden information) in your legal documents

ワード2010、2013向けだとこれが該当記事かと思います。
Remove hidden data and personal information by inspecting documents


いずれにせよ電子的な対応だと限界もあるようですので、一番確実なのはプリントアウトして紙にしたものをPDF化するという方法のようです。

契約交渉だと現実的ではない方法ですが、訴訟関連のファイルについては考えてみてもよいと思いました。

ロースクール生活2

2013-11-11 20:51:37 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
こんばんは。

そういえば、先日ニューヨークまで事務手続きの所要(+ついでに少し観光)で行ってきたのですが、DCとの違いをいくつか感じました。
・人々がみんな急いでいるし、信号を守らない
・日本人がとても多い、どこにいっても日本人に遭遇する
・電車は新しいが、メトロカードは性能が悪い
・飲食店がおいしいし、種類が豊富
・(DCもそうですが、)肥満体系の人がさらに少ない
・黒人の比率が少ない
・おしゃれなひとが多い
・観光先がたくさんある
・夜中も人々が町中にあふれている etc.
特急で3時間程度の距離でも大きな違いがあるもんです。まぁDCやNYをさして”アメリカ”というと違う気がしますが。

アメリカの大きな駅でそこそこ遭遇する詐欺?に「お金がないんです」詐欺があります。正式名称は知りません。
ニューヨークでも二人に声をかけられまして、曰く
・一人目:はるばるニュージャージーから出てきたが、帰りの電車賃が少し足りない、つり銭でもいいので恵んでほしい。
・二人目:はるばるニューヨークのアルバニーから…(以下、略
だそうです。
DCのユニオンステーションという上野駅的な大きな駅でも、自称フロリダから来たとかいう女性に電車賃がほしいとか言われたことがあります。

いわゆるホームレス風の物乞いと違って、それなりの格好をしているのですが、十中八九詐欺だと思います。
金を払う意思がないと明確に伝えればすぐに退散するのですが「アイ ドント アンダースタンド イングリッシュ」とかあえて棒読みのじゃぱにーず英語で答えてみても、何度もこちらの意思を確認するまでご丁寧に説明を繰り返してきます。英語のリスニング練習を無料で実施したい方にはいいかもしれません(冗談)

次回に声をかけられたらコンシダレーションのエクスチェンジがない取引には応じられないとか捻りを加えてみようかな。

・・・と、前置きが長くなりましたが、今日は他国のロースクール生に聞かれることの多いトピックについて。
よく留学前には自国のことを勉強しておいたほうがいいとかそんなことを言われますが、やはりこちらに来てみて、そのとおりだと感じています。もちろん、同様に他国についてもメジャーなトピックは抑えておいたほうが会話が弾みます。

やはり、自国の話題をふられた時には自国の代表的に扱われるので、答えられたほうが望ましいです。

以下、ほかの学生から質問されたり、説明したことのあるトピックです。ぱっと思い出しただけでも、やはりそれなりにセンシティブな話題や法学的な話題が含まれます。
よく研修なんかでは天気の話がベターで、政治問題のようなものは避けるべきといわれていますが、なんだかんだと言って他国の人間の本音や実情を聞ける機会はそうそうないわけで、当たり障りのない話を重ねてある程度の信頼関係ができあがったら、こういうトピックになることが少なくはないように思います。DCだからかもですが。

・東日本大震災、原発問題の見通し
・天皇の憲法上の位置づけ、天皇制に対する一般市民の考え
・自衛隊の合憲性、最終的な指揮権の所在
・日本の法制度がどこの法律制度を模倣しているか(民法、会社法など
・法人格否認の法理が日本にもあるか
・契約の成立要件
・日本はシビルローか、コモンローか
・日本における法規の解釈はどのような解釈基準か(文理に忠実か、目的にあわせて解釈か等
・日本における判例の位置づけ(コモンローではない国として)
・日本の法曹になるための制度概要、司法試験の難易度
・裁判官、検察官、弁護士になるための典型的なキャリアパス
・企業法務が必ずしも法曹資格を持っていないことの理由
・死刑制度の有無と、その運用
・近隣国との紛争、第二次大戦頃の話
・日本の治安、物価




ちなみに上記の質問で困ったのが、情けないですが、日本における判例の位置づけでした。さて、みなさんいかがでしょうか。

もちろん、いつも小難しい話はしていなくて、お互いの授業の近況、週末に何をしていたかといった話題、最近のニュースやイベント、相手国のエンターテイメント、フードカルチャー、相手国に旅行したときの話、気候、信仰、あたりがちょっとした雑談では多いです。
前も話しましたが、アニメ、漫画、映画といったエンタメや東京、京都、大阪といった有名な観光地についても押さえておくといいと思います。
(ちなみ進撃の巨人はAttack on Titanとかいって近隣国でも人気だそうで。)

この手の話題のおそらく一番効率的な対応方法は、ハロウィン、サンクスギビング、クリスマスといった季節のイベントについて、あらかじめ日本ではどのように祝っているかといったところを簡単に説明できるようにしておくことだと思います。必ず話題になるので。
その次に大学内外の近隣のイベントの話、相手国の”何か”についての質問を考えておくのが良いと思います。

知らない人と付き合うときはFind something in commonとよく言われますが、ビジネスと一緒で、質問上手になるのがたぶん一番外人と付き合うときも役立つのではないでしょうか。

とある研究によればカルチュアルディファレンスは実際のところ過大評価されていて、少なくとも、たいていのビジネス上のトラブル、衝突、摩擦はどちらかというと他の要因が原因であることも多いとか。(ひとはこれらのトラブルを国民性や文化の違いでラベリングして済まそうとする傾向があるようですが)

確かに出身国、文化、宗教、言語、その他違いは多数あれど話をしてみると考えてることは同じなんだなぁと思うこともしばしば。
もちろん、これはこれで表面的なラベリングなので1を見て100を語ることはできませんが。

ロースクール生活ー1

2013-11-08 07:37:46 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
よくよく考えたら?、ロースクール生活がどんな感じか書いていないことに気づきました。まずは第一弾。

1.大学はどんな雰囲気なの?
これは大学によってかなり雰囲気が違いますが、私の通っている大学は都市部にある大学ということもあり、普通のモダンな建物で日本の都市部の大学と大差がありません。建物は少々古いですが、清潔感は保たれています。
施設は教室、講堂、食堂、フィットネス施設、売店、図書館とやはり日本の大学とだいたい同じような施設がそろっています。違いがあるとすれば、WIFIが完備している、ほぼすべてのドアに自動開閉ボタンがある、外部とのドアはオートロックか警備員常駐なところでしょうか。構内の施設は学生証にデポジットしたお金で買い物をすることができます。ちなみに大学職員はLLMにもかなり親切なほうだと思います。

2.大学はどのような人がいるの?
これも大学によってだいぶ異なると思いますが、私の通っている大学はダイバーシティに力を入れていることもあり、いろいろな人種を見かけます(LLMは出身国は63か国)。ただ、やはりロースクールということもあり?、マジョリティは白人だと思います。男女比率は感覚値では1:1にだいぶ近いと思います。年齢層は20ー30代が幅広くといったところだと思います。ちなみにLLMの場合、平均年齢は29歳です。

LLMの場合、感覚的には70%くらいの方は自国の法曹資格を有しています。ただ、法学部を卒業できれば事実上資格をとれるような国もあるそうですので、これ自体がどうこうというわけではないと思います。また、知識や経験で特に大きなビハインドを感じたことはないです。

LLM学生間では特に競争的な雰囲気もなく、和やかに勉強しています。ちなみにJDの学生によれば、1年次は競争が苛烈なものの、2年次からはそうでもないとのこと。就活が1年次の成績だけで決まってしまうので、逆にいえばそれ以降は消化試合のようでした。

3.授業はどのような雰囲気なの?
教授によって異なりますが、おおむね次のように大別できます。ミックスタイプが多いかと思います。
・ソクラテスメソッド(会社法のような基本法系統など)
・レクチャー(専門的な法律や外国法など)
授業に紙の資料を使う人もいれば、何も配らない人、パワポで投影する人いろいろいます。ちなみに学生の圧倒的多数はノートパソコンでノートをとっています。これはWIFI完備によるところが大きいですが、上記のような授業資料を含め大学とのやり取りはほとんどすべての情報がインターネット経由ですので、PCを持参していないことのデメリットが大きいこともあります。そのほか、判例検索は外部の商用DBを使うわけなので、ネットにつながらないと話にならないです。
かくいう自分もアメリカに来てからウルトラブック(英語OS)を買いました。本が重いし、普通のノートだとバッテリーが持たないので、大学もウルトラブックの使用を推奨しています。

ソクラテスメソッドの場合、教授によって異なりますが、おおむね次のようなパターンがあるようです。
・完全にランダムに指名して答えさせる
・エリアを3分割くらいにして、日によって、特定のエリアにだけ集中的に答えさせる
・事前に指名順を指定しておいて答えさせる
・学生の挙手だけで進める
私は一番目と四番目のパターンしか遭遇していないですが、ランダムに当たるクラスの場合、相当な緊張感があります。

なお、各授業は次のように分かれています。
アメリカ人学生(3年間のJD≒博士)専用、アメリカ人学生向けだけどLLMもOK、LLM向けだけどJDもOK、LLMだけ。
私はLLMだけ、LLM+JDの授業しか秋学期はとっていませんが、JD向けの授業に出ている友人の話によれば、
・JDしか指名されない(LLMは英語が苦手なので、スキップされる)
・発言が評価されるので、内容は二の次のことがあり議論が拡散したりする
・英語の理解(特にJDの発言)が大変
といった難点があるようです。

すべての授業で毎回それなりの宿題がでます。大抵はリーディングアサインメントですが、契約書のドラフト、リーガルオピニオンの起案、ケースブリーフの作成などライティングアサインメントもあります。また、授業によってはプレゼンを実施することもあります。

すべての授業は英語ONLYです。人によっては外国人向けのスピードで話してくれますが、大抵は普通のスピードで話しています。授業の録音は大学の許可を得れば可能なようですが、聞き直す時間なんてないですし、大学もおすすめしていません。
そうすると、聞き逃したところや理解が甘いところは、教授に聞く、友人に聞く、教科書があれば教科書などで復習、ネットや参考文献で補足といった自助努力が必要になります。

4.ぶっちゃけどれくらい勉強しているの?
NY BARを受ける場合、最低24単位の取得が必要になりました。卒業だけであれば、私の大学は20単位でOKです。そのほか、GPAが一定値を超えていないといる必要があります。
私の通っている大学では、半期では最大13単位まで登録が可能です。基本的には週1の授業は1-2単位相当で、一コマは2時間になります。
授業外でも、予復習は必須だと思います。たぶん、すくない日でも3時間くらいは授業外で勉強することになるんじゃないでしょうか。日本の大学では試験前にだけ教科書を読んでおけば、たとえ授業に出なくとも(評価はともかく)単位は取れるのかと思いますが、こちらだと確実にアウトです。
大学としては学生にアウトラインとよばれる講義の概要をまとめたノートの作成をおすすめしています。
(ちなみに自分で作れない人、作りたくない人には、無料で取得できるもの、有料で売買されているもの、市販品が巷にあります。)

基本的にはみんな時間をかけて勉強しているほうだと思いますが、イベントもかなり盛んです。
あとは授業中にFBをやっていたりする人もそれなりにいます。そういう人も指名されても普通に答えているので、退屈しているだけなのかもですが。

テスト対策という観点では、事例分析ができるように、法的効果の構成要件をおさえるのが肝要と思います。この点、結構、授業では曖昧なので、復習するのがベターです。

5.試験はどんな感じなの?
まだ試験自体は受けていませんが、過去の資料と大学側の説明によれば、次のようなパターンがあります。
・教室で受ける試験(だいたい3時間。LLMもJDもごちゃまぜで匿名採点されるので同じ審査基準、制限時間。)
・自宅で受ける試験(試験問題のDLから所定時間内に提出する。数時間ー48時間程度)
・試験なし(実技。授業で課題を提出してそれが審査される)

また、教科書などの参照がOKなタイプとNGなタイプがあります。試験答案自体は紙でもワードファイルでも提出がOKです。
当然といえば当然ですが、制限時間が長いほど、教科書などの参照が許されるほど、問題が難しくなります。

問題はたいてい事案分析問題でして、それもとても複雑です…、簡単な穴埋め問題は選択問題は見たことないです。
(ロースクールは教育理念が”いかにローヤーにするか”なので当然ですが)
事案の説明だけで1-3ページ書いてあったりしますので読むだけで大変です。また、大抵は授業で習った判例そのままはでないので、応用力を試されるようです(授業内容を理解していることは期待されているが、記憶力自体を試す試験ではない)。

肝は実務と同じでイシューの発見とそのアナリシスです。比較して、結論自体はそれほど重視されないとのこと。これはグレーな事案設定ばかりが扱われるので、きれいに白黒どちらかに回答が固まることがあり得ないからだと思います。

6.英語力はどれくらい必要なの?
とりあえず客観的指標としてTOEFL(IBT)のスコアで100/120程度がどの大学でも入学に必要とされてます。典型的な日本人の場合、スピーキングはスコア取得に苦しみます。
幸いなことに?、ロースクールでサバイバルに必要な能力は、リーディング力、リスニング力、ライティング力、スピーキング力の順だと思います。
リーディングについては、やはり英文で数十ページの課題を毎回読むことになるので、英文自体に抵抗感があると辛いと思いますし、それなりに早く読むスキルが必要と思います。専門用語はアメリカ人でも普通は知らないので、そこは不利になるものではないですが、仮定法、倒置構文、やたらと長い文章には判例だと日常的に遭遇するので、それなりの文法力は必要と思います。
リスニングについては、授業が英語なので、まったく歯が立たないと辛いです。しかし、完全に理解できなくとも、キーワードやトピックさえ抑えられれば、あとから何らかの方法で同じ情報を調べることができると思います。ここで重要なのが日本で培ったリーガル知識でして、これがあれば、大抵はどのようなことを話しているかは想像して補完することができます。
ライティング力は、テストや課題が英文ですので、まったくできないとアウトです。ただ、サンプルの答案などを見たりすることもできますので、これは練習でどうにでもなると思います。たぶん。
スピーキング力は、究極的にいえば、発言しなければ不要です。が、とてもみじめな思いをすることになるかと思いますので、簡単に意見を言えるくらいは練習しておいたほうがいいかと思います。
「ーについては」「私はーだと思う」「なぜならばーだからだ。」「たとえばーがある。」「もしーだとすれば」「ーだと思う」が基本的なフレームワークです。