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ロースクール留学(していた)日記

米国ロースクールLLM卒業生の日常→アメリカ駐在員の日常

ロングアーム

2014-12-12 14:29:33 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
自分用メモ。

探し物をしているときに興味深い資料を発見。全米のロングアーム法について調査した資料の模様。2003年頃の資料で少々古そうだけど調査の取っ掛かりの参考になるかも。
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FRCPの規程はこれになる模様:
(k) Territorial Limits of Effective Service.
(1) In General. Serving a summons or filing a waiver of service establishes personal jurisdiction over a defendant:
(A) who is subject to the jurisdiction of a court of general jurisdiction in the state where the district court is located;
(B) who is a party joined under Rule 14 or 19 and is served within a judicial district of the United States and not more than 100 miles from where the summons was issued; or
(C) when authorized by a federal statute.

(2) Federal Claim Outside State-Court Jurisdiction. For a claim that arises under federal law, serving a summons or filing a waiver of service establishes personal jurisdiction over a defendant if:
(A) the defendant is not subject to jurisdiction in any state's courts of general jurisdiction; and
(B) exercising jurisdiction is consistent with the United States Constitution and laws.

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General Personal Jurisdictionについての2014年の最高裁判例(Daimler AG v. Bauman)
重要判例、かつ、管轄権についての歴史をたどっているので学習に良い。

チンパンジーに人権はあるか?

2014-12-08 15:49:22 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
ロイターに記事が出ていますが、ニューヨーク州の裁判所で表記の問題について判決が出ました。

(当たり前ですが)まじめに議論されていますので読んでみると面白いです。そのほかヒアリングのトランスクリプトも公開されてました。この弁護士は何者なんでしょうね。




とか





のくだりが面白かったです。

”グローバルな”法務人材の育成、マネジメント、連携。

2014-12-08 10:58:56 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
お題をいただいたので僭越ながら書いてみます。



「グローバル企業」、「グローバル人材」、「グローバル連携」、、、と何でもグローバルを付けておけばカッコよく響く時代。「グローバル人材になれ!」という号令を受けて漠とした焦燥感はありつつも、「じゃあ何がグローバルなんだろう」という問いに遭遇すると、ボーダーレス?世界共通?地球規模?とかボンヤリ訳語を引いてみちゃったりして、でもやっぱり「これだっ!」とズバッと響くようなものがなくてモヤモヤとした気持ちを抱きながら過ごす人も多いのではないでしょうか。何かの拍子に自分より「グローバルっぽい」人に出会ったりすると余計に考えさせられたりしますよね。

日本の場合、会社によっては「とりあえず」TOEICの点数や海外勤務歴でグローバル人材を定義しているところも少なくないようです。この指標に納得感があれば自身の達成度と照らしあわせてグローバル感も生まれるのかもしれませんね。

ビジネスとして組織という集団を一つの方向にもっていくがために号令をかけるとなると、ある程度の具体性を持ったビジョンとステップとしての指標が必要になるものでしょう。だから会社によっては”とりあえず”TOEICの点数や海外勤務歴でグローバル人材を定義しているのでしょう。

でも納得感がなくて達成感がない人もいるのでは。

なんでかなーと考えると、やっぱり、会社(特に人事部)としては全社員に共通して管理できるような要素を抽出して定義したりしていて、極めて表層的というか、各個人レベルに落とし込んでみると自分の業務所掌とのかい離感が大きいからじゃないかなーということ。(勝手な推測ですが、)大抵の会社では「グローバル人材」は定義してみても、「グローバル営業人材」とか、「グローバルR&D人材」とか、「グローバル経理人材」とか、「グローバル法務人材」とか、いちいち定義*ないんじゃないでしょうか。ただ中途採用の求人だとそれっぽいのが書いてあったりするようですね。
(*キレイな定義を求めるのは法務の人の悪い癖と怒られるかもしれませんね)
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さて、我々法務について考えてみると、法務というのは次の二点において特殊な組織だと思います。
・ビジネス部門の支援者であり、ビジネスのあり方にその業務内容が依存する
・各国の法令等が異なることから、ボーダーレスな性質の業務が限られる

従って、国際弁護士なんて言うワールドワイドな資格が存在しないのと同じように、グローバルなんていっても業務の本旨たる専門性の部分がローカル依存なので、結局のところ「グローバル=ローカルの集合体」にしかならないとも言えると思います。だけど、じゃあ法務にはグローバル人材なるものがあり得ないと言い切られてしまうとそれも違うのではないかとも思います。(この点につきいろいろ書いてみようかと頑張りましたがうまくまとまらなかったので以下の通りお茶を濁します…。)

…というわけで?、まずは法務から離れて、グローバルっぽい感じのする海外赴任と人材育成関連でいくつか資料(日本語)を探してみることにしました。法務も法務である前に社員であることからすると、参考になることもあるんじゃないでしょうか。納得できる記述もそうじゃない記述もありますが、何かに使えるかもしれません。

資料1 海外赴任をめぐる考え方 -企業と従業員に大きなギャップ(PWC)
資料2 日本人社員の海外派遣をめぐる戦略的アプローチ(経団連)
資料3 若年中堅時の海外勤務、地方勤務、出向経験の比較を通じた経験の有益さの分析(リクルートワークス研究所(?))
資料4 海外要員の選抜と育成(グローバル人材育成塾)


続いて、法務部のグローバルなストラクチャ関連の資料(英語)も紹介してみます。
Re-engineering the Law Department
Building a Global Law Department

アメリカはなぜ訴訟社会なのか

2014-12-01 16:34:00 | ロースクール・法務・法律・仕事ネタ関連
アメリカで生活した経験をお持ちの方は誰しも遭遇するのがアメリカ人の空返事だと思います。
チャートで表すとこんな感じ。

画像で表すとこんな感じ。


これはこれで人間らしくて愛すべきところだなとも思いますが、日本のノリで誰かを信頼しちゃったりするとあとで自分が痛い目にあいます。

もしかすると「アメリカは契約社会≒契約は絶対遵守のカルチャー」なんて思っている方もひょっとしたらいるかもしれませんが、個人的な感覚ではむしろ正反対で、契約書なんてたぶん誰も読んでいないし、だれも理解していないし、だれも意識していないし、だれも守ろうなんて思っていないんじゃないかなとさえ思ってしまいます。日常生活レベルでは。
契約の世界に限らず、日本だったらそうそう起きないことも平気で発生します。先日も郵便物に思いっきり靴で踏んだ跡がありました(中身は割れやすい物)。そりゃあこんな世界なら訴訟も起きるわけですよ。異なる文化・教養・地位etc.人々のごった煮ですしね。

となると、こういう相手方と付き合っていく場合はやっぱり書面が勝負を決めるんじゃなくて個人的な信頼関係が重要なのかもですね。法務としてはこのあたりをヒアリングすることも重要なのかもしれません。