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コバルトブルーのような風に包まれて

ミュージシャンの藤井風くん、好きなドラマについて、日常生活などを中心に書いてます。

「SUPER RICH」の魅力について語る①

2024年03月01日 | ドラマ『SUPER RICH』

ドラマ「SUPER RICH」の魅力について最終話までを私のブログで振り返ってみようと思う。ただし、このドラマは2021年秋に放送されたなので近年のものではない。それでも振り返ろうと思ったのは、赤楚くんのファンになったきっかけがこのドラマだったからだ。(現在はFODで配信中)赤楚くんだけでなく、主演の江口のりこさんや町田啓太くんのことも好きになった。

江口のりこさんが出演しているドラマはいくつか見てきた。2020年秋に放送された日テレ系の「#リモラブ」というドラマにも出演していた。のりこさんは脇役ながらも、心優しく時にヒロインを励ます医師役を魅力的に演じていて好感を持っていた。ちょうどその辺りから、のりこさんは世間から注目されはじめていた。それから2年後、私は配信でドラマ「SUPER RICH」に出会うことになった。

もしも江口のりこさんが「SUPERRICH」で主演を演じていなかったら、このドラマを見ていなかったかもしれないし、赤楚くんのファンにならなかったかもしれない。江口のりこさんが私と赤楚くんを引き合わせてくれた。ちょうど今、TVerで配信されている。興味のある方はぜひ「SUPERRICH」を見て欲しい。数年前とは思えない鮮度のあるドラマだと思う。それでは、あらすじと共に振り返ろうと思う。(相関図あり。)

ドラマの主人公となるのは「スリースターブックス」のCEOの氷河衛だ。彼女は裕福な家庭に生まれた。しかし6歳の頃に両親が飛行機事故で亡くなり、自分の言動が引き金で不幸を招いてしまったと心の傷を負っていた。それからは身の回りの世話や学校の行事の参加は全てお手伝いさんがやってくれていた。潤沢な遺産があったため、彼女は親がいなくとも金銭的な不自由はなく育った。けれども家族愛には飢えていて心を閉ざしていた。

衛さんは大学時代に知り合った一ノ瀬亮と電子書籍販売をメインとするベンチャー企業「スリースターブックス」を立ち上げ成功していた。一ノ瀬とは大学からの親しい友人であり、良き相談相手だった。また衛さんの心を開いてくれた。衛さんは女性起業家に贈られる“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”を受賞した。いまや時の人でもある。

「スリースタブックス」の役員の今吉さん、空くん、鮫島、東海林は、衛さんが一緒に仕事をしようと誘った心強い仲間だった。ただ役員たちが気にしているのは、衛さんと一ノ瀬さんとの関係だった。経営が一ノ瀬の思い通りになっているからだ。衛さんはお金の面では一ノ瀬に甘いところがあった。

そんなある日、衛さんは一ノ瀬からアプリ会社へ出資する提案を持ちかけられる。早速役員会議にかけるが今吉さん、空くんたちの反応は鈍かった。一ノ瀬を信頼する衛さんは役員を説得する。

衛さん「みんなの気持ちもわかる。でも、うちには社員が40人いる。みんなに給料払うためにやってることやから理解して欲しい。私は経営者として人件費は惜しみたくない。うちで働く人にとって最高の居場所にしたいから、大丈夫ー。リスクのある投資はしてない。絶対失敗しないから。」

今吉さん「衛がそこまで言うなら。」

東海林「仕方ないですね。」

鮫島「ボスが決めちゃったことですもんね。」

空くん「私は衛さんが決めたことについていきます。」

一ノ瀬「決まりだな。」役員の賛同は得たものの、衛さんは必ず成功させる重圧と闘うことになった。決まったものの財務責任者の今吉さんは不安が拭えなかった。

今吉さん「本当に大丈夫なの?」

衛さん「何が?」

今吉さん「こんなに使って。」

衛さん「今の金額やったら何かあったときは自分でどうにかできるし。」

今吉さん「一ノ瀬に甘すぎじゃない?」

衛さん「そう?共同経営者やからな。」

今吉さん「本当にそれだけ?」今吉さんは、動かない一ノ瀬のせいで衛さんにCEOの仕事が集中していることにも快く思っていなかった。

衛さんは一ノ瀬と起業した7年前を思い出していた。「がんばろうな。一緒にこの会社大きくしような。」と言ってくれた一ノ瀬の言葉を忘れたことはなかった。愛に飢えてきた衛さんにとって一ノ瀬がいてくれることは心強かったし嬉しかった。一ノ瀬に私情がないと言ったら噓になる。

ちょうどその日はインターン採用試験日だった。大学生の田中リリカ、豪徳尊、高橋みゆたちが試験場に集まっていた。CEOルームに採用担当の空くんが採用をまとめたファイルを持ってやってきた。多忙な衛さんのために準備を重ねていた。空くんは会社の中で衛さんに対しての忠誠心が強い。大学時代からの友人だった今吉さんとは衛さんへの接し方も違っていた。

衛さん「気が利くね。」

空くん「僕がまっとうに生きているのは、衛さんのおかげなんで。」

衛さん「かわいいこと言うね。」空くんが衛さんに感謝している理由が後に明かされることとなる。

その頃、春野優もインターン試験を受けるために会場に向かっていたが、バス停で妊婦が産気づいてしまい救急車で付き添ってしまうハメになったために大幅に遅刻した。衛さんが会社を出て行こうとすると、優くんが衛さんの前に現れて試験を受けさせて欲しいと頭を下げた。しかし衛さんから途中で会社に連絡もせず、交通手段も考える方法はあったはずだと指摘される。衛さんと優くんの運命の出会いがここで訪れた。

優くん「失礼ながら申し上げます。この世は、ずっと…ずっとフェアじゃないです。俺にとっては。タクシーに乗ろうって…何回も思いました。でも金が足りなかったんです。」

衛さん「それはあなたの問題ですよね。失礼します。」そんな衛さんを、優くんは必死に引き止めた。

優くん「昨日バイト代をもらいました。14万でした。そこから親に5万円返しました。先月金を借りたんです。今日のためにスーツと靴とカバンを買ったから。家賃とか教材費とかいろいろ支払いました。そしたら2000円しか残りませんでした。うちは、ずっと貧乏で…親の工場もうまくいってなくて、ずっと借金ばっかりしてるし、俺は俺の人生をましなものにしたいってずっとずっとそう思ってて。手に職をつけたくてプログラミングの専門学校に入りました。学校に入る金を稼ぐのに2年かかりました。でもどんな会社も大卒ばっか採用してて、この会社は学歴不問だと聞いてここだと思いました。どうかお願いします。試験を受けさせてください!」

優くんは人目を憚ることなく床に頭を擦りつけて土下座した。この序盤を見ていると…まさかこの二人が○○になるなんて一ミリも思ってなかった。笑 優くんが子犬のような目で衛さんを見つめていた。 

衛さん「頭を上げてください。確かに生まれはフェアじゃないかもしれない。でも時間は平等にあったんじゃないの?あなたは2年で学費を稼いだ。それは素晴らしいと思う。でも子供の頃に5年で600万稼いだ人もいる。あなたは自分の時間をもっと使ってお金を稼げばよかったんじゃないの?ご両親から借りたお金無駄にしてごめんなさいね。」

衛さんは、優くんの身の上話を聞いたものの頼みを断った。優くんの熱意が衛さんに届かなかったわけではない。また衛さんは冷たい人間ではない。衛さんはインターン試験の受験者全員に対してフェアな考え方だったからだ。優くんに限らず、なかには遅刻もせず受験して不合格だった人もいる。だからどんな事情があっても優くんだけを特別扱いはしなかった。

衛さんは自分の財布から5万円を優くんに渡して去って行った。それは優くんの身の上話を聞いて、見知らぬ学生くんへの僅かな人生投資としてお金を渡したように私は捉えた。また衛さんは人を見下したりするような人ではない。でもお金で解決しなければこの場が収まらないと思ったのだと思う。衛さんから正論を言われお金までもらって…優くんは自分の行動を深く反省し後悔していた。

仕事を終えて衛さんは、大手IT企業「MEDIA」取締役の島谷聡美と食事をしていた。かつて新卒で「MEDIA」に入社した衛さんにとって、聡美さんは衛さんを育ててくれた憧れの先輩だった。今でも衛さんを気にかける聡美さんは「スリースターブックス」の現状を尋ねた。なんとかやっていると答える衛さんに、聡美さんは「経営者の決断は情に流されてはいけない。」と釘を刺した。その忠告は的中することとなる。

次の日、衛さんは一ノ瀬から食事に誘われた。授賞式のヘアメイクの準備もあって、衛さんはいつもよりきれいだった。一ノ瀬といるとCEO同士ではなく恋人同士のような雰囲気だった。

一ノ瀬「何食べたい?」

衛さん「何でもいいよ。」

一ノ瀬「出た、それが一番困るのよ。」ゲートを出ると、そこへ優くんが駆け寄ってきた。

優くん「氷河さん!」

一ノ瀬「誰こいつ?」

衛さん「昨日の試験に遅刻した子。」

一ノ瀬「文句言いに来たの?」衛さんは優くんを見てそんな様子だと思えなかった。

優くんは一ノ瀬の言葉には答えず「これをお返ししたくて。」と言って、衛さんに封筒を差し出した。封筒の中を見ると5万円が入っていた。

衛さん「いや、これはあげたお金やから。」と言って優くんに突き返した。

優くん「バカなことを言ってるのはわかってます。でもどうかここで働かせてください!お願いします!」

結局、優くんは衛さんからもらったお金を突き返され、採用をまた断られてしまった。また専門学校の来期の学費の支払いを督促されていた。金銭的に苦しい実家には頼れない。それなら衛さんからもらったお金を使えば学費を支払うことができる。優くんはどうするべきか悩んでいた。

食事の後、衛さんと一ノ瀬は機嫌よく夜道を歩いていた。

衛さん「会社大きくするって大変やねー」

一ノ瀬「なんだよ、急に。」

衛さん「正直、亮以外にいろいろ相談できへん。社長が悩んでると社員も不安になると思うし、亮がおってよかった。」衛さんは一ノ瀬のことを一番信頼していた。甘えることも出来た。何より心を開いていた。

一ノ瀬「衛…」

衛さん「がんばっていこうな。ほら私、親もおらんし結婚もしてへんからさ、ここでがんばらんと。」すると一ノ瀬が衛さんを抱きしめた。

衛さん「どうした?」一ノ瀬は衛を離そうとしなかった。ふざけてるわけではない様子だった。衛さんも一ノ瀬の背中を優しく抱きしめた。

一ノ瀬「…ごめんな、衛。」

衛さん「え?」

一ノ瀬「頼りなくてさ。」

衛さん「そんなことないよ。」

一ノ瀬「ごめんな…。」衛さんは一ノ瀬が何度も謝っている意味がわからなかった。しかし明け方、衛さんに一ノ瀬から電話が入り「衛、大変なことになった。でも俺のこと信じてくれ」と一方的に言われて通話が切れた。

その直後、空くんから急を要する連絡が入り、衛さんは会社へ急ぐ。会社には役員たちが集まっていた。一ノ瀬が投資を勧めたアプリ会社が、反社会組織「石高興業」のフロント企業だったことが発覚する。今日の週刊誌に見開きで記事が掲載されてしまうことに。実務が始まる時間になると、取引先が次々と取引中止を申し出てくる。ついには頼みとしている「MEDIA」も取引中止を伝えてきた。

衛さんは直接、聡美さんに会って取引継続を頼んだ。すると聡美さんは継続の条件として一ノ瀬の解雇を提示。しかし衛さんは一ノ瀬を解雇することが出来なかった。一ノ瀬はこれまでずっと一緒に支え合い信頼してきたビジネスパートナーだったからだ。また数少ない友人の一人でもある。衛さんにとって一ノ瀬の存在はあまりにも大きかった。しかし役員たちは一ノ瀬の解雇を衛さんに要求してきた。皆が自分と同じ考えでないことに衛さんはショックを受けていた。

「MEDIA」との取引条件を報告していると社員が飛び込んで来て、会社の口座残高が無くなっていると言う。一ノ瀬は反社会組織への投資を勧めただけでなく会社の金も持ち逃げしていた。すぐに衛さんと役員で取引先を回って取引の継続、投資家や銀行に融資を頼むが、どこからも良い返事はもらえなかった。

取引の継続に難航する衛さんが、会社に戻ろうとするとエントランスに優くんが立っていた。この状況下で優くんに遭遇し、衛さんはうんざりした表情でため息をついた。優くんは衛さんからもらった5万円を返そうとするが、衛さんはそれを振り払った。

衛さん「学生くん、私ら暇じゃないんよ。何億ってお金の話してるわけ。たった5万のことで私の時間奪わんといて!」

衛さんは優くんにきつい言葉を浴びせ去って行った。衛さんは人生で初めてお金のことで苦しんでいた。「スリースターブックス」に危機が迫る中、優くんと話している余裕などなかった。優くんは衛さんの様子がおかしいことに気づき、その後、会社で起こっていることを知ることとなる。

優くんは衛さんからもらったお金を学費に使うかどうかで悩んでいたが、学費を支払わず退学を選んだ。優くんの純粋さと真面目な一面が感じられた。そして優くんは衛さんの会社に働くことを諦めたくなかった。

次の日、出社した衛さんは過労で倒れてしまう。胡散臭いクリニックを受診したが早々と退散し、その足で“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”の授賞式会場へ向かう。ノーメイクで髪も無造作なまま壇上に登って来場者に「お金を貸して欲しい」と頭を下げた。衛さんは空くんや今吉さんが心配する中、一人にして欲しいと街へ出てしまう。

衛さんが向かった先は石高興業だった。手がかりがないかと一ノ瀬の居場所を探そうとしたが、事務所のドアの前まで行くと、そこへ殴られた優くんが転がり出て来た。優くんがいることに驚く衛さん。

優くん「氷河さん、どうしてここに!」どうしてここにいるのか、優くんこっちが聞きたいよ。笑 

身の危険を感じた優くんは、衛さんの手を取って事務所から逃げ出した。二人は息を切らして走り続け安全な場所に避難した。衛さんには優くんの行動が全く理解できなかった。そりゃそうだ。私も全くわからない。笑

衛さん「何なん?ホンマ。」

優くん「すいません。」

衛さん「あんなとこに。」

優くん「皆さんが一ノ瀬さん探してるって聞いて、あそこに。」

衛さん「誰から聞いたんそんなこと?」

優くん「毎日エントランスにいたんで噂聞いて。」

衛さん「あ、そう。」

優くんは、衛さんに会うために毎日「スリースターブックス」が入るビルのエントランスにいた。そこで会社がピンチなことを知ったのだ。衛さんを助けようと先んじて一ノ瀬を探すために石高興業を訪ねたが殴られ摘み出されてしまった。

優くんは衛さんがCEOの「スリースターブックス」で働きたい強い思いがあった。たとえ危険な目にあっても会社の力になりたかった。そんなところが異常というか無謀というか単純とも思える。しかし優くんの行動は誰にもできることではない。

優くんが衛さんの会社で働きたい理由は後にわかることとなる。そして衛さんの前に現れた貧乏学生の優くんが、これから衛さんの未来を大きく変えていくことになる。

衛さん「殴られるほど聞いたん?」

優くん「はい。」

衛さん「なんやキミは。ちなみにあの5万円って…」この状況に思わず衛さんは笑った。

優くん「すいません。さっきの組で取られました。」

衛さん「あげたお金やからええんやけど。」お腹を空かせていた衛さんは近くに屋台のラーメン屋を発見するが、お金の持ち合わせがない。

優くん「あ、でも」

優くんは服のポケットから衛さんに500円玉を見せた。優くんはなけなしの500円を笑顔で差し出し、屋台のラーメンを食べに行く。

衛さん「悪いね。」

優くん「僕が5万円返せればよかった話だったんで。」

衛さん「あいつ(一ノ瀬)何に使うんかな?3億もの何に使うんやろ?女の子と南の島で豪遊でもするんやろか?」

優くん「どうなんでしょう。」貧乏な優くんには、裕福な一ノ瀬の気持ちがわからなかった。

衛さん「ひょっとして大学で声かけてくれた時からお金目当てやったんかな。簡単やったやろなぁ、ほんまに親も友達もおらんさびしい女騙すなんて。いいことゆってくれてた人もお金が亡くなったら近寄ってこない。怖いねーお金って。」

優くんは一杯のラーメンを衛さんに差し出した。自分が腹ペコでも、落ち込んでいる衛さんに食べてもらいたかったのだ。貧乏な優くんが衛さんにできる精一杯のことだった。

優くん「どうぞ。」

衛さん「おいしい。」衛さんが屋台で食べた500円のラーメンの味は格別だった。

優くん「氷河さんは、どうして電子書籍の会社を始めたんですか?」

衛さん「小さい時、親が二人とも死んでさ、寂しいから気を紛らわすために本を読むんやけど、私は本を読むのが早いからすぐに読み終わるんよ。だから、いつ寂しくなってもいいように、読み終わることのない本を持ち歩きたかった。それだけが動機やった。でも会社やると楽しかったんやわ。自分の居場所ができたってと思った。会社に居れば寂しくない。ここを大きくしたいと思うようになって、どんどんお金でお金を増やそうとした。それが運の尽きやね。36にもなって、初めてお金のことで悩むなんて恥ずかしいわ。こんなことやったらお金持ちの家になんて生まれんかったらよかった。」

優くん「氷河さんはお金持ちに生まれたから、36年もお金のことに悩まずに済んだんです。それはご両親に感謝すべきです。お金は可能性なんです。そのお金を使って何かできるっていう可能性を持ってるってことなんです。5万円で俺は就活のスーツを買いました。学費が5万足りなくて専門学校をやめることになりました。氷河さんにとっては一回の晩御飯より少ない金額かもしれない。でもこのラーメン屋では100人に売らないと稼がない金額なんです。いいじゃないですか。36で気づいたって。気づけたんだから。あ、すみません。べらべらと」

衛さん「今500円を使い切った我々は可能性ゼロってことやね。」

優くん「あ、いや。」

これまでお金に困らなかった衛さんは、優くんと話していてお金の大切さに気づけて良かったと思っていた。衛さんは大将からもう一つラーメン鉢をもらって一杯のラーメンを優くんとシェアした。

衛さん「ほら食べ。私らは、今おんなじところ立ってるからさ。」

優くん「ありがとうございます。いただきます。」

衛さん「学生くん。世の中、金やな。明日からお互い考えよう。どうやって金を稼ぐのか、そしてそれを何に使うのか。」

優くん「はい。」

一杯のラーメンを分け合って食べる衛さんと優くん。衛さんはお金がなくなると人が離れていくことを実感しつつも、出会って間もない優くんに本音を話すことができた。今までは一ノ瀬だけに本音を話していたが優くんに励まされ、衛さんはやっと前向きな気持ちになった。屋台を出た二人は別れの挨拶を返した。

衛さん「じゃあがんばって学生くん。」

優くん「春野優です。」 

衛さん「優くんじゃあね。」

優くん「衛さんもお元気で。」

衛さんは晴れやかな表情で自宅に向かっていたが、背後から誰かが後を追っていることに気づく。振り向くと、そこには優くんが立っていた。

衛さん「で、何?」 

優くん「ね?」

衛さん「ねって?」優くんは苦笑いしながら困った顔をしていた。

優くん「僕、学費払えなくて、家も引き払ったんです。実家に帰るとこだったんです。500円が交通費だったんです。終電終わっちゃいました。僕行くとこがないんです。」

衛さん「そういうの早く行ってよ!」

衛さんは優くんに呆れてしまった。所持金がゼロになった優くんはずうずうしいとわかっていても衛さんに頼るしかなかった。お金も住むところも帰るところもないのだから…。

情が深い衛さんは、目の前にいる子犬のような目をしたこの若者をほっとけなかった。結局、衛さんは優くんを自宅マンションに連れて行く。するとマンション前では空くんと今吉さんが衛さんを心配して帰りを待っていた。

「SUPER RICH」の魅力について語る②に続く。

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