
朝ドラ『ちゅらさん』は、続編『ちゅらさん2』『ちゅらさん3』が放送され、そしていよいよ「4」に突入。続編で「4」まで制作されたのは、長い朝ドラの歴史の中で『ちゅらさん』だけです。
きっとそれだけ反響がすごかったんですよね。すごいことです。
脚本家の岡田さんは『ちゅらさん』に強い愛着を持っていて、えりぃたちのその後を描きたかったんでしょうね。でも本編から長い時間が経過していて…。それでもキャストや制作陣がスケジュールを調整して『ちゅらさん4』を作り上げてくれたことは奇跡的なことだったと思います。
やはり『ちゅらさん4』がファイナルになってしまって寂しい思いになりました。そんな『ちゅらさん4』をあらすじと共に振り返ります。

2006年12月。えりぃたちは沖縄の小浜島に戻っていた。上村家の朝は、えりぃが朝ごはんを用意しながら和也を起こすところから始まっていた。
えりぃ「和也ー!和也ー!起きなさい。遅刻するよー。もう起こさないよー。知らないからね、お母さん。」
文也は、和也を起こすえりぃを見ながらいつもニヤニヤしていた。文也の朝の日課?なのか、文也は和也が起きてくるのを三線を弾きながら待機している。笑 えりぃは、すっかり沖縄のお母さんになっている。まるでなかなか起きない小学生だったえりぃを起こしていた勝子のようだ。
『ちゅらさん4』の文也は、小浜の暮らしに溶け込んで、すっかり沖縄の男になった風格がある。三線を弾き、髪も短くして、肌も小麦色に焼けていて、沖縄弁で話している。私は『ちゅらさん』本編の登場人物の中で一番変わった人物は文也だと思っている。

息子の和也は小学校4年生になっていて、既に反抗期の兆しがあった。
和也「うるさいな。わかってるさ。」
えりぃ「は!?何て言った、今?」
えりぃは、ふてぶてしい態度の和也に腹を立てていたが、文也は、和也の自我が芽生えて成長していることを温かく見守っているようだ。子供の頃の文也は、兄が病気だったこともあり、親に反抗することもなく、自分をずっと抑えてきたからなぁ…。だから、和也に反抗的なところがあってもいい、のびのびと育って欲しいと思ってるだろうなぁ。
えりぃ「ん?」←不機嫌なえりぃは、ニコニコしている文也の態度が気になる。
文也「さ、食べようね。」←仕切り直しする文也。笑
えりぃ・文也「いただきまーす。」←和也は合掌のみ。
文也「和也、いっぱい食べろよー。」←どうやら、和也は文也のいうことには素直に応じる。笑
朝食を終え登校しようとする和也に、えりぃと文也は声をかけた。

えりぃ「行ってきますは?」
和也「行ってきます。」←和也に笑顔はない。
文也「はい、行ってらっしゃい。」←いつものことだと思って寛容に見ている
えりぃ「気をつけてね。」←寛容に見れないえりぃ。
和也「何に気を付けるわけ?この島で。」←やはり和也はえりぃの一言にいちいち反抗する。

えりぃ「まったくかわいくないね、最近。小さい頃はかわいかったのに。お母さん、お母さんって言ってからに。」←最近の和也に不満げなえりぃ。
文也「しょうがないだろ、それはそれだけ大人になったってことなんだからー。」
えりぃ「そうだけどさー。」
文也「それだけ俺たちも歳くったってことだよー。」
えりぃ「まぁ…ん?おばさんになった私?」
文也「いやいやいや、そうゆう意味じゃなくてさー。」
えりぃ「ホント?変わらない?全然。」
文也「いや…全然ってことは…。」
えりぃ「笑」←変わらないと言ってくれると期待しているえりぃ。
文也「・・・・・・。もちろんさーぁ♪」←単純なえりぃの期待に応える文也くん。ナイス。笑
えりぃ「あらーやっぱりー。であるよねー。笑」←単純なところは変わってない。
文也「笑 ホント最近、那覇のお母さんやおばぁに似てきたなぁ…」←実はこれが文也の本音。笑
えりぃ「うん?」←えりぃには文也の本音が聞こえず。

文也は、小浜に戻ってからのえりぃは沖縄の女っぷりが更に増していると実感していた。
えりぃ「何?」←文也は見送るえりぃをじっと見つめていた。
文也「いや、なんでもない、行ってきます。」←余計なことを言わない文也くん。
えりぃ「いってらっしゃい。」
文也「うん。」←余計なことを言わない文也くん。笑
えりぃ「気をつけてねー」
文也「はーい。」←和也の気持ちがわかる文也くん。笑



えりぃは訪問看護で自転車を使っているけど、文也くんは歩いて出勤しているからすごい。笑
文也「確かに気をつけるもんなんてあんまりないよなぁ。苦笑」

背伸びしてから歩こうとしたら牛にぶつかりそうになる文也。牛には気を付けないといけないね。笑


夫の文也は、小浜島の診療所に勤務している。医療に対する技術の向上を目指す姿勢は変わらない。東京で学んだことを活かし、患者と向き合いながら、きっと勉強にも取り組んでいるね。『ちゅらさん4』では、文也の医療のことには特に触れていないけれど、名医となり地域医療に貢献している。



えりぃも、東京で学んだ訪問看護の技能を活かして、小浜でも訪問看護を続けている。小浜島の住民は高齢者が多いことから、えりぃが訪問看護に来てくれることは、とてもありがたいことだった。安心できるし頼りになる。そしてえりぃの笑顔から元気をもらえている。えりぃは、沖縄のてぃだ(太陽)そのもの。
訪問看護師として妻として母として、精力的な毎日を送ってがんばっている。

文也のいないところで、おばさんになってないか気になっているえりぃがかわいい。笑

えりぃと文也は、和也の木の下で過ごすことが多いようだ。二人の結婚生活も充実しながら年を重ねてきたことで、二人の子供時代の面影が少しずつ消えていき、大人になってしまった感がある。
えりぃ「はぁ、東京はどんなしてるかねー。」
文也「うん。」
えりぃ「私がいなくて大丈夫かねー。」←むしろ平和かも。笑
文也「大丈夫だろ。」
えりぃ「うーん、ね、ね、撮って!撮って!」
文也「あぁ、いくよ。」
文也は小浜にいるえりぃの動画を撮影して、一風館に送った。『ちゅらさん4』では、便利な時代に突入していた。パソコンを使って小浜と東京間で動画を送り合えるような世の中になっていた。
えりぃ「ハイサイ!えりぃでーす。みなさん元気ですかー?今日は美しい夕日をお届けしまーす♪」
東京の一風館の住人たちは、元気そうで賑やかにしている。容子と柴田の娘の栞ちゃんも大きくなっていた。
えりぃ「西表に沈む夕日きれいでしょーそして私もきれいでしょー。」
小浜に行っても変わらないえりぃを見ながら真理亜は嬉しそうだった。しかし、容子だけは何やら悩ましげな表情をしていた。真理亜は容子の様子が気になっていた。

2007年の元旦がやってきた。上村家は初日の出を眺めながら挨拶をした。小浜島から見える日の出はテレビの画面から見ても本当に美しい。
えりぃ・文也・和也「あけましておめでとうございます。」
えりぃ「いい年にしようね。今年も。」
和也「はいはい。」←やはりえりぃには冷めた態度の和也くん。笑
えりぃ「さ、那覇に挨拶に行こうか。」

気を取り直して、上村家は那覇の古波蔵家に向かった。古波蔵家には義姉の奈々子もやってきていて賑やかなお正月を迎えた。
全員「あけましておめでとうございま-す。」
恵文「いやぁ楽しいねー、もう今日はさ、食べて飲んで踊ろうね。正月だからよ。」
おばぁ「いつもと違うかおまえの場合は。」
勝子「そうですよね。」
奈々子「お父さん、今、この子(恵達と祥子の息子)頷き付きましたよ。おばぁの言葉に」
勝子「だってその通りなのにねー。」

えりぃ「文也くん、お父さんみたいにはならないで。」
文也「え?いや、そう言われてもはいとは言えないさ。一応立場的に。」
恵文「大丈夫さ、文也くんは。」

文也「え?」←恵文の呪いのような言葉に怯える文也くん。笑
えりぃ「大丈夫?」
恵文「どんどんこちら側に近づいてきているわけさー。」
文也「え?あの、いや、」←恵文側には絶対行きたくない文也くん。笑
恵文「何ぃその泣きそうな顔。」
文也「いや」←恵文のような沖縄の男になりたくない文也くん。笑
えりぃ「大丈夫、文也くん、そんなことはないよ。私がそうはさせないから、」←ナイスえりぃ。

勝子「がんばってね、えりぃ。一度こうなったらもう元には戻れないからさー」←絶対そうなりたくない文也くん。笑
えりぃ「だからよ」←えりぃ、あなた大丈夫?笑
恵文「なんなわけそれは?」

お正月の豪華な料理を頂く前に、先祖にお参りをする古波蔵家…。実はこの場には恵尚と恵達の男性陣が不在。恵尚は一人旅に出かけ、恵達も音楽の勉強のためにアメリカのニューオリンズに行っていた。二人の写真が古波蔵家に飾られていた。まるで遺影のように見える…。奈々子と祥子は気になって仕方がなかった。
古波蔵家にはまともな男がいないのは相変わらずで、文也くんが頼りだと思って、念力をかけるおばぁ。笑

えりぃ「どうしたの?文也くん」
文也「なんか急にちょっと肩が重くなってさぁ。」←おばぁの念力が届いたようだ。笑