デビュー35周年ツアーを続行中の、我が愛してやまないバンド・スタレビことスターダスト・レビューが、5年の時を経て改装なった京都会館改めロームシアター京都にようやく帰ってきてくれた。
来春まで続くツアーであり、セットリストなどのネタバレは慎むがとにかく素晴らしいコンサートだった。
このツアーは3月に滋賀・守山、5月の大阪・オリックス劇場にも参戦しているが、それらからさらに一段と深化したツアーになったように思う。
従来の曲順をベースに、季節柄クリスマスにちなんだ曲を挟んだりハンドベル演奏もあったり。
定番曲もほぼ要所に網羅されていたし、もちろんアッと驚きの曲も。
中盤の12分に及ぶ長いMCは「トイレタイム」としてファンに知られているが、冷え込んだのとファンの高齢化で恐ろしいまでの人数が席を立った(笑)。しかし私に言わせれば、席を立つがもったいなかったほどその12分のメンバートークには笑わせてもらった。
私が初めてスタレビを生で観たのが、他ならぬこの京都会館だった。まだ私が大学3回生だった1988年9月、アルバム「RENDEZーVOUS」のツアーである。
86年に山下達郎を初めて生で観て、それこそ卵から孵ったヒナが初めて見たものを親と思うほどにのめり込み、翌87年に初めて佐野元春を生で観てあまりのカッコ良さに心酔し、という流れの中で観たスタレビ。
もう、世の中にこんな楽しいバンドがあったのか?と思うほどに熱中した。
勢い余って、スタレビのコピーバンドを組んでドラムを叩いたりもしたものだ。
あの時の京都会館は舞台も狭く、音響も最悪だった。
ファンももちろん低年齢で、キャーキャー言うだけでロクに曲を聴いていない客もいた。
それでも、その楽しさは充分に伝わってきた。
あれから28年。
メンバーもファンも順調に加齢し、ホールは新しくなり、円熟味を増した歌と演奏がその舞台に、壁に沁み込んでいった。
こういう事を云うとまたぞろ
「所詮、自分史の肯定だ」
と片付けられてしまいそうだが、変わらず第一線でやっているバンドのファンとして28年後の同じホールに立ち、同じ曲を口ずさめている自分の人生は決して間違っていなかったのだ、という思いにさせてくれる。
要氏が最後のMCで、
「スタレビと一緒に、もう少しだけトシ食いませんか?」
と語った。
えぇ、もちろん死ぬまでお供しますとも(笑)!