苦労は買ってでも・・・

ずっと昔、私がまだ十代だった頃、ある人が「苦労は買ってでもって言うけど、苦労なんてしないほうが良いんだよ」って力説しているのを聞いたことがあります。

（何言ってんだろ、このおじさん）って思っていましたが、それが気になっていたのでしょうね、今でも覚えているんだから。

あれから20年は経っていますが、今なら言える事があります。


苦労かどうかは感じ方によって同じ事が起こっていたとしても違うけれど、嫌だなっ感じる事があった時にそこで気持ちが留まってしまえば、永遠に嫌な事があったという動かしがたい事実になってしまいます。

嫌だなって感じた時に、何がそんなに嫌なんだろ？どうしてだろ？何に自分は反応してるんだろ？って考えてみると、それは嫌な事ではなくて（当然、嫌だと感じたのだから嫌なんですけどね）、何か自分にとって大切な事に気がつくきっかけになったりします（時間がかかる事もありますが）

嫌だと感じる思いは外にあるものではなくて、自分の内に感じる事だからです。

嫌だと思わなくしたら良いという話ではありません。
嫌なことは嫌なのですから。
ただ嫌だったで終わってしまうならば、苦労なんてしないほうが絶対に良いでしょう。（嫌なことなんて何もない方が良いに決まっていますよ）

でもね、でもですよ、嫌な事は避けるという事をし続けるなら、いつも逃げ回らなくてはならなくなってしまいます。それって、大忙しで大変ですよ。
落ち込んで動けなくなってしまう人も、自分を守ろうと怒ってしまう人も、
感じないように無関心を装う人も、避けようとしている反応だと思います。
（私も嫌な事があると、そんな反応をして避けようしてしまっていたりします）

嫌な事があったら、一つ一つに目をつぶらずに、何に反応して嫌だって思うんだろ？って考えてみて、何か自分の内に反応してしまっている要素を見つけたら、
そこが苦手を克服するチャンスです。

ああ、それは嫌な事だと思い込んでいただけで、そうじゃなかったって気がついたら、次に同じ事が起こったとしても、その時はなんともなくやり過ごせたりします。（だって越え方を知っているのですから）


そうなってくると、自分に降りかかる嫌な事は、宝物みたいに大切な事に変化していくのですよ。いつも嫌な事があると、ここさえ乗り越えれば、大切な宝物になるのだからって思うので、今は「嫌な事」って本当にあんまりなくなってしまいました。

嫌な事があると、ワァーイどうしよっかな？って楽しみに変わるからです。

嫌な事とか苦労とかがない暮らしって、結構つまらなくて退屈なものです。
大金はたいて苦労を買いたいとまでは思いませんけどね・・・