以下は30年くらい前の話
秋葉で青年がタマのアンプの部品を買っていた。真っ直ぐ海神無線に行けばよいのにその店は生憎と親切ではなさそうだ。あまりにたどたどしいので見かねて回路図を見せて貰った。マラード型で共通カソード抵抗の代わりにペントードが使われている。その回路定数が一桁以上違うのが一見して分った。
此の通り創ればまずいので製作者に聞くようにと言って別れた。後日の青年からの電話では、製作者は“こういう間違いにすぐ気がつかないようじゃぁ駄目よ”と言ったらしい。製作者は私の敬愛する人なので笑ってしまった。
後日この話を或るオーディオマニアにしたら“あの先生がそんなことを言うとは思えない、回路図は正しく書く義務が有る筈だ”という。これは、初心者の典型的な反応だ。
以前見た記事でパワー管のカソードがアースに落ちていないのが有った。制作費の相当に掛かるアンプだった。それをその通り作った人がいた。当然動作しないので雑誌社に聞いて誤植が発覚したらしい。その話は間違って申し訳なかったという話ではなく、それほど分らない人もいるのか、という笑い話になっていた。回路図頼りで作る人は憤慨する話かもしれない。
製作記事に誤植はつきものだ。然しその間違いは殆どの場合一見して分る。ラックスのカッコイイ高価なトランスが作り損ないで駄目になってるのを幾度か見た。いきなり高価なものをやらず、安いもので稽古したらどうだろうか。
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