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月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

220.姫路市家島の屋台の脇棒(月刊「祭」2019.11月5号)

2019-11-05 18:17:00 | 屋台・だんじり・神輿-台車、骨組み、かけ声、楽器、担ぎ方-
家島の屋台
 播磨灘に浮かぶ家島では11月2日、3日に屋台が出る祭が二つの神社(真浦神社、宮浦神社)で行われます。その屋台のとある特徴を見ていきます。その特徴について、真浦神社で問題提起をして、宮浦神社で考察します。
 
 
真浦神社(アクセス、祭礼日11月2.3日)
 二台とも小型の神輿屋根型屋台ですが、従来の神輿屋根型屋台より脇棒が長くなっています。



宮浦神社(アクセス、祭礼日11月2.3日)
 こちらの方は一見脇棒の短い仕様に見えますが、例えば大きめの屋台で知られる英賀神社の春日若倉の屋台よりも長い脇棒になっています。なぜこのようになっているのかは、本棒にありそうです。





 本棒の先端は鉄のカバーがついていました。聞いたところ、購入した際は屋台を収蔵する建物が小さく、本棒が入り切らず棒を切ったそうです。
 やがて大きな屋台蔵がたち、カバーをつけて本棒に鉄のカバーをつけて元の長さに戻したとのことです。そして、ここからは管理人の推測ですが、本棒が短くなった分、脇棒を伸ばして担ぎにくさを補ったものと思われます。


再び真浦神社の屋台について
 同じ島内の屋台は、本棒と脇棒が同じ長さだったのでそれと同様のものを購入か作るかしたものと管理人は考えます。
 
 

219.少なくなってきた薄い屋根の屋台(月刊「祭」2019.11月4号)

2019-11-05 08:42:09 | 屋台・だんじり・神輿-装飾の工芸、新調、改修、修復-
●薄い屋根
 三木市をはじめとして、平屋根三段の屋台が分布している地域では、屋台の顔はやはり屋根になります。また、屋台本体を改修せずとも比較的手軽に改修しやすい部分でもあります。
 屋台をうごかしているとどうしても大きな屋台を動かしたいというのが、正直なところです。 そのような中で、「センベイ屋根」と呼ばれる昔ながらの味わい深い屋根で運行している屋台も今はずいぶん数少なくなりましたが、いくつか残っています。
 かつてはセンベイ屋根とも呼ばれた薄い屋根の屋台を見ていきます。
 
●三木市
岩壺神社
(アクセス、祭礼日体育の日の次の土日)
東條町
 松本義廣作の欄間彫刻を近年購入しました。黒い布団台に透かしの金具などで、従来のバランスの良さをくずさない改修となりました。名工の欄間彫刻を見事なバランスで、組み入れているのを見た驚きは今も忘れられません。



滑原町
 小型の屋台から名作を結集した大人屋台になり、はや20年が過ぎました。2014年の市政60周年記念イベントでは、屋台の紹介でもバランスを意識した屋根であることがアナウンスされました。



大手町
 もともとは吉川の屋台ですが、昨今泥台を改修しました。螺鈿細工もひきついでいます。詳しくはこちら


三坂神社(加佐)
(アクセス、祭礼日5月2.3日)
加佐東
 精巧な彫刻が残っています。また、龍の天蓋彫刻が屋台四本柱内の天井に見られます。もともとは、たくし上げる仕様の水引を使用しており、差し上げたら見える仕掛けになっていたと思われます。


 
神戸市
淡河八幡神社
(アクセス、祭礼日10月第一日曜日)
海女の玉取りなどの人物物の金具や、橘正義の欄間や雲板彫刻が、薄い布団とよく合います。詳しくはこちら


 
加古郡稲美町
印南住吉神社(アクセス、祭礼日10月第一土曜とその翌日)
 
印西屋台
 精巧な彫刻と縫い物が薄い屋根によく合います。虹梁が反り返り狭間彫刻の上下幅は狭くなっています。


 


●少しずつ減る薄屋根屋台
 祭がさかんになるにつれ、屋台は大きくなります。その時にどうしても手をつけやすくなるのが、屋根です。比較的安価に大型化でき、祭が盛んなところほど屋根が大きくなる傾向が見られます。
 古い物好きの管理人としては、薄い屋根の屋台に魅力を感じており、末長く残って欲しいと願う次第です。