月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

226.生業と祭と屋台-農業と祭礼日-月刊「祭」2019.11月10号)

2019-11-12 18:45:00 | 屋台・だんじり・神輿-組織、祭全体、社会との関わり-
●祭で祈られる生業の発展
 祭の大きな目的の一つとして、生業の発展があります。その中でも、農業の発展・「作物がよくとれる」ことを祈るのは、人間が物を食べて生きる生物である限り、続く行為になることでしょう。そのような、「農」と祭を見ていきましょう。
 
●歌われる「農」
三木市内の中で、旧の町方である明石町では、歌われることのない歌が、「今年やなあ、豊年年---」の歌です。地域や屋台によって少しずつ違いますが、農村部の屋台ほど歌われていることが多いようです。
 例えば、下の地域でも「豊年どし系」の歌が歌われています。

↑三木市八雲神社久留美屋台



↑三木市志染町御坂神社


↑三木市岩壺神社を出る若宮八幡神社宿原屋台
 
●農業と祭
三木市吉川町細田神社



↑祭が終わって片付けが始まっているときに行きました。大きな各村ののぼりの中に菊正宗ののぼりが多数ありました。酒米山田錦の産地で、日本酒とはきってもきれない関係にあるみたいです。
 聞くところによると、山田錦は普通の米より背が高く、台風などで傷みやすいので、育てるのに神経を使うそうです。
 
丹波篠山市佐々婆神社



↑見事な刺繍を擁する山車を見せていただきました。


↑ご自宅まで案内してくださり、地域の歴史や村の様子についてのお話を聞かせていだきました。そして、やはり、話にあがるのは、農業のことでした。ブランドの黒豆を見せていただきました。「丹波篠山黒枝豆販売の店」の札がかかっている店は、「おいしい」の目印です。

小野市久保木町住吉神社


 
 詳しくは、こちら。祭礼の日程も稲刈りとの兼ね合いで、10月体育の日の次の土日から、10月最後の土日に変更になりました。
 
●仕事と農業と祭礼日
 今回あげた屋台に携わるほとんどの方が、仕事を持ち、田や畑を切り盛りし、そして、優れた祭文化の担い手になっています。このような地域の祭に行くと、やはり田んぼや畑を切り盛りする苦労があることも話題に出ます。逆に仕事をして、田畑を切り盛りしていると、祭への参加が難しくなる話も聞きます。会社によっては、「祭と田んぼ(畑)」優先を認めてくれるところもあると聞きますが、やはり少数でしょう。
 祭礼日を固定ではなく、土日開催を批判する声もあります。ですが、専業農家が立ち行かない現代では、特に農村部での平日開催はかなり厳しい現状があるようです。