これまで本ブログでお知らせしてきましたが、北海道における今年の国際吃音啓発の日(ISAD)のイベントとして、11/29(日)に「吃音 伝えられないもどかしさ」(新潮社)の著者の近藤雄生さん(ノンフィクションライター)をお招きした講演会を開催しました。
講演会は、札幌エルプラザ4階の札幌市男女共同参画センター大研修室で開催しました。
開会挨拶する 南孝輔 北海道言友会会長。
進行は、藤井哲之進さんです。
近藤さんには、休憩を挟んで約1時間半お話いただきました。
はじめに、「吃音 伝えられないもどかしさ」を書いて感じたことや、出版後に多くの方からの反響があり、吃音を知ってもらうことの大切さを実感した、とお話されていました。そして、ここ最近の吃音をめぐる環境の変化として、このコロナ禍により、オンラインで容易に、国内だけでなく海外とも当事者や支援者が繋がれるコミュニティやネットワークができつつあることは大きい、ということをお話されました。
次に、「吃音 伝えられないもどかしさ」に登場する方たちのその後の出来事について、お話いただきました。その中には、先日、労災認定が確定した北海道言友会の会員だった男性看護師の故 飯山博己さんについても、触れていただきました。
最後に、近藤さんが「いま思うこと」として、最近、近藤さん自身が吃音の症状が少し重くなったことについて触れた後、本の反響を通じて、吃音を理解してくれる人は多いように思っているが、吃音の認知度が高くなってきたものの、当事者が受け入れられやすい生きやすい社会にはまだなっていない、と感じること。本当に社会で吃音が受け入れられる社会になるためには、吃音だけではない様々な多様性が受け入れられる社会になっていくことが必要であり、そのためには、個々人それぞれが、お互いに理解できない部分があることを認め合う、「寛容さ」を持つことが必要なのではないか、とおっしゃっていました。
質問タイムの時間では、「中国に行って吃音が改善したきっかけは?」「吃音で悩んだ昔と今の違いは?」「吃音が社会で受け入れられるためには?」など、30分の時間では紹介できないほど、多数の質問が寄せられました。
今回は、このコロナ禍で会場に参加できない方のために、「特定非営利活動法人 みちロコITプロジェクト」 さんの協力により、YouTubeでのweb配信も行いました。
会場からは23名、webからは50名の参加があり、札幌だけでなく、南は熊本県まで、全国からの参加がありました。
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参加者の感想から(アンケートから抜粋)
・私も吃音を抱えていますが、たまに目を背けたくなることがあったり、あえて吃音について考えないように過ごすこともあります。でも、近藤さんのお話にもあったように、もっと多様性が認められる社会になればいいなという気持ちは私も同じ気持ちです。少しでもそういう社会に近づけるように、私も吃音を伝えていきたいという気持ちが強くなりました。
・本の読了後だったので、皆さんがあれからどうなられたのか、知ることができてよかったです。また、近藤さんが一般論だけでなく、いろいろな立場や思いを持った人のことを想定されて言葉を選んでいるのが印象的でした。吃音だから、○○でなく、ひとりひとりの状況を丁寧に見ておられる姿勢を見習いたいと思いました。
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近藤さんを囲んで、スタッフと記念撮影です。
ご講演された近藤さんはじめ、ご参加頂いた皆様、どうもありがとうございました!
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