goo blog サービス終了のお知らせ 

因果一如

㈱HIRO建築設計、代表者のHIROと申します。ちょっと個人的、ゆるーいけどディープな話題を書いていけたら…と思います!

職業病?

2012-06-11 18:26:48 | インポート

先日、とある郊外のファーストフード店に家族で寄りました。

数ヶ月前にできた、ドライブスルーもある大手ハンバーガーチェーン店なんですが、ドライブスルーが混んでいたし、建物の中に入ったことが無かったので、たまには中で食事することにしました。

正面のカウンターで品物(食べ物)を受け取り、食事をしようと席を探したのですが、店の中も割と混んでいて、しかも客席の配置は入り組んでいて見通しが悪い。やっと、奥まった席に空席を見つけ陣取ったのですが、どうもここの席は正面カウンターから死角になっているためか、管理状態が悪いんです。

ゴミ箱はあふれ、テーブルは汚れたまま。店側からどう管理しているのか、ちょっと天井を見渡してみたけれど、監視カメラも無いようです。一体、誰がどうやって管理しているのか??しかも、トイレに行こうと思ったのですが、まず、トイレの表示が見当たらない。奥まった客席の突き当たりにドアが見えたので、それがトイレか、と思ったら、そこは「スタッフルーム」の表示。そこから更に死角になった位置にようやくトイレを発見しました。食事をするところからトイレの中が見えない配慮かもしれませんが、もう少し解る表示をして欲しいものです。

食事をし始めると、ちょうどシフトの交代の時間なのか、高校生らしき店のアルバイト店員が続々と出勤してきました。だらしない恰好をして、くちゃくちゃ大声でしゃべりながら、客席の脇を通り、スタッフルームに入っていくんです。で、スタッフルームで制服に着替えたら、仕上げは客用トイレに入り、その鏡の前で服装チェック。また客席の前を通ってから厨房に入る・・・私がトイレに寄ったときにはスタッフが鏡の前で身支度のため立ち尽くしてて、手を洗うのに、すごく邪魔でした。また、交代で休憩に入るスタッフは、店の商品をトレイに乗せ、次々にそれを持ったまま客席の横を通って、スタッフルームに入る。

ま亜、気にならない人にはどうでもいいかも知れませんが、これってどう考えても動線おかしいですよね?

そういう感じで、何度もスタッフは奥まった客席の横も通るのですが、休憩・勤務の出入り時だけなので、ゴミ溜めになっているゴミ箱には誰も気づかない。テーブルも拭かないまま・・・

超大手のハンバーガーショップ(ここまで言えばすぐ解ってしまいますね・・・)の割に管理体制がなっていないのはもちろんだけれど、そもそもの建物のプランニングが悪すぎる!表面の見た目はキレイなのに、まるで機能していない、っていうのはそれでもアリなんでしょうか?そこそこのプロフェッショナルが計画した店のはずなのに、あまりにも動線を無視したレイアウトにがっかりしました。

もちろん、集客だとか、店のファサードだとか、利便性だとかは考えての計画なんでしょうが、繁盛店として機能するうえで、考えなきゃいけない所って建築的にはもっと違う、というかもっと細やかな配慮が欲しい気がするんですけどね・・・ついつい、自分だったら、ここをこうして、こういうレイアウトにするよな、とか考えなおしてしまいました。

まぁ、それが正解とは言えないかもしれませんが、そういう目で建物を見ちゃう、っていうのも職業病っていうものなんでしょうか??

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天災に勝つ!

2012-05-09 16:37:18 | インポート

昔から言われている怖いもののたとえ、「地震・雷・火事・オヤジ」。

我々設計者は、歴史的にも、これらのものとは常に戦ってきて、なにか大きな災害がおきるたびに、設計する建物にも改良に改良を重ね、その大元となる建築基準法も改正を重ねてきました。にもかかわらず、新たな天災には未だに確実な勝利、とまでいかない状況のようです。

地震では、言わずと知れた「3.11」尋常でない被害が出ました。

阪神・新潟・・・と大きな地震での教訓として、これからの建物は耐震・免震・制震、などと改良を重ねてききました。ストック建築物対策で、耐震補強の大きな予算をとりました。その結果、地震そのもので建物が倒壊するような被害は思ったより少なかったのかもしれません。

しかし、やはり木造家屋は津波には弱かった。跡形もなく流されていく新築家屋・・・そして太平洋沿岸部での液状化被害、また、原子力発電所の地震でのもろさを目の当たりにしている現状、結局は人類はまだ地震には勝っていません。むしろ惨敗です。

悔しいけれど、結局は「想定外」という言葉で片づけて、今後の教訓に・・・ということの繰り返しなんです。

そうはいっても、最後の「オヤジ」は怖くないぞ!などと思う人も多いかも知れません。

いやいや、昭和のオヤジは怖かったんですよ。サザエさんの波平のような・・・って、いや、この場合のオヤジとは「台風」のことなんだそうです!

もともとこの「オヤジ(親父)」は「大山風(おおやまじ)」からきているそうで、大山風=台風のことなんだそうです。

台風ではありませんが、先日は、台風並みの竜巻被害で、わずか14歳の少年がお亡くなりになりました。

それも「想定外」である天災には違いないのでしょうが、今の木造家屋のほとんどが、風の吹上によって屋根が飛ばされないようにする「ひねり金物」を設置し、基礎土台と柱との連結を強める「ホールダウン金物」も設置してあります。

建物を支える「耐力壁」自体も、建物形状によって風圧力を考慮し、十分な耐力をもたせ、バランス良く配置しているはずです。

どうしてそれほどまでの被害が出たのかと、ニュースの映像を見て驚きました。現場では鉄筋コンクリートの基礎ごと、風に持って行かれたような映像が映っていました。

それでは建物自体の締結を強固にしたところで意味が無い。あとは杭でも打たないとダメなのか・・・

様々な天災・・・それらに完璧に勝てるような建物ができるように日々我々は努力しなければいけませんね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いとをかし!

2012-02-27 19:51:29 | インポート

近代建築の三要素、鉄・コンクリート・ガラス、この3つのおかげで近代建築は飛躍的に発展を遂げたといわれています。

普段から、あたりまえに思っているこの素材、無かったころは何がその代替えをはたしていたのか気になるところですが、中でも「ガラス」これの代替えにちょっと興味をもちました。

今では部屋には、窓から光を取り入れ、開放すれば風を取り入れる「サッシ」なるものがあるのがあたりまえで、そこには何の違和感もない。機能もさまざまで、アルミ、樹脂、複層ガラス、更には遮熱高断熱ガラス(Low-e)とかまで、その発展は留まるところをしらず発展していっています!

でも昔は、アルミや鉄もないけれど、もちろんガラスがありません。だから、透明な氷のような板を窓や戸にはめこむ発想もなく、木の枠に、紙を張った「障子」が普及することになります。

今考えれば、そんな弱々しい窓で、雨・風に大丈夫なのか?とか防犯上は大丈夫なのか、と気になるところですが、四季のある日本の風土に合わせ、軒を出す(ひさし)ことで障子を風雨から守り、それ以上の風雨には「雨戸」を設けることで障子を保護し、それと同時に防犯上にも役立てました。広く開放できる障子は早くも平安時代から普及していたとか。

いまだに、少なからず和室で見られる(内障子としてですが)障子もその機能は違えど、形として近代建築の中に残っているのは、やっぱりその風情を求めてなんだろうなぁ!

サッシメーカーのCMとかで見るけど、暖房でぬくぬくした室内から、ガラス越しに眺める雪景色・・・そういうもいいけど、何だか風情は無い気がします。紙を通したやわらかな光の外の気温を感じ、寒さに震えながら火鉢などおこしつつ、「もしや雪なんて降っているのか?」と摺りあげ障子をあげ、その隙間からしんしんと降る、雪景色を楽しんだり(そういう障子を雪見障子っていいます)するのって、なんとも風情ありますよね。

近代建築は、強固で便利でデザインも豊富!そりゃそうだ。鉄・コンクリート・ガラスがありますからね。その結果、風情とか季節との一体感とかみたいなのが薄れていっているようにも思います。

何でもないことだけど、夏の夕立、人のうちの軒先で、ちょっと雨宿り・・・先客がいて「まいったねぇ」「すぐやむでしょう」なんて知らない人同士の会話・・・なんていうのも風流ですよね。だけれど、そういう季節折々の風情を今の建築にも残していきたいなぁ、って思います。

枕草子の春はあけぼの・・・じゃないけど「いとをかしい」建築でありたいな、と。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今更ながら・・・

2012-02-13 17:19:21 | インポート

あ、っと言う間に年も明け、早くも2月。また、しばらく更新をさぼっちゃいましたね。

私事ながら、この2月までは厄年(後厄)だったので、あまり奇抜なことはせず大人しく過ごしていたつもりですが、ようやく厄年も明けたことだし、仕事の方も心機一転、ちょっと前向きに頑張っちゃおうかな、なんて気持ちでおります。

ついては、自分に課す目標を立てました。毎年1月に一つの目標は考えているんですが、今年の目標は一年、と言わず、もっと長いスパンで考えた社訓・・・のようにしようと思い、大事なことを4カ条にまとめました。また、仕事以外にも共通できる、多方面にわたる目標となりうると思います。

~できるかできないか

1・やってみないとわからない。チャレンジする気持ちを常に持つ

 できない、って決めつけちゃったらそれまで。やってみることが大事、ということ。

2・できない理由を言う前に、できる方法を考える。

 できない、って結論をだすことは一番簡単。「忙しいからできない」とか言い訳をせず、できる方法(時間を作る努力とか)を考えることが重要。

3・それでもどうしてもできないときには、代替え案を考える。

 逆立ちしたってできないこともあるけど、近づくことはできるはず。できる限りのことはしなけりゃいけない。常にできる限りを目指すんだという心構え。

4・できるときには100%の完成度、+αをめざす

 簡単にできることだって、なめちゃいけない。できるなら100%は保障できるように!勘違いをしてはいけないのは、120%を目指すんじゃない、ということ。100%は確実に。

皆さまが共感できるかどうかはともかく、この心構えで、頑張っていくつもりです!もっと早く更新するつもりが、仕事が忙しくて今頃に・・・あ、早速、2に背いてしまいました!言い訳をしちゃぁいけないですね。(汗)

(かなり)遅ればせながらですが、今年もよろしくお願いいたします!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

職人さんには敬意を払うべき!

2011-11-28 15:30:53 | インポート

実は、私が関係している息子の少年野球についてもブログを書いています。

そっちの方に、先日のナ○ツネ問題について、ちょっとした事を書いたのですが、これって仕事でも、ちょっと関係ありそうなことだな、って思ったのでこちらでも一言書こうと思います。

(知っている人は知っているでしょうが、私のもう一つのブログの記事↓)

http://blogs.yahoo.co.jp/luremanhiro/28431302.html

例えば、飲食店では、店のオーナー(経営者)と厨房に立つ人(職人)どちらが偉いのか?

建築業界で言う、工務店の社長(経営者)と大工さん(職人)、どちらが偉いのか?

・・・答えは簡単。その組織のトップ、経営者ですからね。前者が偉いに決まっています。

ただ、実際に手をかけるのは職人である以上、たとえ経営者であっても、そこに職人さんへの敬意がなければいけない、いやあるべきだと私は思います。

我々の職業である「設計」もある意味、職人的な側面もありますが、基本的にプロジェクトのとっかかり、指揮先導(経営)する立場でもありますから、とかく我々の職業は「先生」なんて呼ばれて、たいそう偉そうであったりします。

事実、偉そうであったり、センスの押し付けであったり、意にそぐわない仕事は断固拒否するような人も居ますが、私はそういうスタンスが大嫌いです。

私が思う、我々の仕事は、あくまでも、お施主様ありきの仕事であり、そのためのお手伝いをしているのだというスタンスだからです。

私のお手伝いの範囲は直接的な工事ではありませんが、知識とセンス、そして助言です。いわゆるコンサルティング業務だけなのです。

直接的な工事をする職人さんには、長年の経験やら、専門知識があります。それには、私たち設計者が真似できないような技術があります。ですから、そういう部分に敬意を払い、聞くことは聞き、助言するだけなんだ、という姿勢でやっていきたいと思います。

私の古くからの友達で建築会社の社長がいます。

以前、彼がちょっと面倒な追加作業を現場で大工さんに発注する際に立ち会ったのですが、その時彼が頼んだ言い方が、ちょっと印象的でした。

「お客さんからの頼まれてさ、ここに、こういうものを俺が造ろうと思うんだけれど、俺だけじゃ技術が無いからさ・・・手伝ってくれない?」って頼んでいました。まぁ、そうは言うものの、もちろん、自分じゃ何もする気はないくせに・・・ね!

大工さんは、笑いながら引き受けてくれました。でも、ある意味、これが仕事の全てですよね。

プロジェクトの主体はお客様。できないことのお手伝いを皆でしている。そういう、気持ちをもって、職人さんと接する事が「敬意」なのではないかな、と思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする