あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

大蔵で漬物を売る頼りなさ   あきオジ

2010-08-16 20:24:15 | 日記
かつては大きな暖簾を張って
手広く商売をしていたのでしょうが
今は「蔵」を商品として漬物を売っている。
それでいいのか
何か頼りない
そんな代になっているのですね。
先祖が残したどんなものでも「商売に利用する」
それがなくなったらどうするのでしょうかね。

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人の浮き沈みは分からないものです。

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をそい月が町からしめだされている  放哉

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新田次郎にはまった人を知っています。
もう10年前に亡くなりました。
その人はカメラが好きで
原付きで出かけ写真を撮っていました。
山登りも好きでした。

そんなことを思い出しながら
「剣岳」を見ました。
その人が見たらきっと喜ぶでしょうね。
新田次郎の描く男のイメージと重なる人でした。

でも現役のときは不遇でした。
理不尽な上司に虐められ辛い思いをしていました。

でも、今思えば、退職後生き生きと動き回り
郷土誌を作ったりして楽しんでいた。
どこでとう逆転するか分からないものです。

一方は孤独な日々だったようです。もう、亡くなったでしょうか。
思えば、どちらでもいいし、その重さは似たようなもの。
比較するようなものではないようです。

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店開く煎餅売りの老夫婦   あきオジ

2010-08-16 20:05:48 | 日記
商売替えしたような老夫婦
以前はどのような仕事をしていたのか分かりませんが
客とのやりとりが不器用で素っ気ない。

その分、おかみさんが上手に商売している。
それぞれにそれぞれの思いを抱えて生きている。
そう、簡単なことではない。

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鐘つかぬ里は何をか春の暮  芭蕉

田一枚植て立去る柳かな  芭蕉

(能因法師、西行ゆかりの土地、栃木県で暮らしたとき、何度か立ち寄りました。ひっそりとした場所で、多少観光的に整備されましたが、訪ねる人も少ない空気の爽やかなところです。思えば、奥の細道で芭蕉がたどった道は、ほとんど歩いています。もちろん、芭蕉を追ったのではなく、芭蕉が立ちよったところに立ち寄ってみようということにすぎませんがね。)

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蕎麦を食う夫婦の会話天気だけ  あきオジ

2010-08-16 19:53:11 | 日記
そんな長閑さもいいかもしれませんね。

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ひっそり暮らせばみそさざい  山頭火

あるがまま雑草として芽をふく  山頭火

草のそよげば何となく人を待つ  山頭火

(このあたりの境地なら、「こんなことかな」という感じで想像がつきまます。そのあたり十分でないと言うか、まだまだというか分かりませんが、山頭火でしか入ることができない境地なのかもしれません。それに「わかった」ところでどうこうという話でもなさそうです。)

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鰯雲角から見つめる赤ポスト  あきオジ

2010-08-16 06:53:45 | 日記
最近、詩を読むことが多くなりました。
想像力が貧困なので現代詩や
長い歌は苦手ですが
素朴で、短く
それでいて明快な
そんな詩を選んで読んでいます。
「こんな見方があったのか」
そんな感動がある詩がいいですね。

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かしましや江戸見た雁の帰り様  一茶

昼飯をたべに下りたる雲雀哉  一茶

猫の子のくるくる舞やちる子のは  一茶

(いい年になると良寛あるいは一茶の見た風景の中に
自分を置きたくなりますね。)

夏草や建設予定掛けたまま  あきオジ

2010-08-16 06:28:50 | 日記
柵で覆われた空き地
いつまでも「建設予定」のままです。
そのうち、新しいスポットになるでしょう。
それまで元気でいられるかどうか。

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あだ花にかかる恥なし種ふくべ  蕪村

山は暮れて野は黄昏の薄哉  蕪村

秋風の吹のこしてや鶏頭花  蕪村

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繰り返し、句を読んでいると、季節の循環を感じますね。
繰り返し、多くの句を読んでいることが何よりです。
たんたんと読める句をそこそこに・・・

ちょうど朝食くらいのつもりがちょうどいいですね。

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永訣の朝  

    宮沢賢治

けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
うすあかくいっさう陰惨〔いんさん〕な雲から
みぞれはびちょびちょふってくる
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青い蓴菜〔じゅんさい〕のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀〔たうわん〕に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
蒼鉛〔さうえん〕いろの暗い雲から
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといふいまごろになって
わたくしをいっしゃうあかるくするために
こんなさっぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
はげしいはげしい熱やあえぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ
銀河や太陽、気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを……
…ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまってゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまっしろな二相系〔にさうけい〕をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらっていかう
わたしたちがいっしょにそだってきたあひだ
みなれたちゃわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ
(Ora Orade Shitori egumo)
ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
あああのとざされた病室の
くらいびゃうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ
この雪はどこをえらばうにも
あんまりどこもまっしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ
(うまれでくるたて こんどはこたにわりやのごとばかりで
くるしまなあよにうまれてくる)
おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが天上のアイスクリームになって
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ

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ときには宮沢賢治を読まないと弛緩したままで流れてしまいます。
岩手県の思い出は宮沢賢治と重なります。
三年暮らしましたが
いい思い出ばかりです。
素敵な人との出会いと重なります。

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月曜日遊歩道にも女郎花   あきオジ

2010-08-16 06:05:37 | 日記
今日は月曜日
サラリーマンは普通に戻るのですね。
それにしても東京のサラリーマンは大変だ。
ご苦労様ですね。

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いつも散歩するコースの空き地もすっかり
深い草に覆われてしまいました。

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何もかも雑炊としてあたたかく  山頭火

お彼岸のお彼岸花をみほとけに  山頭火

(以前、彼岸花の色濃い赤色が苦手でしたが、石仏との組み合わせを見てから、好きになりました。今年も巾着田の彼岸花を見物に行きたいですね。)

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