★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

2024年6月16日のオルバース周期彗星

2024-06-19 06:00:00 | 天体の記事
 周期69年ほどで太陽の周りを公転しているオルバース彗星(13P/Olbers)が夕方の空で明るく見えているとの情報を得て、眼視観察と撮影に挑戦してみました。

 2024年6月16日(日)の札幌は昼過ぎに雷鳴と土砂降り、夕方からほぼ快晴といった変化が激しい天気でした。20時過ぎに自宅屋上の屋根を開け、望遠鏡をスタンバイ。


 北西の方向を日没1時間後に撮影。6月16日の日没は19時16分。夏至を控え札幌の日没は19時過ぎと遅い時刻となっています。

 夕方のオルバース彗星は北西の低空に位置し、ぎょしゃ座を東方向へゆっくり移動中です。
 望遠鏡支柱を最大限の60cm伸ばし、彗星の予報位置に目盛環を使い望遠鏡を向けると、まだ薄明中ですが口径15cm屈折望遠鏡70倍の視野にはボーッとした星雲状天体が確認できました。
 すぐにミラーレスカメラを口径15cm屈折直焦点位置に装着し、口径40cm反射のほうを眼視観察用に切り替えます。

 時間を置いて2枚撮影しました。
 撮影共通データは口径15cmF7.3屈折望遠鏡にミラーレスカメラを装着し直焦点撮影。焦点距離は35mm判換算値で2200mm相当です。


 20時30分、ノーフィルターで露出2秒、感度ISO4000、彗星の地平高度は15.8度、太陽高度はマイナス10.3度。
 右下の明るい恒星はぎょしゃ座64番星で6等級。北を上にして掲載しています。


 21時15分、QBPフィルター、露出20秒、感度ISO4000、彗星の地平高度は10.0度、太陽高度はマイナス15.4度。
 45分間のインターバルで彗星が東側(画像の左側)へ0.04度ほど移動したことを確認。画像の最微光星は11等級です。

 おとめ座には上弦を2日経過した眩しい月が輝いています。札幌の光害の影響と月明かりのため裸眼で3等星が見えるか見えないぐらいの悪条件では彗星の尾が確認できませんでした。

 薄明中であっても口径15cm屈折70倍で彗星が確認できたことから彗星の光度は7等級といったところでしょうか。光害がない暗い夜空であれば位置さえしっかり確認して探すと口径3cmぐらいの小さな双眼鏡でも見えると思います。

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