今年最初の<目からウロコ>のコーナーでは、誰もが避けては通れない『老眼』について書きたいと思います。
『老眼』… 老・ッガ~ン嫌な響きですね。
お客様の視力検査を初めてからもう20年になりますので、老眼についての説明はこれまで何千回としてきました。
「これはある程度の年になると誰にでも起こる事なんですよ」
何度も説明してきましたが、正直他人事でした。し・か・し。私も40代半ばとなり、スマホの画面を遠ざけて見たり、時計の修理など細かい仕事をする時、小さなネジが見えにくくなってメガネを外す機会が増えてきました。
頭では分かっていますが、やはり現実に直面するとショックなものです
ここで簡単に<老眼>(正式には老視といいます)について説明致します。
老視とは年をとるに従って目の調節力が弱くなる状態の事を言います。調節は目の水晶体(レンズ)で行っており、近くを見る時は水晶体が膨らんで近くの一点にピントを合わせるのですが、それをひっぱる筋肉(毛様体筋)が徐々に弱くなってきます。
これは上の図の様に、年齢を重ねるにつれて筋力が衰えて水晶体を伸び縮みさせる力が徐々に衰えるという事です。
また年をとると水晶体自体の弾力性も低下してくるので充分に膨らませる事が出来なくなります
また、朝仕事をし始めた時は問題なかったのに、夕方目が疲れて文字にピントを合いにくくなってきた…これは目の筋肉が疲れてピント合わせをする力が衰えた(力仕事を続けると筋肉が疲れてくる)という事ですので、これも老眼の一種なのです。
それでは いつ頃から老視になるのでしょうか?
目の調節力は、10代から衰え始めます それを自覚するのは40歳位からの人が多いです。
ではなぜ、老眼を自覚するのにそれだけのタイムラグが発生するのでしょうか?
それは30センチ位の距離で文字を見る方が多い為です。その位の距離が見えづらくなるのが40歳位だからです。
また近い距離で細かい仕事をする時(例えば針の糸通しなど)ピントが合いづらいというのも、老眼のひとつなのです。
よく聞く老眼についての疑問に<近視 の人は老視にならない>と聞いたことがあるかもしれませんが、それは本当なのでしょうか?
しかし残念ながら、老視は全ての人に同じように訪れます。
近視眼はその構造上、裸眼で遠くは見えにくいけれど、近くはメガネを外せば楽に見える人も多いと思います。
これにより「近くは裸眼で見えるのだから私は老眼ではない」と勘違いされることがあるのです。しかしこの場合も、近視用のメガネをかけたままでは、近くにピントが合わずに見えにくいということになりますから、立派な老視なのです。
また<視力がいい人は早く老眼になる>と聞いたことがあるかもしれませんが、それはほんとうなのでしょうか?
これは間違ってはいません
遠視(遠方視力がかなり良い人はこの可能性があります)の人は、遠くを見る時にも調節力を使っています。近くを見ようとすると、さらにそれにプラスした調節力を働かせなければなりません。つまり、もともと近くを見る事が苦手なわけですから、調節力が不足すれば、「見にくい」という症状が遠視の人にはそれだけ早く現れてくる事になるのです。
老眼は、水晶体の弾力性が衰えなどで調節力が減少した事により、近くのものが見えにくくなっている訳ですから、近くを見るために必要な調節力と実際の調節力の差を補うレンズを装用します。
もし見えづらい場合は無理をせず、メガネをかけて矯正することをお勧めします。
文章では分かり辛いと思いますので、実際に測定しながら動画を使って説明します。
視力測定はいつも無料で行っています。どうぞお気軽にご相談下さい
次回も、老眼の話です!