ひげめがね日記

基本的に自虐的な日記です。自虐ネタが好きな方はお喜びいただけると思います。

家で死ぬということ

2012-03-11 10:23:33 | 日記
注)シリアスな内容です。

 3月2日、私の祖母が家で息を引き取った。享年97。ひげめがねが帰宅するのを待っていてくれたようなタイミングであった。
 内孫の最年長である私が、葬儀の時に「お別れの言葉」を読んだ。以下要約。

「私が小さいころのおばあちゃんとの思い出は数少ない。むしろ、おばあちゃんが物忘れが激しくなってから、本当の交流ができたと思う。リハビリと称して、一緒に運動したり、話をしたりした。おかげで、おばあちゃんが長生きしなければ知ることができなかった、当家のルーツを知ることができた。家族のことを褒めるのは憚られるが、両親、特に父親は夜中隣の部屋に布団を敷いて介護するなど、本当に献身的だった。だからこそ、お互い幸せに過ごしたし、家族が一つになれたと思う。家族は全員悔いはない。本当に大往生だったと思う。」

 個人的には思っていることをただ書いたつもりであったが、予想以上の反響があった。なんといっても、自分の実弟に、37年生きてきて初めて褒められた…。
「全員が家で死ぬことはできないかもしれない。でも、本人、家族とも家で死にたいと思っている人が、自分の家で死ねる環境を作りたい」というのが私の夢である。だからこそ、本当に素直に、15分くらいでこの原稿を書くことができた。
 以前のブログでこんなことも書いていました。

 しかし、私の近所や親戚を見渡しただけでも、家ではとても看取れない家庭もある。かくいう私自身も、今の年齢で両親を家で看取れるかというと、よほどの覚悟がないとできないであろう。その中で前述のようなお別れの言葉は、今考えてみるといろいろな意味でやや酷であったやもしれぬ。

 話変わって数日後、ばあちゃんの遺品の整理をしていたら、ひげめがね宛の手紙が見つかった。
 大学に行くために上京する日に渡すつもりで書いたお手紙であった。なぜか私の手に渡らなかった。照れくさかったのかな?

 本当にひげめがねがかわいかったこと。大学合格が本当にうれしいこと。世の中に怖い女性もいるかもしれないが、皇太子様がおっしゃったように「価値観の同じ女性」を見つけてほしいこと、などなど。

 私が大学入学したのは平成5年。皇太子様ご成婚の年だった。
 怖い女性がいるかも、とは至言だ。と書いてしまうと女性の皆様に叱られるだろうか。でも、実際怖い女性もいました(笑)。
 いずれにせよ、将来のことまで身を案じてくれたおばあちゃんに感謝。そして、ひげめがねは愛されて本当に幸せ者だと改めて感じた次第。

 最後に、今日は3月11日なので一言。
 長生きすることはつらいこと、苦しいこともたくさんある。実際、おばあちゃんをそばで見ていて「早く安らかに…」と思ったことも何回かあった。でも生き抜くことはなによりも尊い。
 昨年はあれだけの大震災があって、20,000人以上の方がお亡くなりになった。しかし、自殺者は一昨年より減ったとはいえ1年間で30,000人以上。いくら辛いことがあったとしても、自分の人生はまっとうしてほしい、というのが私の切なる願いです。


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