東大阪親睦会

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「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?

2009-06-11 22:57:04 | Weblog

 年金問題が相変わらず話題になることが多い。そんな中、「「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?」と題する本が話題となり、かなり売れていると言う。
著者は経済や年金の専門家ではなく、かつて200万部超の大ベストセラーとなった大学受験用の数学参考書の著者で、若者からは絶大な支持を得ているとのこと。

 年金が破綻しない理由は次の2点である。
・国民年金保険料の未納率が40%にもなるとの数字が常にクローズアップされるが、これは保険料を直接納める農業、自営業などの第1号被保険者を母数とした割合であって、給与天引きで納めている第2号被保険者等を含めた、実際に保険料を納める対象全体からすれば、約4.8%の未納率であり、制度を揺るがすものではない。
・そもそも、「保険料を未納した人=将来年金を受けられない人=将来の年金給付に影響しない」のであり、未納率が年金制度の財政には影響しない。

 上記2点は、調査事実、および年金制度そのものを直視すれば論理的に出てくる当たり前の結論である。この当たり前のことが、ことあるごとに「年金は破綻する」と騒ぎ立ててきたマスコミの論調の異常さに今更ながら驚きを覚える。

 先の日曜朝の某報道番組でこの本が紹介され、上記2点の内容を「‥‥とこの本の著者は語っている」とあたかも著者の考えであるかのように紹介していた。考えでも何でもなく、事実および制度そのものであると思うのだが。

 さらに、この2点に真正面からは反論できないとなると、「破綻の定義があいまいだったのでは」、「制度は破綻しなくても、受け取る年金で生活できなければ、それも破綻と言って差し支えない」と論点のズレた主張が‥‥そもそも、この本の題名の如く、「破綻」を言い出したのはそちらではなかったか。