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情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

ソフトウエア危機

2008-02-26 | 教材研究
NHKクローズアップ現代「ソフトウエア危機~誤作動相次ぐハイテク製品~」(2008年2月5日放送)を見ました。
  • 2007年10月12日に起きた首都圏の鉄道各社の自動改札機トラブル
    • ソフトウェアの不具合が原因
    • PASMO、Suicaの相互乗り入れのために4年がかりで開発された
    • ソースコード83万行のうち、紛失カードに関する部分26万行の中のたった1行のバグが原因だった
  • なぜソフトウェアの不具合による誤動作が相次いでいるのか
    • ソフトウェアが複雑、巨大化したことが原因
      • 携帯電話 500万行
    • 製品の故障のうち、ソフトウェアが関係しているものが43.8%
  • ソフトウェア開発の人手不足
    • 製品の出荷前にソフトウェアの検証が十分にできない
      • 出荷後に不具合が見つかり、技術者が不具合の修正にあたる
      • さらに人手不足の悪循環
    • 自動車
      • 1台の自動車で80個余りのコンピュータがあり、700万行に及ぶソフトウェア
      • ソフトウェアをライバル会社と共同開発
        • コストの削減、技術者不足の解消
  • ソフト立国
    • 信頼性のあるソフトウェアを作ることが他国からのアドバンテージ
      • 技術力を育てる
      • 国や企業、大学等のサポート
行き過ぎた競争が生んだ矛盾。ソフトウェアの欠陥が私たちの命をも脅かしています。

「情報社会」におけるソフトウェアは私たちの生活に大きな影響を与えています。高等学校情報科において、ソフトウェアの仕組みを学んでおくことは重要だと再認識しました。
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武蔵工業大学付属

2008-02-16 | 教材研究
今日は武蔵工業大学付属中学・高等学校の情報科の授業を見学させていただきました。グランドは人工芝、校舎も建て替えられたばかりで、まるで大学のようでした。

見学させていただいた授業は、3時間目に行われた中学3年生「情報」でした。男子生徒40人弱のクラスでした。技術科の「情報とコンピュータ」という位置付けで、この授業が今年度最後の授業だそうです。授業の内容は「ディジタル表現」という単元で、白黒の2値画像を16進数に置き換え、また16進数で表されたものをもとの2値画像に戻すという内容でした。とても作業量が多く、しかも数字がたくさん出てくるので生徒は途中で嫌になってしまうのではないかと思いましたが、終了のチャイムが鳴り終わっても作業をしている生徒がいました。

授業の行われたパソコン教室は普通教室の1.5倍あり、ゆったりとしていました。廊下側は全面ガラス張りです。パソコンの数は50台でした。他にも教員用のパソコンが150台、図書、美術室にある生徒用のパソコンの管理も全て情報科の教員が1人でおこなっているそうです。

武蔵工業大学付属の情報科の教育目標として、6年間を一貫して「情報活用能力」の3要素(「情報化の進展に対応した初等中等教育における情報教育の進展等に関する調査研究協力者会議」)を学習することを挙げられました。中学3年で「情報活用の実践力」、高校1年で「情報社会に参画する態度」、高校3年生の選択科目で「情報の科学的な理解」を位置付けているそうです。

高校1年生の必履修科目「情報A」では、統計グラフコンクールやクエストエデュケーションプログラムに取り組んでいるそうです。クエストエデュケーションプログラムは総合学習で取り上げられないかと思いましたが、とても費用がかかるようですので私立でなくては難しいかもしれません。
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都立両国高校

2008-02-02 | 教材研究
今日は都立両国高校情報科の授業を見学させていただきました。

見学させていただいた授業は、2時間目に行われた2年生「情報B」でした。「情報技術の進展」という単元で1時間目がグループのテーマ決め、2~3時間目が調査、発表資料の作成と進んできて、見学させていただいた授業は4時間目のグループ発表でした。

4つの班が発表していました。「GPSについて」「QRコード」など、最近の情報技術をテーマにしていました。発表を聞いている生徒は、評価をパソコンに打ち込んでいました。ASPでの授業アンケートは毎時間おこなっているそうで、生徒は慣れたものでした。全ての発表が終わったあとは、アンケート結果を見て発表を振り返っていました。

授業終了後には、1時間半ほど両国高校情報科の取り組みや学校についてお話を聞かせていただきました。以下、情報科に関してうかがったお話のメモです。
  • 「情報B」の年間授業計画
    • 1学期
      • パソコンやオフィスソフトの基本的な使い方
        • 開隆堂「基本操作マスター」を参考書として生徒に持たせる
      • ディジタル化
        • 数当て、数字カードの並べ替え
      • 論理回路
    • 2学期
      • ネットワーク
      • コンピュータの仕組み
      • プログラム(8時間)
        • 立体的な画像を作る(数値計算より興味をもてる)
        • BASIC(大学入試センター試験、インタープリタ)
        • 一生に一度くらいやってもいい
        • 40人を一人で教えるのは大変
    • 3学期
      • Webサイトを作る
      • グループ発表
      • データベース
      • シミュレーション
  • 視聴覚教材
    • ディジタル進化論
    • NHKプロジェクトX「TRON」「ワープロ」「コンピュータ」
  • パソコン環境
    • Proxyサーバ(BJD)によりインターネットへの接続を制限
    • Wing-Net
  • その他
    • 生徒によって興味を持つ単元はまちまち
    • 道具をたくさん用意する → 具体的なイメージを持たせる
    • 選択科目ではPOV-RAYにも取り組んでいる
とても勉強になりました。
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わくわく授業「ロボット劇場にようこそ」

2007-11-21 | 教材研究
11月18日にNHK教育テレビで放映された「わくわく授業~わたしの教え方『ロボット劇場にようこそ~下山大先生の技術科~』」を観ました。

下山先生の八戸市立東中学校での「パペロボ」の実践でした。技術科と家庭科の協力で、幼稚園児と中学生の交流会でのロボット劇場。中学生は緊張しながら真剣にロボットを操作し、幼稚園児は楽しそうに見ていたのが印象的でした。

ロボット作りでは、先生が壁に貼った製作プロセスの写真を生徒が見ながら作業をしていました。この教材も先生が自作されたものです。全校生徒分の材料を準備するのも相当大変な作業だと思います。

最後に紹介された下山先生の言葉「ものづくりは人も心も育てる」を心にとめておきたいと思います。
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高等学校学習指導要領改訂に向けて

2007-07-26 | 教材研究
全国高等学校長協会から中央教育審議会に「高等学校学習指導要領改訂に向けて(お願い)」が提出されました。

------以下、引用------
2.「情報」「総合的な学習の時間」の問題
1)「情報」は生徒間の能力差拡大傾向で、2単位70時間の1/2、1/3以下の時間で習得できる生徒もかなりいる。日進月歩の分野で、指導教師充足困難の現状があり、特に小規模校では、教員異動後補充の非常勤講師すら見つけにくい現実がある。
対応策として、[「情報」は必修科目からはずして選択教科にする。
協議会参加のほぼ全員が、上記案を支持しています。
------引用ここまで------

何をもって「生徒間の能力差」と言っているのでしょう?
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デザインを中心としたものづくり

2007-07-23 | 教材研究
NHKスペシャル『デザインウォーズ~ケータイ開発の舞台裏』を見ました。世界で年間10億台販売されている携帯電話。その売れ行きを決めるのはデザインだそうです。実際、日本では80%が携帯電話をデザインで選んでいると言っていました。

これまでの携帯電話の開発では、新しい技術を開発することが優先で、デザインは最後に決められていたそうです。しかし、最近は開発の初期段階からデザイナーが関わり、機能優先からデザイン優先の開発に変わっていると指摘していました。番組では、前半にLG電子とNEC、後半にSony Ericssonでの開発の様子が取り上げられていました。

LG電子ジャパンの携帯電話は世界80カ国でヒットしており、世界シェア5位だそうです。この会社では、全てをデザインに合わせ、機能を下げてもデザインを優先する徹底ぶり。チョコレートフォンの日本版L704iの開発について描かれていました。

日本で以前、携帯電話のシェア1位だったNEC。こちらも機能優先の開発からデザイン優先へ変化しているそうです。

最後にソニー・エリクソン。世界中のデザイナーが集まり、次世代のデザインコンセプトを話し合っていました。

デザイナーが求めるデザインを実現するのも技術力。その技術力にもう少し焦点を当ててもらいたかったけど、今回のテーマとは違うので仕方ないですね。
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音木箱

2007-07-07 | 教材研究
今日は都立高校の情報科のK先生に授業実践のお話を聞く機会がありました。K先生はプログラミングの導入として使われた「音木箱」について紹介してくださいました。実物も持ってきてくださいました。

とても興味深く、MIDIの仕組みと似ているのかなぁと思いました。音のディジタル化の導入で使えるかもしれません。さっそく買わなくては! キットで売られているらしいので、ハンダ付けから授業でできれば面白いですね。費用の問題がありますので、今後検討したいと思います。
コメント (1)
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情報の科学

2007-02-20 | 教材研究
技術教育研究会会報「技術と教育」に「技術教育を語る会」の誕生に関する連載がされています。第397号(2007年1月)では、「語る会」誕生後の1年間について述べられています。

「基礎科学の法則を応用しながらも、工学・農学のように体系化され、独自の領域と構造を形成するに至っている。このような科学の領域は技術学と呼ばれる。技術教育の教育内容は、この技術学を中核とすべきである」「教授=学習過程の分析を通じて教材の系統性や子供の認識発達のすじみちを明らかにし、教育内容の現代化に進まなければならない」(生産技術教育分科会 1961年)

この論文において技術科について述べられているのと同様に、今、情報科は教科としての独自性を確立すべく、「情報の科学」を中核とし、情報科の内容を構成しなおさなければならないときではないでしょうか。さまざまな問題がありますが、このような方向へ向かっていくことを期待しています。
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RSA暗号

2006-11-27 | 教材研究
昨年作ったExcel上でRSA暗号を体験させる教材を改良(?)しました。昨年度のものは4桁程度の整数を暗号化するものでした。今回は、アルファベット及び数字(ASCII文字)を暗号化できるようにしました。VBAを使うと文字コードを調べられるので、その文字コードをRSA暗号化するようにしました。

下手なプログラムで恥ずかしいのですが、以下のようなものです。

http://proxy.f3.ymdb.yahoofs.jp/bc/4403dc8d_c72/bc/5e0f/RSA.xls?bcasqaFBLpfwfDAX

漢字やひらがなの文字コードをExcelで取得する方法が分からなかったため、ASCII文字しか暗号化できません。
コメント (2)
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Ethereal

2006-11-02 | 教材研究
授業で利用するため、パケットキャプチャソフト「Ethereal」をインストールしました。さっそくpingパケットをキャプチャしてみたら、Request、Replyとも「abcde...」というアルファベットが並んだテキストデータなんですね。おもしろかったです。

さっそく生徒にも使わせてみたのですが、こちらが想像していた以上に苦戦していました。プリントと説明のしかたをもっと工夫しなければなりません。

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