情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

産技学会 関東支部大会

2007-12-02 | 学会・研究会
横浜国立大学でおこなわれた日本産業技術教育学会第19回関東支部大会へ参加しました。

飯島先生の「3次元回転体図形のWeb学習システム」では、VRMLが意外に簡単に利用できることを知りました。

小久保先生の「教具としての公開鍵付き木箱の製作とその普及」では、イメージしにくい公開鍵暗号方式を木箱を使って体験する点が興味深かったです。千葉県総合教育センターに実際の授業の様子が紹介されています。

公開鍵暗号方式の特徴として以下のような点が挙げられます。
  1. 公開鍵と秘密鍵のペアを用いる。それぞれの鍵は異なる。
  2. 片方の鍵で暗号化したものは、もう一方の鍵でしか復号化できない。
  3. 片方の鍵からもう一方の鍵を類推できない。
公開鍵の教材で目にするのが、秘密鍵を「鍵」、公開鍵を「錠」とする方法です。確かに分かりやすいのですが、この方法だと秘密鍵で鍵をかけて、公開鍵で開けるという方法、例えば電子署名の説明ができません。

この教具では、2つの鍵を使い、片方の鍵で閉めると、もう片方の鍵でしか開けられません。2つの鍵を使うという点で、公開鍵暗号方式をより理解しやすいし、電子署名の仕組みの学習にも利用できます。ただ、以下のような問題点を感じました。
  • 開ける鍵と閉める鍵という区別がある
  • 2つの鍵が類似している
1つ目の点に関しては鍵に区別があるのなら、「錠」と「鍵」を使って学習する方法と変わらないように思います。2つ目の点は公開鍵暗号方式の特徴の3番目について誤解を与えかねないと思います。

ただ、実物で授業をするというのは興味をひくし、少なくとも自分がやっている授業よりはおもしろいと思いました。この実践をヒントに今後、よりよい教材を作れたらと思います。