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情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

授業アンケート結果

2024-02-28 | 情報科・授業
今日で今年度の情報科の授業が終わりました。あとは学年末テストを残すのみです。最後の授業に授業アンケート(無記名)を実施しました。

  1. 1年間の情報の授業はコンピュータのしくみを理解するのに役に立ったと思う
    • とてもそう思う 46
    • まあそう思う 44
    • どちらともいえない 5
    • あまり思わない 1
    • まったく思わない 1

  2. コンピュータやインターネットのしくみについてもっと知りたいと思う
    • とてもそう思う 22
    • まあそう思う 39
    • どちらともいえない 16
    • あまり思わない 17
    • まったく思わない 2
  3. コンピュータに関連した仕事はおもしろそうだと思う
    • とてもそう思う 16
    • まあそう思う 36
    • どちらともいえない 16
    • あまり思わない 20
    • まったく思わない 8
  4. 1年間の授業の中で最も印象に残っている授業・教材 (上位5つ)
    • ドリトル 59
    • ネットワークエンジニア 5
    • アルゴリズム 5
    • 通信実験 4
    • 2進数 4

いろいろな教材を使って授業をしているつもりですが、今年も圧倒的にドリトルでした。本校の生徒は自分で考えて作るのが好きみたいです。

以下、生徒が書いてくれた授業の感想です。
  • これからのIT社会を生きていくうえで重要な必要な基礎的知識を身につけることできてとても良かったです。他の授業よりも実際に機械に触れながら取り組むことができて非常に楽しかったです。
  • これからの時代を生きていくために情報の知識は絶対に必要だと思うので学べて良かった。また情報は今の生活に強く結びついていることから身近で分かりやすかった。授業楽しかったです。一年間ありがとうございました。
  • 1年間情報の授業をやって楽しかった。コンピュータ、インターネットなどの「デジタル」がどういったものでどういうものでできているのかもわかった。来年度の情報特論も楽しみ。
  • 元々数字に弱いためわからないこともたくさんあったが、紙コップの実験やプログラミングなど実際に体験することによって記憶にも残るし楽しむことができた。コンピュータの複雑な仕組みを知ることによって情報社会で生きる私たちが、これからより安全にインターネットを使うことができるようになったと思う。
  • 2進数が面白かったです。また、プログラミングを学んだことでスマホやPCのゲームなどをやりながら、ここはこういうプログラムなのかな、と考えを巡らせるようになり、楽しいです。
  • 座学で勉強したことを、実験やプログラミングで実践的に行い、授業の理解が進んだ。プログラミングは難しかったが、一つのゲームを作れたことで達成感を覚えた。インターネットのことやデータ管理のことを知り、これからの社会で必要とされることの意識が強くなった。
  • 一年間で本当に様々な授業があり、実践を通してわかることが多くあったので、毎回楽しく学ぶことができました。今までなんとなく使っていたインターネットやコンピュータも、この一年間で学んだことで沢山の知識を得ることができて、それらに対する認識も変えることができました。
  • 現代のネットワーク社会におけるコンピュータとインターネットの関係について学ぶことができて、とても充実した授業を一年間受けることができました。ありがとうございます。
  • コンピュータやインターネットについての正しい知識を身につけることで、トラブルなどにも効率的に対処することができ正確に・安全に付き合っていくことが可能だと学びました。
  • 情報分野を含む科学が発展することで私たちの生活は変化し、便利になる部分も多いですが、その分最先端の科学技術は一般市民にとっていわばブラックボックスになりかけているように思います。今年度の情報の授業でコンピューターやインターネットの仕組みを学んだことで、日々使っている情報が「得体の知れないもの」ではなくなりました。とはいえ、見た目で仕組みが理解できて誰でも自分で修理できる道具だけを使っていた狩猟採集時代に比べれば、人間は後戻りができないほど大きく変わってしまったなと思います。
  • 私が苦手なコンピューター系の授業は普通に苦手なので、絶対に楽しくないとか思ってたけど、実践の多い楽しい授業作りをして下さったおかげで、コンピューターが嫌いな割に楽しむことが出来て楽しかったです!
  • 最初は本当に何もわからなかったけど通信の話や情報のやり取りの話は自分に近い話だったのであぁ、こういうことだったんだ、と実感することが多く特に楽しく学べました。説明だけじゃあまりわからなかったところもビデオや教材のおかげで理解の手助けになりました。
  • ストレスなく楽しみながらプログラムやコンピューターの仕組みを学べたので受けられて良かったと思っている。共通テストの模試でもかなりとれたので学びになってる実感がある
  • コンピューターがする計算をなぜ手動でやらなければいけないんだということが多々あったが、コーンピューターの仕組みや、インターネットの仕組みを理解するのには役立った。当たり前に使っていたけど、仕組みを考えると少し面白い。
  • 自分たちの代から共通テストで情報が追加されるということで、どんなことを学ぶのかや、しっかり理解できるのかなど初めは少し不安があったが、様々な体験を通して楽しく学ぶことができた。学んだだけでなく、次の授業までの振り返りがあったことで、毎回学びや疑問をアウトプットできたことが自分にとってはよかったと思っている。

一方で、以下のような意見もありました。
  • フォームが途中から苦になりました

授業の振り返りをClassroomで回答してもらっているのですが、授業内にその時間を設けられないことが多かったのがよくないのだと思います。振り返りの回答も授業後半になると半分くらいしか回答してくれませんでした。
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高2「情報」前期第8回: リレーを使った演算回路

2015-05-22 | 情報科・授業
前回の授業では、リレーを使ってAND回路、OR回路、NOT回路を作成しました。この3つを組み合わせることにより、電気のオン/オフでさまざまな計算ができるはずです。今日は、リレーを使って半加算器を作ることを通して、コンピュータの回路の仕組みがわかることが目標です。

まず、授業の最初に、コンピュータの演算回路に使われる素子の変遷と、その仕組みを説明しました。高校2年生でもトランジスタや半導体について学ぶのが初めての生徒が少なくありません。

次に、半加算器の回路をリレーを使って組みます。自作の教材を使って班ごとに課題に取り組みます。いきなり半加算器を組むのは難しいので、小さい部分から回路図を考えます。最終的に半加算器の回路図を完成させます。ここまではできるのですが、いざ、基板を使って半加算器を組んでみようとすると、配線がゴチャゴチャしてしまってなかなかうまくいきません。すぐにできる班もありますが、授業時間内に終わらない班もあって、申し訳なかったです。
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高2「情報」前期第7回: リレーを使った論理回路の実験

2015-05-20 | 情報科・授業
前回、コンピュータ開発者の仕事をビデオで見てもらいました。そのビデオの中で最初に出てくるのは、富士通が開発したリレーを使った計算機。今回の授業では、池田さんになろうということで、リレーを使って回路を組み立てる実験をしました。ここで使用するリレーはOMRON G2R-1という、c接点1極のものです。コイル定格電圧はDC5Vなので、実験に使っても安全です。また、このリレーはケースが透明になっていて、内部の動きが良くわかります。このリレーを使った自作の教材を班ごとに用意しました。

まず、リレーの仕組みを理解するために、リレーの端子間の導通を調べる簡単な実験をします。その後、リレーのスイッチの動きを観察してもらい、なぜ電気が通る端子の組み合わせが変わるのかを理解してもらいました。

次に、リレーを使って、NOT回路、AND回路、OR回路を考えてもらいました。NOT回路は簡単なのですぐにできます。AND回路も何となくつないでいればできます。でもOR回路は直感で組むのは難しいです。きちんとリレーのスイッチの動きをイメージしながら組まなくてはいけません。それでも今年の高校2年生は、回路が得意な生徒が例年よりも多かったせいか、授業時間内にOR回路を組めていました。
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高2「情報」前期第6回: コンピュータ開発の歴史

2015-05-13 | 情報科・授業
前回はコンピュータの回路を考えようということで、1ケタの引き算をおこなう回路を考えてもらいました。今日の授業では、実際にコンピュータを開発しているエンジニアのことを理解することと、コンピュータの演算素子の変化、コンピュータの熱問題を理解してもらうことが目的です。NHKプロジェクトX 「国産コンピュータゼロからの大逆転」を観ながら、必要に応じて解説をしました。
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高2「情報」前期第5回: 回路図の作成

2015-05-08 | 情報科・授業
この授業では、AND回路、OR回路、NOT回路を適切に組み合わせて、演算回路を設計することを通して、コンピュータの回路設定者の仕事を理解してもらうことが目標です。

まず、簡単な穴埋め問題から取り組みました。答えが一つではないことがポイントです。

次に、引き算の回路を考えてもらいました。なかなかゼロから回路を考えるのは難しいです。でも、みんな一生懸命考えていました。

最後に全加算器について、考え方を説明しました。
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高2「情報」前期第4回: コンピュータの計算のしくみ

2015-04-24 | 情報科・授業
前回の授業のまとめで、コンピュータは電気のオンとオフで計算する仕組みだからこそ、正確で高速な計算ができることを確認しました。今回の授業の目標は、コンピュータが基本論理回路の組み合わせでできていること、基本論理回路の電気のオンとオフで処理する仕組みを知ることです。

本当に電気のオンとオフだけで計算ができるのか、まずは1ケタの2進数の足し算を考えます。2進数は1と0しかないため、足し算の組み合わせは4通りです。この4通りの計算をするのが半加算器。半加算器の回路図を示した後、シム回路で、シミュレーションしてみます。シム回路では、電気のオン/オフが視覚化されるので、わかりやすいと思います。

次に、この半加算器が基本論理回路である、AND回路、OR回路、NOT回路の組み合わせになっていることを説明し、それぞれの働きを説明します。そしてシム回路でシミュレーションします。また、これらを組み合わせた回路の演習問題をやってもらい、またシム回路でシミュレーションするという繰り返しで、電気のオンとオフを切り替える仕組みの理解の定着をはかりました。

生徒は、最初、回路と聞いて難しいと考えますが、授業後には、コンピュータは意外と単純な仕組みであることに気づきます。
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高2「情報」前期第3回: オンとオフの利点

2015-04-22 | 情報科・授業
前回の授業で、コンピュータは電気のオンとオフに数字の1と0を当てはめて計算をしているということを学びました。しかし、授業後に生徒に書いてもらった文章の中に、1と0だけでは桁数が多くなって計算が大変、10進法で計算ができるコンピュータができれば、もっと計算が速くなるという意見がありました。今日の授業の目標は、オンとオフだからこそ、コンピュータは正確で高速な演算処理ができることがわかることです。

授業では、まず、映画『天空の城ラピュタ』の冒頭部分をみせました。ムスカがモールス信号を打っているところの前後です。そして、プリントを配付し、モールス信号の説明、cw2wavを使ってモールス信号当てクイズをしました。希望する生徒に出題してもらいました。ここでわかって欲しいことは、短点と長点の2つだけだから長さの区別が初めての人でも可能だということです。

また、モールス符号の符号の割り当ての規則をグループでの話し合いで考えてもらいました。これはハフマン符号につながる話です。アルファベットの出現頻度をカウントするプログラムをExcelのVBAでずっと前に作りました。NewYork Timesのサイトから、昨晩のニュースをいくつかテキストファイルに保存してあったものを使って、アルファベットの出現頻度をカウントしました。

次に、グループごとに数を伝えるゲームをしました。1人がゼスチャーで0~9までの数を伝えます。伝え方を変えて2回おこないます。

このモールス符号と、数を伝えるゲームを通して、2つだけで伝えた方が正確に伝わることが納得できたでしょうか。
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高2「情報」前期第2回: コンピュータって何?

2015-04-17 | 情報科・授業
今日の授業は、コンピュータがすべての情報を電気のオンとオフで計算処理していることを理解することが目標です。

まず、世界最初のコンピュータの誕生と戦争が関係していたことを確認しました。そして、NHK「デジタル進化論」第3回「0と1はこんなに便利!?」の後半の、コンピュータの誕生の部分を観てもらいました。その上で、コンピュータが電気の流れで計算をおこなう計算機であることを確認しました。

次に、なぜ計算機であるコンピュータが、数字だけでなく、色々な情報を扱えるようになったか、それはすべての情報を1と0で表せることを説明しました。そして、パソコンの中にあるデータが本当に1と0になっているのか、バイナリエディタ「tsxbin」を使って確認させました。実際に1と0を書きかえると、元のデータも書き換わることを確認しました。

最後に、授業の最初に観たビデオの前半部分の、電気の流れで計算している様子を観させてまとめました。
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高2「情報」前期第1回: 学習をはじめるにあたって-「情報」の定義

2015-04-15 | 情報科・授業
今日から2015年度「情報」の授業が始まりました。本校では5年生(高校2年生)で週2時間の授業を実施しています。教科書は実教出版「最新情報の科学」です。授業では必ずプリントを配付して、それをノート代わりにしてもらいます。授業が終わったら提出してもらって、私がコメントを書いて、次回の授業で生徒に返却します。生徒はフラットファイルにとじておきます。そのためのフラットファイルを授業の最初に配りました。

1回目の今日は、1年間の授業の見通しを持つこと、情報の授業で何を学ぶかがわかることが目標です。最初に授業の進め方、評価について説明しました。

後半は、NHK総合「クローズアップ現代」2008年2月5日(火)放送『ソフトウエア危機 ~誤作動相次ぐハイテク製品~』を観ました。ソフトウェアの不具合によって、機器が誤作動を起こす事例や、そのソフトウェアに不具合がつくりこまれる背景について理解させることが狙いです。現在の情報社会においては、コンピュータが身近なところで利用されており、それらが不具合をおこすことがあります。原発の問題もそうですが、コンピュータのこともしっかりと仕組みを理解して便利に利用してもらいたい、だから情報の授業においてコンピュータやネットワークの仕組みについて学ぶ必要があることを話しました。最後に世界大百科事典の「情報」の項目を確認しました。「情報」という言葉は今では広く使われているため、意味もとても広いものです。だから、「情報」という言葉の定義を確認する必要があると考えています。
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授業検討会

2010-10-27 | 情報科・授業
今日は本校の授業検討会の研究授業で私が授業をしました。本校の授業検討会では全教員が研究授業を参観し、授業後に検討会をおこないます。東京大学教育学部の秋田先生と田中先生もお越しくださいました。

研究授業は5年生の「情報」で、テーマはアルゴリズムとしました。10月からドリトルでのプログラミングの単元に入り、すぐに教育実習を2週間挟み、またドリトルに戻ったところでした。研究授業のテーマをどうしようか悩みましたが、教室でできるグループ学習で、プログラミングにも関連することとしてアルゴリズムをテーマに選びました。

多目的教室という普通教室よりもかなり広い教室に机を並べて授業をおこないます。授業開始3分前くらいに行ったら、すでに生徒全員が椅子に座っていました。欠席者なし。本当にありがたいことです。生徒に感謝。

本時の到達目標は、(1)コンピュータにさせたい作業を手順に分けて考えられる (2)手順を工夫することにより、効率よく作業をおこなえることがわかることです。

授業では、数字を並べ替える作業を例に、その手順を生徒に考えさせます。並べ替えを選んだ理由は、コンピュータでのデータ処理において重要であり、よく知られたアルゴリズムがこれまで考え出されているからです。授業では、数字を印刷したカードを用いて実際に手を動かしながら並べ替えの手順を考えさせることにより、パソコンの苦手な生徒でも取り組めると考えられます。また実際の並べ替えの様子をパソコンでシミュレーションすることにより、アルゴリズムの違いによる並べ替えの効率の違いを視覚的に捉えられます。

授業の流れは以下の通りです。
  1. 表計算ソフトでデータを並べ替える様子をみせる
  2. 生徒を3~4人のグループにして、グループごとに並べ替えの手順を考えさせる
  3. 並べ替えの手順を考えた班には前に出て発表してもらう
  4. 生徒が発表した手順の効率に注目させる。効率のよい並べ替えの手順を考えさせる
  5. 表計算ソフトウェアにより、並べ替えのシミュレーションを実行する
  6. わかったことをワークシートにまとめさせる


まず、バブルソートと挿入ソートが考え出されました。代表者に説明させた後、より効率のよいやり方を考えてもらいました。最終的には選択ソートとクイックソートと数字の桁に注目して並べ替える方法が考え出されました。ほとんど良く知られたアルゴリズムが30分程度の時間で見つけられました。すごい発想力です。生徒たちのおかげで無事、授業を終えることができました。

授業検討会では、参観してくださった先生方から、生徒の活動の様子が報告されました。1人ではなかなか全ての班を初めから終わりまで見ることはできないので、とても勉強になりました。授業を振り返って、自分があまり見てなかったと思う班もあって、反省しました。他にも授業の課題等にも意見をいただき、参考になりました。

この学校にきて初めて授業検討会の授業者をしたのですが、とても貴重な体験になりました。頑張ってくれた生徒と、忙しい中参観してくださって先生方に心から感謝です!
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