情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

第2回次世代育成教育フォーラム

2021-12-11 | 聴講
今日は第2回次世代育成教育フォーラムに参加しました。オンラインでの開催です。

初めに内閣府「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(2021年3月26日)における教育・人材育成「⼀⼈ひとりの多様な幸せ(well-being)と課題への挑戦を実現する教育・⼈材育成」において、初等中等教育段階からのSTEAMについて触れられました。

次に「東京大学グローバルサイエンスキャンパス(UTokyoGSC)」について取り組みを紹介していただきました。プログラムの中の「STEAM型学習」が気になりました。最先端の科学技術をテーマにした動画を検索できる「ONG映像教材検索 ONG STEAM STREAM」は興味深いです。

埼玉県の協調学習の取り組みについても紹介されました。


木組み博物館 見学

2021-12-07 | 教材研究
今日は生徒と一緒に東京・西早稲田にある木組み博物館を見学させていただきました。



たくさんの木組みの見本などが展示されていて、しかもそれを触れて学べる都内では貴重な博物館です。
国営昭和記念公園・歓楓亭(かんぷうてい)が建てられる際の映像を見せていただきました。

以下、生徒の感想です。
  • 写真やCGで組み木を分解しているところを見るよりも、自分の手で分解した方が理解がより深まると思った。いろいろな角度から見ることでどのように溝が彫られて、互いの木がはまっているのかわかった。
  • パズルや木組みの分解はとても面白かった。木組み以外にも、和釘や彫刻なども展示してあり、様々なものを見ることができた。特に和釘は小学5年生の時に、国語で学んでいたため懐かしかった。実際に見ることができて嬉しかった。
  • 木材見本や銅屋根の模型があり、「実際にこれを使用して建物を作ったら…。」という想像や、薬師寺の建築の様子が分かるような写真や、実寸サイズの模型が展示されており、「こことそこが重なって…。」というような、想像ができて楽しかった。
  • 建物の建造の様子をDVDで見たが、そこでは多種多様な技術が用いられていて、プロの凄さを感じたし、建物の立派さにも驚いた。職人の知恵と技術がつめられてそう。
  • 鎌継なんかは、見ただけではなかなか仕組みが分からないので、四方鎌継などの作りが簡単ではないようなものも、実際に動かせて面白かったです。組まれたものを外していると、やはり「なぜこのような構造を思いつくのだろうか」と考えます。構造が複雑すぎる上、種類もたくさんあるので、わざわざこの構造である必要はあるのかと思いますが、場面ごとで使うほぞなどは違ってくるからあるのでしょう。
  • どの作品も断面が非常にきれいで、隙間がなく、丁寧に作られていることがよく分かった。こうした匠の技術が古来から現在にかけての木造建築を支えていることを学んだ。神社や寺などに訪れる機会があった際に今回の体験を思い出すと、見方が変わり、独特の趣を感じることができると思う。
  • 日本の建築作りに欠かせない瓦や漆など、普段あまり知ることのできないものも見学できたので良かったと思う。
  • 最終的に同じような形になるものも組み方がそれぞれ違って、一つの場面で使われる多くの部品の中にも持っている役割が違ったり、より強度が増すように改良が重ねられた結果なのだろうなと思いました。実際に近くで見て触ることでこの木組が実際に数多く使われてきたという現実感や、受け継がれている技術の重さを感じました。
  • 博物館では様々な種類の丸太が並んでいた。それぞれを持ち上げたり、押したりして見ることでその木の柔らかさや重さなどの違いがよくわかった。中にはマルタの中でも太いのに幹ではなく枝なものもあったりした。また木によって樹皮や色がぜんぜん違うことがわかった。


藤井総長による特別授業

2021-12-03 | 聴講
今日は東京大学総長である藤井先生による特別授業がおこなわれました。授業のテーマは「海を知るためのテクノロジー」でした。多数の生徒、保護者が参加しました。貴重な機会ですので、私も一緒に勉強してきました。



藤井先生はなぜ海について知る必要があるのかについてお話されました。地球は約71%が海で、海の深さは平均3,800mもあります。そんな広大な海ですが、わかっている海底地形はわずか20%しかないそうです。月の地形はすべてわかっているのと対比されていました。海の地形を2030年までに100%解明する取り組みが行われているそうです。壮大なプロジェクトです!

藤井先生は、海洋研究に携わるようになったきっかけを教えてくださいました。当時、一番深い海であるマリアナ海溝に潜ったのは2人しかいなかったそうです。それは1960年のことだったと聞いて驚きました。また、藤井先生が大学生の頃、沈没したタイタニック号が発見され、その映像を目にしたそうです。このようなきっかけで、海に興味を持つようになり、「海は月よりも遠い」ためテクノロジーが必要であると考えられたそうです。

藤井先生は、これまで取り組んでこられた研究についてもお話ししてくださいました。国際プロジェクトであるアルゴ計画では、関東平野に1個くらいの割合でしか計測できないということです。そこで、「誰でも参加できるようにすることでより細かく測定できる」とOMNI(Ocean Monitoring Network Initiative)プロジェクトに取り組まれました。また、Design-Led Xや、海洋テロワール構想の概要もお話ししてくださいました。

興味深いお話しばかりで1時間があっという間に過ぎてしまいました。