情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

LEDによる通信のための教材製作

2022-01-26 | 教材研究
高校教科「情報」の私の授業では、今、コンピュータネットワークについて学習しています。IPやRIP、DNS、暗号化など、さまざまなプロトコルについて教材を使って授業をしています。しかし、そもそもプロトコルとは何かということについては、教科書にはプロトコルの階層構造については書かれているものの、わかりやすく学べる教材がなかなか思いつきませんでした。過去の授業では、人間同士のコミュニケーションとコンピュータでの通信を比較して、プロトコルについて学ぶこともしましたが、何となくしっくりきませんでした。

荻野先生の『実験で学ぶ通信の歴史ver.1.3.2』を拝読していたところ、「LEDで通信してみよう」の授業がプロトコルを学ぶ上でわかりやすいと思い、自分の授業に取り入れてみることにしました。

左が試作したもの。右が今回製作したもの

タクトスイッチと電池ボックスを購入して、学校にあったLEDとカーボン抵抗をブレッドボード上に配置しました。生徒が使いやすいように配線の仕方を試行錯誤して写真の左のようなものを10班分作りました。今週の月曜日の授業では、このボードを利用しました。

授業の流れは荻野先生の授業をまねさせていただきました。生徒たちはよく話し合っていました。速く通信ができた班は1分を切りました。

授業後の生徒の感想は以下の通りです。
  • 班によって数字の通信手段が様々でおもしろかった
  • ライトの色の種類で番号を送信するという作業において、連打することは禁物であることがわかった。点灯の間隔が短いと読み取る側での処理が非常に難しく、余計に時間をくってしまうので、初めから読み取りやすいようにゆっくりやった方が時間効率がいいと考えられた。
  • 2班と同じ方法で行ったけど1回で読み取れなくて繰り返したら時間がかかってしまった。方法だけでなく正確に読み取る技術が大事だなと感じた。その点コンピュータはオンとオフが得意だから正確に速くできてすごいなと思いました。
  • 正確に情報を伝えるためには誤解のないシンプルなルールを作ることが大切だと感じた。また、区切りを伝える記号を作ることで、情報を伝えやすくなることを実感した。
  • 光で数字を伝える上で、1色に5を固定したり、色別に奇数偶然を決めている班があったり、様々なプロトコルが存在し各々メリット・デメリットがあることが分かった。通信では正確性と速さが求められることを体感した。


私の教員室にユニバーサル基板がちょうど10枚あったので、写真の右のように基板上に回路を作りました。次の授業から使います。
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