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情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

副学長授業「科学技術と社会」

2023-12-01 | 聴講
今日は東京大学大学院総合文化研究科教授の藤垣先生による副学長授業「科学技術と社会~つくる責任と使う責任~」を拝聴しました。SDGsの目標12「つくる責任・使う責任」について、藤垣先生の著書である『科学者の社会的責任』(岩波書店2018年)をベースにしてわかりやすくお話してくださいました。

広島・長崎への原爆投下の後、原子物理学者たちは「科学者の責任を明確に」しなくてはないないとして、「非軍事化と科学の民主的コントロール」が叫ばれました。この科学者の社会的責任についてフォージは「標準的見解」と「広い見方」があるとしました。「標準的見解」とは行為の結果に対して行為者が責任を負うのは、行為者がそれを意図していた場合であり、かつその場合に限るというものです。一方、「広い見方」は行為者がその結果を意図していなくても、十分予見されるに足る証拠がある場合には責任が生じるものです。藤垣先生はジョリオ・キュリーの研究や強毒性鳥インフルエンザ、Winny事件など身近な話題を例に挙げ、責任の2つの側面について説明してくださいました。

次に、つくる責任として科学技術政策のキー概念であるRRI (Responsible Research and Innovation)についてお話しされました。RRIとは研究およびイノベーションプロセスで社会のアクター(研究者、市民、政策決定者、産業界、NPOなど)が協働することを指します。東日本大震災と福島の原発事故を例に説明してくださいました。最後に使う責任についてお話ししてくださいました。
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第2回次世代育成教育フォーラム

2021-12-11 | 聴講
今日は第2回次世代育成教育フォーラムに参加しました。オンラインでの開催です。

初めに内閣府「第6期科学技術・イノベーション基本計画」(2021年3月26日)における教育・人材育成「⼀⼈ひとりの多様な幸せ(well-being)と課題への挑戦を実現する教育・⼈材育成」において、初等中等教育段階からのSTEAMについて触れられました。

次に「東京大学グローバルサイエンスキャンパス(UTokyoGSC)」について取り組みを紹介していただきました。プログラムの中の「STEAM型学習」が気になりました。最先端の科学技術をテーマにした動画を検索できる「ONG映像教材検索 ONG STEAM STREAM」は興味深いです。

埼玉県の協調学習の取り組みについても紹介されました。

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藤井総長による特別授業

2021-12-03 | 聴講
今日は東京大学総長である藤井先生による特別授業がおこなわれました。授業のテーマは「海を知るためのテクノロジー」でした。多数の生徒、保護者が参加しました。貴重な機会ですので、私も一緒に勉強してきました。



藤井先生はなぜ海について知る必要があるのかについてお話されました。地球は約71%が海で、海の深さは平均3,800mもあります。そんな広大な海ですが、わかっている海底地形はわずか20%しかないそうです。月の地形はすべてわかっているのと対比されていました。海の地形を2030年までに100%解明する取り組みが行われているそうです。壮大なプロジェクトです!

藤井先生は、海洋研究に携わるようになったきっかけを教えてくださいました。当時、一番深い海であるマリアナ海溝に潜ったのは2人しかいなかったそうです。それは1960年のことだったと聞いて驚きました。また、藤井先生が大学生の頃、沈没したタイタニック号が発見され、その映像を目にしたそうです。このようなきっかけで、海に興味を持つようになり、「海は月よりも遠い」ためテクノロジーが必要であると考えられたそうです。

藤井先生は、これまで取り組んでこられた研究についてもお話ししてくださいました。国際プロジェクトであるアルゴ計画では、関東平野に1個くらいの割合でしか計測できないということです。そこで、「誰でも参加できるようにすることでより細かく測定できる」とOMNI(Ocean Monitoring Network Initiative)プロジェクトに取り組まれました。また、Design-Led Xや、海洋テロワール構想の概要もお話ししてくださいました。

興味深いお話しばかりで1時間があっという間に過ぎてしまいました。
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明治維新以来の教育改革?

2017-05-17 | 聴講
今日は東京ビッグサイトで開催中の教育ITソリューションEXPO(EDIX)に行ってきました。



まず会議棟7階に上って、東原先生の講演を聞きました。東原先生は政府が「明治維新以来の教育改革」を実行しているとされました。その理由として「① 3つの改革が連動して進行 ② ICTの活用が重視される ③ プログラミングを導入」の3点を挙げられました。

①については、学習指導要領の改訂、教員養成・研修の見直し、高大接続改革(大学入試改革)の3つが同時進行でおこなわれているのが大きな特徴であるとされました。ちょうど、昨日、大学入試改革については方針が出されたばかりなので、ホットな話題でした。

②については、情報活用能力が言語能力と並んですべての学習の基盤となる資質・能力であるとされました。

③については「プログラミング(的)思考」を新しい時代を切り拓く能力だとされました。

講演のあとは、西展示棟に移動して企業ブースを見学しました。主に教務支援システムの動向を探ってきました。



15時からは再び会議棟7階に戻り、中村先生の講演を聞きました。中村先生は日本はGDPに占める教育費がOECD加盟国の中で最も低いことを示し、日本は公教育にお金をかけていないことを指摘されました。ICT教育が最も進んでいるのがシンガポールで、日本は遅れている、ウルグアイでは2009年までにすべての小学生に100ドルパソコンを配付した(ウルグアイの全小学生に配布完了)ということです。一方で、世界中のブログで使われている言語は日本語が37%で英語の36%を抜いて世界1位であり、平均的な情報発信量では日本は世界平均の5倍でダントツの世界1位だそうです。これから日本でも教育にICTが活用されるようになると話していました。

講演後は再び西展示棟に移動し、今度は学びNEXTのブースを回りました。

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「まじめにひたむきに仕事をしないと人の心はうてない」

2016-05-03 | 聴講
今日は世田谷美術館に行ってきました。芸術に全く縁のない私がなぜ世田谷美術館に行ったかというと、企画展「竹中工務店400年の夢―時をきざむ建築の文化史―」を観るのと、企画展に関連して、小川三夫棟梁の講演会があり、ぜひお話を聞きたかったからです。この企画展は6月19日までです。



12時に美術館に着いて、まず講演会の整理券をもらいました。70番台でした。講演会は14時からだったので、それまで企画展を観ました。入ってすぐのところに鵤工舎で製作した模型がありました。桔木などの軒の構造模型がわかりやすく、写真を撮れないのが残念でした。仕口の現物が置いてあって、木材の大きさや、仕口の精巧さに興奮しました。

そのあとの展示は、竹中工務店が手掛けた建物の写真と模型が主でした。

14時からいよいよ小川棟梁の講演「技を伝え、人を育てる」です。定員140名でしたが、座れるところが無いくらい満席でした。これまで小川棟梁の書かれた本を何冊か読んでいて、ぜひ生でお話を聞きたいと思っていたので、ご本人が登場された時には興奮しました。実際にお話を聞いて、本で読んだことをより詳しく理解できました。

お話を聞いて、宮大工でも学校教育でも共通することがあると感じました。小川棟梁は、「教えると甘えが出る」「教えない」「学ぶ意欲が出るまで待つ」「そのためには学ぼうとする雰囲気が無くてはならない」と話されました。「たくさん無駄をさせることで無駄を省けるようになる」ともお話されました。学校にもそういった環境づくりが大切なのだと思いました。

「まじめにひたむきに仕事をしないと人の心はうてない」

自分はまだまだ甘いと思い知らされました。これからも精進していきたいと思います。
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プログラミングラボinロッポンギ見学

2015-02-22 | 聴講
今日は、プログラミングラボinロッポンギを見学するため、六本木ヒルズ森タワーにあるGREEに行ってきました。このラボはNPO法人CANVASが主催する小学3~6年生を対象としたプログラミング教室です。この日の参加者は3・4年生を中心に12名でした。

最初に簡単な課題を考え、後半は参加した小学生が自由にプログラムを作りました。サポートする大人が1つのグルーブに1人以上ついて、子どもたちのやりたいことにすぐに対応できるようにしていました。最後に小学生1人1人が自分のプログラムについて発表しましたが、みんなとても良くできていて驚きました。
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カリキュラム・マネジメント指導者養成研修最終日

2013-02-22 | 聴講
今日もつくばは快晴! 「カリキュラム・マネジメント指導者養成研修」の最終日でした。

8時半から講堂での全体会。昨日、選ばれた5つの班が研修資料の発表をしました。どの発表もとても創意・工夫されており、おもしろかったし、勉強になりました。発表の最後に赤沢先生が各グループの発表について講評されました。

研修の締めくくりは「研修講師となるために」と題して長尾先生がお話されました。1時間という短い時間でしたが、とても熱意あふれる話で感動しました。「教師の専門職性はカリキュラム・マネジメントができること」「日本の教師は多くのことを引き受けてきた」「本来教師の仕事ではないことでバッシングを受けている」。元気をもらった気がします。

閉校式で終了。修了証書をいただきました。

長い5日間でした。
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カリキュラム・マネジメント指導者養成研修初日

2013-02-18 | 聴講
今日から22日まで、研修のためにつくばへ来ています。つくば市に来たのは2度目です。この研修は「カリキュラム・マネジメント指導者養成研修」です。教員研修センターでの宿泊での研修です。

今日は午前中に「これからの学校教育~カリキュラム・マネジメントの視点から~」について永井視学官が話されました。

午後は「カリキュラムマネジメントの基本とその役割」について田村先生が話されました。最後に班での情報交換をして終了。私の班は高校の先生5人と指導主事1人のグループで「総合的な学習の時間」を題材にカリキュラム・マネジメントを学びます。私からは本校の総合学習の取り組みを紹介しました。

他の先生の学校は、総合学習でキャリア教育をしているところもありました。私も前任校では、1年生で進路指導をしていました。高校の総合学習では進路指導が多いのでしょうか。学校によってさまざまな難しさがあることがわかりました。

受講されている先生方はとても意識が高いです。160人程度参加しています。参加者の多くは教育委員会の指導主事や各学校の管理職や主任教諭などです。教諭は1/4程度です。
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センシング技術

2010-12-02 | 聴講
今日は副学長である山田先生の特別授業「安心・安全を支えるセンシング技術」を受講しました。今回は「雰囲気コミュニケーション」と「ウェアラブルモニタリング」に関してお話してくださいました。

まず「雰囲気コミュニケーション」について。新しいコミュニケーションの形だと思いました。雰囲気情報端末「障子(SHOJI)」は、離れた相手の様子をさりげなく伝えてくれるようです。声からその人の感情を判別して、その情報をもう一方の端末に伝え、色で表現します。この授業に参加した生徒の何人かが、声による感情判別のデモンストレーションをさせてもらいました。現在は60パーセント程度の判定精度だということでした。

また「ウェアラブルモニタリング」について、「ウェアラブル血圧センサ」などのお話をしていただきました。常時、計測を行うことにより、医療に役立てようという研究のようです。

授業のあとは質疑応答の時間。生徒や保護者のみなさんから多くの質問が出されました。センシング技術を用いた研究。とても楽しい授業でした。
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情報に対する権利と責任

2010-02-10 | 聴講
東京大学総長 濱田教授による特別授業「情報に対する権利と責任」に参加しました。授業の内容は中高生にもわかりやすく工夫されており、参加した生徒とのやりとりもある、楽しい授業でした。

最初に「情報」とは何かということを確認されました。先生は、メディア、コミュニケーション、情報という3つの階層に分けられました。とてもわかりやすい分類です。「情報」というとメディアやコミュニケーションをも含むように考えがちですが、それらとは別に「情報」を一番下の階層に位置付けられました。私が考える高校情報科の対象は、この一番下の階層の「情報」です。先生は、今日の特別授業のテーマである法律の対象になるのは、コミュニケーションから上の階層だと指摘されました。

規制したほうがいい情報、流通しては良くない情報は法律により保護されている一方、必ずしも法律になっていないルールもあることも説明されました。

生徒にさまざまな質問をされました。学年によって答える内容も異なり、興味深かったです。「情報」って何と先生に質問されたとき、「1と0で表されたもの」って答えてもらいたかったなぁ... 「情報」とは「人間を離れて客観的に伝達・処理ができるようになった段階での」ものですから(『世界大百科事典』平凡社)。
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