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情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

2学期第21回 : 問題演習

2006-12-04 | 情報科・授業
試験前、最後の授業となりました。生徒たちはここまで長丁場でしたが、よく頑張ってくれたと思います。今日は、昨年度の期末考査の問題を配布して復習してもらいました。

解答を配ってくれという生徒が多くいますが、解答は配りません。昨年の問題を解けるようにすることが目的ではないからです。時間がないために単純に解答を暗記してくる生徒もいます。このような勉強は時間の無駄です。昨年度の問題を配るのは、それを見て授業プリントを復習してもらいたいからです。

結構てこずっていたようですが、本番はどうなるでしょうか。
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2学期第20回 : 公開鍵暗号

2006-11-30 | 情報科・授業
今日は、前回学習した共通鍵暗号から、公開鍵暗号へと進みました。授業の流れは以下の通りです。
  1. NHKデジタル進化論 第15回「わたしの秘密、大丈夫?」
    • 共通鍵暗号の問題点
    • 公開鍵暗号方式
  2. 公開鍵暗号を体験してみよう
    1. 相手に伝える文章を入力
    2. 文章を相手の公開鍵を用いて暗号化
    3. 暗号文をプリントに書いて相手に渡す
    4. 渡されたプリントの暗号文を自分の秘密鍵によって復号化
  3. まとめ
今年はビデオ教材を導入に使ってみたのですが、生徒には分かりやすいと好評でした。流れとしては、シーザー暗号の様子をビデオで見せた後、共通鍵暗号の問題点を生徒に考えさせました。鍵がバレてしまうという意見までは出るのですが、なぜ鍵がバレる可能性があるのかまでは思いつかないようです。もう少し時間をかけて話し合わせれば正解にたどりつけるかもしれません。

後半の演習では、最初におこなったクラスで大きな間違いがあったことに気づきました。公開鍵の一覧をExcelのシートに作成しておいて、別のシートで暗号化する際に、vlookup関数で公開鍵を取得するようにしました。しかし、公開鍵の一覧をキー順に並べなくてはいけないのを忘れていて、クラス、出席番号順に並べていたため、正しく暗号化できませんでした。復号化した時に全く意味の分からない文字になってしまい、大失敗です。

他のクラスでは無事、暗号化、復号化をおこなえました。生徒には意外に好評でした。ただ単にパソコンを使って何かをする作業だったからでしょう。

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2学期第19回 : 暗号化

2006-11-24 | 情報科・授業
通信技術の単元の最後は、通信に欠かせない暗号化について学習します。授業の流れは以下の通りです。
  1. 暗号化の必要性
    • コンピュータネットワークでのパケットの受け渡しの復習
    • ルータにおいてパケットが盗聴、改ざんなどの被害にあう可能性を認識する
    • 機密性が高いデータは暗号化する
  2. 共通鍵暗号を体験しよう
    1. 7×7のます目を画素として、白黒画像を描く
    2. 白画素と黒画素が交互に並んだ画像を「鍵」として、1で作成した画像と鍵画像の各画素をXOR演算する
    3. 暗号化した画像を記入した紙を別の生徒と交換する
    4. 2と同じ手順で復号化する
  3. まとめ
「鍵」となる画像を昨年度はランダムに作成して、生徒のペアごとに配りましたが、今年は全員共通の「鍵」を利用しました。その結果、以下のような問題が見つかりました。
  • 「鍵」の画像が左右上下対称のため、生徒の作成した画像が対称だと、暗号化した画像も対称性をもってしまう
  • 全員が同じ鍵を利用するので、送信相手と自分で「鍵」を共有するという共通鍵暗号の本質が見えにくくなった
  • 暗号化した画像を書き込む紙をプリントに貼り付ける際に、余分な部分をハサミで切り取る。その結果、教室内にゴミが散らかった。
今後、研究を深めたいと思います。
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2学期第18回 : WWW

2006-11-18 | 情報科・授業
インターネット上のサービスの一つであるWWWについて学習します。授業の流れは以下の通りです。
  1. WWWとは
    1. WWW
      • 直訳すると...
    2. WWWの始まり
      • 情報共有のしくみとして提案された
    3. WWWの現在
      • インターネット標準のドキュメントシステム
      • HTMLの利用
        • 広尾高校Webサイトのソース・スクリプトをみてみる
    4. ハイパーテキスト
    5. URL
  2. Webページの閲覧
    1. Webブラウザ
    2. Webページが表示されるまで
  3. Webページの作成演習
    • テキストエディタを用いて、HTMLを入力する
    • Webブラウザの表示
3のHTMLを利用したWebページの作成は、1のWWWの構造と、2のWebページの閲覧のしくみに関する理解を深めるためのものであり、Webページの作成がメインではありません。本日は学校説明会が午後にあるため、短縮時程でした。そのため、HTML文書の入力を最後まで終わらない生徒がいましたが、Webブラウザで表示をして終わりにしました。
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2学期第17回 : ドメイン名

2006-11-17 | 情報科・授業
前回、コンピュータを識別するものとしてIPアドレスがあることを学習しました。今回は、同じ目的で使用されるドメイン名について学習します。
  1. ドメイン名とは
    • IPアドレスはコンピュータが扱うものであり、32ビットで表される。人間は数字よりも文字列の方が扱いやすいので、文字列でコンピュータを識別するものとしてドメイン名が利用されている。
  2. ドメインの階層構造
    • 会社の階層構造
    • ドメインの階層構造
    • それぞれのドメインレベルの例と意味
  3. DNS
    • DNSの役割
      • ドメイン名からIPアドレスに変換する
    • nslookupコマンドの利用
      • DNSサーバに手動で問合せをおこなってみる
      • IEのアドレスバーにIPアドレスを入力して、Webサイトにアクセスする
JPドメインが日本を表していることを知らない生徒も少しはいるようです。
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2学期第16回 : プロトコルとIP

2006-11-15 | 情報科・授業
パケット化やルーティングの演習を通して、コンピュータ・ネットワークにおいては、さまざまな取り決めがあることを体験してきました。この取り決めのことを「通信プロトコル」というのですが、今回はまとめとして「通信プロトコル」について学習します。授業の流れは以下の通りです。
  1. 通信プロトコルとは
  2. 通信プロトコルの例
    • RIP (Routing Information Protocol
      1. 前回の授業でおこなった手順の確認
      2. routeコマンドを用いて、経路表を表示する
  3. IP (Internet Protocol
    1. IPの役割
    2. IPアドレスの情報量
    3. ipconfigコマンドを利用してIPアドレスを調べる
基数変換を久しぶりにやりました。ここでは「Subnet Mask」までは扱いません。計算を重視するのではなく、コンピュータには数字でアドレスがつけられていることを知る程度で留めたいからです。
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2学期第15回 : ルーティング・プロトコル

2006-11-10 | 情報科・授業
コンピュータのネットワークにおいては、ルータと呼ばれるコンピュータが各分岐点にあり、パケットを適切な経路に転送していることを学びました。このときルータは経路表を利用してパケットの経路を選んでいるわけですが、この経路表はどのようなものなのか、時々刻々変わるコンピュータのネットワークにおいて、経路表がどのように管理されているのかを学びます。授業の流れは以下の通りです。
  1. 紙上で経路表を作成する演習
    • 2人1組でルータ役をおこなう
  2. できあがった経路表と経路図を比較する
1番の演習はクラス全員の生徒が協力しないとうまくできないため、大変です。しかし、多くの生徒がまじめに取り組んでくれたので、少しの間違いはありましたが、なんとかできました。間違えた場合には、「正しい手順にしたがってやらないと通信に支障をきたすんだよ~」とか、次回のプロトコルの話につなげられるので有効です。
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2学期第14回 : パケットキャプチャとルーティング

2006-11-09 | 情報科・授業
前回の授業において、コンピュータではデータをパケット化し、コンピュータ間のバケツリレーによりデータ交換をおこなうことを生徒に体験してもらいました。今回の授業では、パソコンを用いて実際にパケットを発行することと、パケットの送信経路上のルータを調べることを目的としました。授業の流れは以下の通りです。

  1. パケットを送信してみる
    1. pingコマンドの利用
    2. パケットの中身を調べる
      • 「Ethereal」を利用してPINGパケットをキャプチャする
  2. ルーティング
    1. ルーティングとは
    2. パケットの経路を調べる
      • tracerouteコマンドの利用
      • 隣の人と比較する
1の2のEtherealを利用するのはさすがに高校生には難しそうでした。私の説明のしかたがうまくなかったせいでもありますので、もっと研究が必要です。せっかくインストールしたのですが、時間がなかったため、私がやってみてその様子を提示用モニタでみせる程度にとどめました。
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2学期第13回 : パケット交換

2006-11-06 | 情報科・授業
4回にわたり通信技術について学習してきましたが、今回から通信技術を基盤とした通信プロトコルについて扱っていきます。昨年度とは順番を変えて、1回目にパケット交換の演習をおこないました。授業の流れは以下の通りです。
  1. 「パケット」って何だろう
    • 携帯電話を見せ、携帯電話の明細に記載されている「パケット料金」の「パケット」って何だと生徒が思っていたか書かせる。
  2. 「packet」を辞書で調べよう
    • 携帯電話の英和辞書を利用して調べさせる。
  3. パケット交換の演習
    1. データを送る相手を決める。
      • ランダムに番号カードを1枚配る。カードに書かれた番号が、データを送る相手とする。
    2. 文章や写真が印刷された用紙(相手に送るデータ)とあて先などが印刷された用紙を配る。
    3. あて先などが書かれた紙に自分のコンピュータ番号(出席番号)と相手のコンピュータの番号(1の番号カード)を4ヶ所に記入させる。ハサミを回し、4等分させる。
    4. 相手に送るデータもハサミで4等分させる。あて先用紙と4等分したデータをテープで止めさせる。このとき、データの左上から順にIDを1~4とする。これがパケットとなる(写真)。
    5. 生徒が作ったパケットを回収する。生徒を輪になるように座らせる。
    6. パケットを受け取ったら、あて先を確認させ、自分宛てのパケットであれば自分の手元に残し、そうでなければ隣の人へ渡すようにする。
    7. 受け取ったパケットをIDの順番に組み立てるように指示する。
  4. まとめ
    1. パケット交換の特徴
    2. パケットの構造
本日は私立高校から3名の先生が授業見学に来られました。プリントの間違いも指摘されました。パケットのヘッダ部分のIPアドレスの代わりに生徒の出席番号を使ったのですが、「送信元」「あて先」の代わりに「自分の番号」「相手の番号」としたことで、かえって生徒に分かりづらくなったことを指摘されました。生徒が記入するときに分かりやすいようにしたつもりが、パケットを送受信する演習の際に、どちらの番号を見ればいいか生徒が戸惑う結果になってしまいました。ゆうぱっくの伝票を生徒に見せたほうがいいと言われ、なるほどと思いました。

その他にもそれぞれの先生方から意見をいただいたので、今後の参考にしたいと思います。

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タイ国の若手研究者が来校

2006-11-01 | 情報科・授業
本日、JICA青年招へい事業で1ヶ月程度来日されているタイ情報技術(IT)グループのメンバー30人ほどが、本校の情報科の実践を見学するためにいらっしゃいました。20歳から35歳までの若手の研究者の団体です。1時間目に1年「情報B」の授業見学をしていただき、2時間目に意見交換会をおこないました。全校集会が4時間目後にあるため、午前中は短縮40分授業でした。タイの方々と意見交換をする時間が短く残念でした。

2学期第13回の「パケット交換のしくみ」に関する授業をおこないました。生徒の数よりも見学者の数の方が多く、教室内は騒然とした感じでした。授業では特別なことをせず、いつも通りに進めました。短縮時程のため、授業が中途半端になってしまうかもしれないと思いましたが、子どもたちの協力によって無事終わりました。管理職からは「堂々としているね」と言われました。タイの方からは、授業の内容がタイの大学レベルのものだと驚かれ、それを高校生にも分かりやすく授業に取り入れていると評価されました。

意見交換会では、タイ国のコンピュータ教育の現状などを知ることができ、有意義な時間を過ごせました。タイの方々の質問攻めは厳しかったですが、笑顔で話を聞いてくださり、助かりました。帰り際に、たくさんの方からタイの心温まるお土産をいただき、感激しました。このような機会を得られて、都心の学校に来てよかったと思いました。以下に意見交換会で出された質問などを列挙しておきます。
  • 質問
    • ソフトウェアをどの程度教えているのか。
    • パソコンやソフトウェアを更新する予算はどの程度か。
    • CAIソフトウェアは利用しているのか。
    • e-learningを導入しているか。
    • 授業案のテーマはどのように選んでいるのか。
    • 「情報技術が社会に及ぼす影響」の単元では具体的にどのような授業をおこなっているのか。
    • 評価はどのようにしているのか。
    • 生徒の理解に対する指標はどのくらいか。

  • タイの現状
    • タイの高校では職業としてのWORD、EXCELの利用技術が中心。
    • カリキュラムは80パーセントが政府、20パーセントが地域で決められる。
    • 恵まれない国ではICTが重要な位置を占めている。しかし、ハードやソフトウェアを購入できない。ソフトウェアの違法コピーは仕方がないという研究者もいる。
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