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情報科授業研究

一般にはなじみの少ない高等学校普通教科「情報」の教育実践・教材研究について紹介します!

公開研究会

2009-02-14 | 情報科・授業
今日、本校の公開研究会がおこなわれました。情報・技術科の公開授業には、30名ほどの研究者、他校の教員、本校保護者が参加してくださいました。

私は2時間目に5年「情報」の授業をおこないました。例年、この時期はプログラムについて学習しています。前の時間に、オブジェクトとメソッドについて学習し、今回は、あらたなメソッドの定義についての授業でした。授業で使用する言語は「ドリトル」です。

前半は1つの例を元に、メソッドを新たに定義する方法を、生徒にプログラムのソースコードを入力しながら体験してもらいました。これを通して、メソッドを定義することの利点に気づいてもらいたいと考えました。授業の後半は、こちらが用意した課題に個人で取り組ませました。前半の内容はプリントに従ってやっていけばできる生徒が多いですが、後半は自分で考えなければできないので、多くの生徒がつまづいていました。他のクラスでこの授業をやったときよりも授業の内容を減らしたのですが、それでも終わらない生徒が多く見られました。

その原因は、今回の授業の内容に、メソッドの定義だけでなく、反復構造が含まれていたためだと思います。この二つは分けて授業をしたほうがよかったのではないかと後悔しました。

授業には、「ドリトル」の開発者である一橋大学の兼宗先生、設計者の一人である筑波大学の久野先生もいらっしゃいました。久野先生は、あまりにも私の授業がまずかったせいか、教室内を動き回って生徒のフォローをしてくださいました。

午後の教科別分科会「情報・技術科」では、元横浜国立大学の中村先生を助言者にお招きし、「中高一貫校における技術科情報分野と情報科の連携カリキュラム」というテーマでおこないました。情報・技術科の公開授業に参加された研究者、教員の方、17名が参加してくださいました。兼宗先生や、ドリトルを大学や高校の授業で使っていらっしゃる先生方が参加されており、色々なお話を聞けて勉強になりました。

H先生は、プログラムの授業では、生徒は失敗体験があるとしょげる、どんな簡単なプログラムでも成功体験があると楽しいと感じると話されました。その通りだと思います。これはプログラムの授業に限らないとは思いますが、「分かる」という体験が「楽しい」につながっていくんだと考えて授業をしていますが、今回のように失敗は尽きません。

参加者の中には、「情報」の授業でプログラムを扱うことに対して肯定的に捉えていないような方もいらっしゃいました。一生懸命、情報科に対する自分の思い話したつもりなのですが、まだまだ理解されませんね。

その他、兼宗先生に対して参加者から「ドリトル」に関する質問も出されました。兼宗先生のブログ『カメ太の日記』(2009/2/15~16)に、授業のことについて書いてくださっています。ありがとうございました。
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3学期第13回 : 計測と制御

2007-03-01 | 情報科・授業
この授業では、今までの制御実習を踏まえて、計測と制御の仕組みを学びます。授業の流れは以下の通りです。
  1. 制御とは
    1. 教科書を読む
    2. 人間がハサミを使うときの制御を考える
  2. 制御の流れ
    1. 制御の流れを図であ表わす
    2. 教科書のエアコンの例を図で表す
  3. さまざまなセンサ
    1. いくつかのセンサを例に、どのような用途で使われているかを知る
    2. 身の回りにある機械に使われているセンサを調べる
プリントを導入し、生徒がノートに写す時間を短縮できました。その分、内容を多くし、昨年までとは進め方を変えました。ただ、制御の流れのところはもう少し時間をかけてもよかったかもしれません。センサを調べるところでは、授業内で終わらなかった生徒の中には自主的に携帯電話等で調べてきた生徒もいました。
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3学期第12回 : フリーコース走行

2007-02-21 | 情報科・授業
この時間では、生徒に今までより長いコーディングを体験してもらうことと、試行錯誤しながらプログラム開発する体験をしてもらうために、フリーコースを作成し車を動かす課題に取り組んでもらいました。なかなかおもしろいコースを書いたグループもあり、ぜひ最後まで走破してもらいたいと思いますが、授業時間数が残り少ないのが問題です。生徒に「またやりますか」とか聞かれると、もっと時間をとってあげたいと思うのですが...
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3学期第11回 : センサによる車の動きの自動化(2)

2007-02-19 | 情報科・授業
この時間は前回の授業で取り組んだ発展的内容です。より対象が複雑になり、問題解決の手順をよく考えてフローチャートを書いていかないと、思ったように車が動きません。

前の時間の授業内容をよく理解できず、最初からお手上げになってしまう生徒も見られます。フローチャートを書かずにプログラムを書きはじめて、実は前回の課題を結果的にできたけどれども、よく理解できていなかったことに気づく生徒もいます。難しい課題に直面したら、黙って先生が答えを言ってくれるまで待つという様子です。このような生徒でも隣で見ながら書かせてみるとフローチャートをすんなりと書けることが多いです。間違えるのが怖いから書けないといったところでしょうか。失敗してもいいからチャレンジしてみて欲しいものです。小さい時から塾などで問題の解き方を詰め込まれてきた弊害なのかなぁと思います。
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3学期第10回 : センサによる車の動きの自動化

2007-02-15 | 情報科・授業
この授業では、光センサを利用して、車の前部に障害物があるかどうかを判断するプログラムの作成をおこないました。自動化簡易プログラム言語「オートマ君」(技術教育研究会)を使ってプログラム作成、「オート三輪」に設置された「運ぶ君」の光センサからの信号を利用します。授業の流れは以下の通りです。
  1. 光センサの働きを調べる
  2. プログラムを実行して動作を確認する
  3. 光センサを利用したプログラムを開発する
    1. フローチャートの作図
    2. 「オートマ君」でのコーディング
    3. デバッグ
最初の授業では、実習に対する説明が不十分であり、生徒がなかなか課題を進められませんでした。次の授業からは、説明の時間を設けた後、生徒が実際にプログラム作成に取りかかるようにしました。この方法だと、初めの方に説明したことを生徒が忘れてしまっていて、作業を始められない生徒もいました。説明をプリントにメモさせるようにした方がよかったかもしれません。

3のプログラム開発では前時までとは違って「判断」の構造が入るため、いきなりプログラムを書こうとしてもうまくいかない生徒が多いです。フローチャートを書くように言いますが、フローチャートの書きかたも十分に理解できていません。でも、めげずに考えるように指導しました。昨年度は、フローチャートの書き方から一組ずつ教えていたので、それに比べれば生徒自身で書けるようになったと思います。「課題に行き詰った生徒がどのように考えたのかを引き出すこと」、これは先週の4年次授業観察のときに小林先生から言われたことですが、それを意識して取り組んだつもりです。
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3学期第9回 : 車の動きを自動化 (4年次授業観察)

2007-02-08 | 情報科・授業
この授業では、入出力ボードに車を接続して、車の車輪につながったモータを動かすプログラムを作成しました。自動化簡易プログラム言語「オートマ君」(技術教育研究会)を使ってプログラム作成、左右の車輪にそれぞれモータがついた「オート三輪」を思いのままに動かしました。授業の流れは以下の通りです。
  1. 入出力ボードに車を接続する
  2. 車を前進させる
  3. ジグザグに動かす
  4. 方向転換する
  5. 自由に動かす
逐次処理のみですので、生徒は少し考えればすぐに車を動かせるようになります。実際に車が動くので、楽しんで取り組む生徒もいます。生徒には車の動きが遅いとよく言われます。

私は教員になって今年で4年目となりました。都立学校の4年目の教員には、「4年次授業観察」が義務付けられています。本日は私の授業観察に教職員研修センター研修部授業力向上課から小林先生がいらっしゃいました。また他の学校の先生3名がいらっしゃいました。

授業後に小林先生からさまざまなご指導をいただきました。特に指摘されたのが授業規律を維持することです。授業内容に関しては、対象を分析する際に、状態遷移図やUMLなどモデリングの手法を取り入れ、生徒にドキュメンテーションを書かせることが重要だと言われました。小林先生は都立高校工業科で電気を教えておられただけに、コンピュータのことをよく理解されており、勉強になりました。

また、教科「情報」の将来についても心配しておられました。他の多くの学校において、授業がワープロや表計算ソフトウェアの利用に終始している現状に危機感を持っていらっしゃるようでした。教科「情報」に関する他の理解が不足しているため、学校の先生方に教科「情報」の中身について知ってもらうよう取り組むように言われました。「情報」を科学的に捉えている先生が教職員研修センターにいらっしゃるのは心強く思いました。
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「情報B」 2学期まとめ

2006-12-25 | 情報科・授業
今日は2学期終業式でした。この4ヶ月間は、デンマークやタイから多くの方が授業を見に来られたり、中学生を相手に授業をしてみたり、文化祭では2年連続クラス劇に挑戦したり、大学や専門学校への推薦書を20通近く書いたり、いろいろなことを経験させてもらいました。

1学年「情報B」の2学期におこなった授業について無記名で感想を書いてもらいました。
  1. コンピュータの計算のしくみと論理回路について
    • エクセルの論理回路の演習がわかりやすかった。
    • 論理回路は本当難しかった。回路は分かりにくかった。
  2. 光通信の実験について
    • 光ファイバは、今いろんなところで使われているものだから、いろんなことを知れてよかったです。このことは絶対将来の役に立つと思った。
    • 光ファイバを使った実験は分かりやすくておもしろかったです。
  3. パケットなどの演習について
    • ルーティングの演習は分からないものが多かった。
    • けーたいとか使ってて、「パケット」って言葉をきくことが多くなっていつもパケットってなんだろう?って思ってました。だから授業で聞けてよかったです。
  4. その他
    • もっとパソコンを使った演習がしたい。
    • ためになることも、よく分からないこともあったけど、たのしい授業でした。
    • 実験とかが多くてよかった。
    • ゆっくり授業をしてほしい。
    • 情報ってあまり好きではないけど、2学期は実験とかが多かったので、わかりやすく学習できました。プリントもいつもわかりやすいです。
    • プリントよりもノートを使ってまとめたりすると、みんなも理解しやすいと思った。最後の2時間のビデオはおもしろかった。
    • プリントを使った授業のため、とてもわかりやすかった。これからも続けてほしいと思いました。
今後に生かしていきたいと思います。
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2学期第24回 : サイバー犯罪

2006-12-21 | 情報科・授業
2学期後半には、パケットやルーティング、WWWのしくみなどのコンピュータ・ネットワークのしくみを学習してきました。コンピュータ・ネットワークにおける情報共有は匿名ではないことを少しは認識してくれたことと思います。

今回は、インターネット上で起き得るサイバー犯罪に関するビデオを見せました。ポリスチャンネル「危険なアクセス」です。つい先日、メーリングリストにこのビデオの話題が流れたことで、この存在を知りました。生徒の中には平気でWeb上に個人情報を掲載しているのを見て、愕然としました。このビデオに出てくるような危険な目にあう生徒がいても不思議ではない状況です。このビデオを見て、少しはそれに気付いてくれるといいのですが。

ビデオを見せた後、Webへの架空の書き込みを用意しておいてそれを生徒に提示し、少人数のグループで話し合わせるといった展開も考えられたのですが、今回はできませんでした。

ビデオを見ている途中に、映像と音声がずれてきて、最後の方になると完全に映像が細切れになってしまい、「オー! マイキー」みたいと生徒は言っていました。
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2学期第23回 : コンピュータと回路

2006-12-20 | 情報科・授業
2学期前半にコンピュータの計算のしくみを勉強しましたので、今日はそのまとめとして、NHKプロジェクトX 「国産コンピュータゼロからの大逆転」を魅せました。40分授業ですので、ほとんど解説ができませんでしたが、生徒の多くは真剣に見ていました。

このビデオは、コンピュータの開発の歴史と、計算回路に使われる素子の進歩についてよくまとめてあると思います。最後の池田さんの言葉もぜひ子どもたちに見てもらいたい部分です。

「AND回路を書いていた」とか「感動した」とか、生徒の発言を聞くとうれしくなります。中には「いつもこんな授業にしてください」と言ってくる生徒も...
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2学期第22回 : 期末考査解説

2006-12-11 | 情報科・授業
期末考査の採点を終えました。私が思っていた以上にできていました。昨年度に比べて平均点が6点もアップ! 難易度を下げたつもりはなかったのですが... 得点分布は、1学期は2つのピークがある形になりましたが、2学期は正規分布になりました。上下の差がさらに縮まってくるといいですね。
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