への次郎が行く

カメラと地図を片手に気ままに出かけます。

浅見光彦『化生の海』   橋立

2024年06月14日 | ロケ地

加賀・越前を旅した際に訪れた橋立は、沢村一樹さん主演の浅見光彦化生の海』のロケ地でした。光彦はなぜ、橋立に行ったのでしょうか?

 

 

北海道に住む三井所剛史(みいしょたけし)が石川県加賀市橋立で遺体となって発見された。たまたま石川県を取材旅行していた浅見光彦(沢村一樹)は、剛史の骨箱を抱いた母娘に出会った。

その後、小樽で再会。そのとき、亡くなった剛史が大切にしていた人形を見せてもらった光彦は、人形を包んでいた紙に橋立村と書かれていたのが気になり橋立へ。も後を追った。

光彦と娘は、剛史の死を不審に思い取材を続けていた新聞記者と加賀市で会い、3人で橋立に向かった。

 

 

映像】 場面が橋立にかわると、赤瓦が印象的な集落が映し出されます。

この場面、どこで撮影されたのか地元の方に聞きましたが、分かりませんでした。

 

 

映像】 橋立に来た3人は、神社の前を通って向こうに歩いて行きます。

現在】 この神社は出水(いずみ)神社。3人が歩いている狭い道は、北前船の船主の豪邸が残っている通りです。

 

 

映像】 光彦と娘は新聞記者から、北前船による橋立の往時の繁栄のさまを聞きながら歩いて行きます。

現在】 右の建物は北前船主の邸宅の一つで、現在は蔵六園として公開されています。

 

 

ここまでの撮影は、橋立のオレンジ線のエリアで行われ、

ここからあとの撮影は、黄線のエリアで行われました。

 

 

映像】 新聞記者「明治の終わりごろに鉄道が発達して、(橋立は)急速に衰退したそうですよ」。

現在】 真ん中に見える高い松が植わっているところが北前船の里資料館。3人は右の方から資料館の前までやって来て、そこから方向を90度変えて、こちらに歩いて来ました。

 

映像】 新聞記者「いまはもう、廃墟になっているところも何軒かありますけど・・・」。

現在】 左側は、北前船主増田又右衛門の屋敷です。ロケ当時あった、手前の小さい小屋のようなものは、ありませんでした。右の建物は、ロケ当時と少し違っていました。

 

映像】 通り過ぎたあと光彦は、石段の上に顔見知りの人がいたような気がして引き返します。

現在】 増田又右衛門邸の石垣の石は、笏谷(しゃくだに)です。福井市で採れる高価な石で、濡れると青色に変色するそうです。

 

 

映像】 石段の上で掃除をしていた女性は、光彦が以前一度取材に来た際、きんつばをごちそうになった女性でした。

現在】 じつはこの女性、三井所剛史が小さい頃に剛史を捨てた実母宇戸佳代(元女優の深草千尋)だったのです。塀の様子は、ロケ当時と少し異なっていました。

 

 

このあとドラマは、三井所剛史殺害の真相に近づいた新聞記者が殺害される連続殺人事件に発展していきます。

 

この場面が撮影された橋立は、江戸後期から明治中期にかけて活躍した北前船の船主の邸宅など古い建物が残っていて、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

そんな風情のある集落でロケが行われたのは、2011年のこと。それから10年とちょっとしか経っていないので、橋立の古い町並みは、ロケ当時とほとんど同じでした。

                                 つづく