ロサンゼルスで、着物暮らし

太陽燦燦のロサンゼルス近郊で接する和なあれこれ。
LAに帰って来ました。肌寒い日が続いています。

K祖母の形見

2006年03月05日 | あわせ
仕立てあがった着物に袖を通す前にしつけ糸を抜いていると、何ともなくこれまでの経緯に思いを馳せるものです。今年になってから、亡き義父のものを義母が仕立て直してくれた夫の大島や、着付けを手伝った方の白生地から選んで染めに出された色無地のしつけ糸をとらせていただき、えもいわれぬ感慨を味わわせていただきました。
昨年世を去った父方のK祖母のたんすから出てきたこの着物は、年始の帰洛時に、お稽古着に丁度よい色合いの小紋だと船便に載せたものです。届いてから改めてみましたら、蜀江文に鳳凰や松が意匠された大きい柄行の江戸小紋とも思える地の部分に、麻の葉や更紗様の絵羽柄が思い切りよく染められていて、共八掛。そしてまだしつけが付いていました。
着物姿の祖母の記憶が殆どないほど普段は洋装の人でした。一体どのような帯を考えていたのやら見当もつかないまま、軽いかもしれませんけれど、手持ちの少ない中から白の塩瀬を合わせてみることにしました。この塩瀬はakeさまが、地味目を好む私に年齢相応のものを、と選んでくださったもので、大変重宝しています。帯揚は宝尽くし、帯締は朱色、ともにゑり善製。「お茶のデモンストレーション」のお正客役を務めさせていただきました。