はるばるブログ@信州四賀の里山暮らし

日々季節を送る農の暮らしは、まるで旅人です。田んぼに畑に、土手に畦、山川草木に虫の気配、花鳥風月、私の視線。

夏の芽生え

2006-03-30 23:25:20 | 有機の畑



トマトの芽がでた。
高さは、5ミリほどだろうか。

3月の下旬、真冬並みの寒気が再来しています。朝晩の外気にさらしてしまえば
あっという間に命萎えてしまうであろう、この芽吹きは、ぬくぬくと暖かな「床」で
育っている。

 

寒さに全く耐えられない、夏野菜の苗は、「踏み込み温床」の上で育てる。

山で集めた落ち葉、鶏糞、米ぬか、稲ワラ、大豆殻などを水分を加えながら
積み重ねたもの。
発酵熱が得られ、本格的に暖かくなる5月頃までかけて緩やかに温度が下っていく。

発酵物、水分、通気など、絶妙なバランスを要すのだろうが、先人の知恵を頂き、
利用することができるのだ。

左の写真がトマトの種。わずか2ミリほどだが、つまり食べる時に良く見ている
それである。毛羽立っている。

同じように、ナス、ピーマンなどもこうして育苗する。
キュウリやカボチャは、もっと寒さに弱いし、成長も早いので4月に入ってからの
種まきとなる。

この踏み込み温床のすばらしさは、まだ冷たい春先の朝晩のぬくもりだけでない。

苗がすっかり、畑に植えられ、もはや初夏となったころには、ちょうど良い、ただの物置台の様でもあるが、その「時」は無駄ではない。
様々な虫や分生物によって、分解中なのだ。

温床はその後、取り崩しビニールハウス外の露天で山積みして、放置される。
これが、1年から2年を経て、大変良質な、育苗用の腐葉土になる。

有機農業の縮図のようなローテックだが、懐の深い、裏切りのない技術である。

(追加)


一年近く経過した状態。(今年2月、撤去前) もう少し、分解が進んでからが
使い時。


体験!自給自足の家づくり

2006-03-27 06:52:01 | 時には寄り道

有機農業者らでつくる長野県有機農業研究会に入っている。
独立した組織で、会員が自ら組織運営している。そこで、様々な企画もある。

そんななかの企画
「自給自足の家づくり」 (現場見学とワークショップ「竹小舞かき」)
に先日参加してきた。いわゆるセルフビルド

施主のOさんは、自他共に認める「自給マニア」。
人物紹介は、省略させていただきます。ひとこと、とっても「いい人」です。
さて、

現場は、信州の南端地域、愛知県と県境を接するあたりの山村の
小さな集落の、またそのちょいとはずれ。
いや、その場に立てば、世界の中心です。
まさに、山と谷川と空に包まれた、暮らしの舞台でした。



セルフビルド。。。しかし、在来工法。
しかも、基礎から。さらに、5年目!(農閑期の2ヶ月ほどの作業のため)
地元の木を製材したものを用い、なんと、部材の「きざみ」も自身でやっている。
建築関係の参加者がぼぞっと。
「ホントの大工が嫌がることを丁寧にやっている。。。」

ただただ、関心するのみである。

説明や質疑のあと、たのしいお弁当をはさみ、ワークショップ。
土壁の芯となる「竹小舞かき」をつくる作業。



6間・2間半の建築中の現場に、素人20人ほどが、あたふた作業する
異様な光景。



作業が始まれば、だんだん、真剣に手仕事自体のおもしろさに
引き込まれていく。

おおよそ、出来上がってくると、なんだか、しゃれたカフェやバーのような
佇まいさえ感じる。
壁の芯なのに、土を塗られて見えなくなるのに、美しい。
いや、だから、土壁は温もりがあるのかも知れない。

3時を回ると、おのおの野菜の苗を育てている参加者達は、
ハウスを閉めたりしなくてはならず、仕事の切が悪いのに、
名残惜しそうに岐路に着いた。(なにせ帰るのも容易でない地なので)


非常に有意義なものを見せてもらった。
とてもまねをするつもりはないが、大きな影響は受けたと思う。

暮らし、仕事の場を造るということを、具体的に考えはじめたい。



 


苗の具合

2006-03-24 23:16:27 | 有機の畑


3/23、朝、再び銀世界。しかし、ぐっしょり、重い雪。
また、畑もなにもかも、ぐしゃぐしゃになってしまいます。

この日は、春の日差しが戻り、夕方には、ほとんど融けてしまいました。
水蒸気が地面から立ち上っていくのが見えるほど。



育苗ハウスで育つ苗たち。このシーズンの第一弾の苗たちです。





出来た野菜を、がぶりっと食べればそれまでですが、
一粒の種からゆっくり育つ姿は、立派です。

写真、何の野菜かお分かりでしょうか?
どれも、もう、本性が見えてきています。

ヤマアカガエル産卵

2006-03-22 23:51:14 | 農と生きもの達



この春、初めて、ヤマアカガエルの卵塊を確認した。
秋の関連日記

3/18午前、家の近くの田んぼで、カエルの卵塊を見る。
近づくことの出来ないところだったが、確かに3~4の産卵が認められた。

そして、その後はじめて(3/21)、自分の田んぼへいく。
水口回りの水溜りに、4~5の産卵。
かたまってしまい、正確な産卵数はわからず。
卵は、すでに、黒の一部に白っぽい部分が見えていた。

風で飛ばされた波板が卵にかかっていたので、「もしや」とどかす。
ヤマアカいました。しかし、すかさず、もぐり、捕まえることはできず。

卵塊の辺りには、氷も張っており、水は、手を切るような冷たさ。
カエルのエネルギーって不思議。変温動物なのに。
秋からのまず喰わずで。(水は飲んでるか。。。)
この時は、息子と一緒だったので、彼も卵塊の手触りを楽しんでいました。


手前味噌づくり(仕込み)

2006-03-20 23:55:53 | 農の暮らし

いよいよ仕込み。
実は、家族内でインフルエンザに次々と罹り、予定を1日延期した。





薪のかまどで大鍋を使い、大豆を煮る。
その間、仕込までの段取りを整え、煮え加減を常にチェック。
油断していると、急に、つぶしごろになって、煮えすぎると、
つぶしにくくなるので、気が抜けない。

豆つぶしは、専用の器械をつかう。かまど・大鍋、同様、不要になった方から
譲ってもらったもの。
手回しなので、体力勝負。疲れ果てないうちに、交替でやるのがいい。
(慌てたり、無理は禁物。)






出来上がっていた「米麹」と塩をよく混ぜ、
つぶした、豆と混ぜる。水分は、煮汁を加えて調節。

混ざると、いよいよ仕込み。
一塊を手に取り、空気を抜くように
「とんとん」とつきながら、「ぺんぺん」と叩きながら
レンガのような形に整え、樽にせーの「ぺしっ」と叩きつけるように
仕込んでいく。

終わるまでやる。どんどんやる。

ことしも、味噌を仕込みました。一安心。
明日は春分の日。日に日に、春めいて、畑に田んぼに、あわただしくなる。



畑、始動

2006-03-17 23:03:10 | 有機の畑


昨日16日、この春、初めて「耕し」た。

キヌサヤとスナップエンドウを、直播した。

移動性の低気圧が迫っており、天気予報をにらみながらの作業。

種まき後、保温の為のトンネルを掛ける予定だが、このときは、
猛烈な南風が吹いており、とても、ビニールを広げる作業は出来ず、
アーチ支柱まで。

仕事ををして、振り向くと、風景が変わっている。
野良仕事のおもしろい瞬間である。



上空も強風のようで、刻々と雲が変わる。
アルプス越えの気流のせいもあるようだ。



早春から本格的な春まで、何度か、こうした強風がある。
畑にいろいろ仕事を広げていくので、
その都度、不安になり、やはり、飛ばされたり。

手前味噌づくり(2日目)

2006-03-16 23:00:00 | 農の暮らし



米麹づくり。仕込み後、34時間後、3回目の切り替えし前の様子。

蒸したお米に、振りかけた麹菌が繁殖してしる。
プーーーン!と、独特の甘酸っぱい様な匂い。

温度も42度を保ち、まあまあかな。
もともと、参考プリントを読みながら、やっているものだから、
本物のいい状態や、過程というのを知らない。。。

でも、4、5年は、経験しているので、少しは段取りもなれて、少しずつ改善も
試みている。

この後は、麹の状態と温度を見ながら、「出麹」(終了)に至る。

肝心の「大豆」を、一生懸命、「選っている」
これが、スローな時間が必要な、大仕事である。


手前味噌づくり(1日目)

2006-03-15 21:44:34 | 農の暮らし



春恒例の、味噌の仕込みです。

1日目は、米麹の仕込み。


精米した白米を蒸して、40度ほどによく冷まし、
麹菌を混ぜます。

蒸しは、地区の農業加工施設の業務用蒸し器を使用します。
今回は、白米(乾重量30k)

その後、布巾に包み、さらに、紙袋(新品の米袋)に入れ、
さらに、全体を保温し、発酵を進めます。

夜、様子を見ながら、一度、切り替えしをします。
2昼夜ほどの工程ですが、麹の温度、水分、通気などを
気にしながら、「世話」をしていきます。

生き物をあつかうような仕事です。

麹の発酵適温が人の体温と近いというのは、とても、
何か、深いものや太古のエピソードなどを想像してしまいます。

下の子のインフルエンザが、良くなったとおもったら、上の子が発症し、
病院にいったり、看病したりと、大変落ち着かない、麹の仕込みとなりました。


ボカシ作り

2006-03-14 22:52:50 | 有機の畑



有機質の材料を発酵させてつくる、ボカシ肥料。
白く見えているのは、菌糸。65度くらいに温度が上がっている。

早春のこの時期、気温が適しているし、圃場での作業も本格化する前で、
絶好の製造時期だ。

育苗ハウスの空きスペースを利用して、3月から4月は絶え間なく、作っていく。

基本的に、身近に入手できる資材を利用しているだけだ。

基本的には、籾殻、米ぬか、発酵鶏糞(地区内のお付き合いのある平飼い養鶏農家さんより)といった3種類。

これらを、適宜分量を用意し、混ぜ合わせたら、水分を加える。
この材料の分量・水分は、経験から身に着けていく。
発酵しやすい資材なので、失敗も少ない。

こうして、肥料も自作すれば、心配もないし、成果も自己責任。

次は、自ら鶏を飼う段階かと、思っている。


鶏糞をもとまって分けて頂ける平飼い養鶏家Tさんが近くにいて、土づくりには、本当に助かっている。

そちらでは、飼料も考えをもって選ばれているし、発酵餌や緑餌も取り入れられているので、卵もいいものだし、鶏も元気だし、そして、糞も安心。
小屋の中で歩きまわる鶏達は、自ら糞も絶えず掻き回して、発酵するし、もともと、ポロリとした、健康的な糞。
肥料として分けていただくときには、サラサラになっている。


目覚めた蝶

2006-03-13 23:18:58 | 農と生きもの達


今日は、寒の戻りで、寒い一日であった。
子供がインフルエンザを発症した。春は、ひとっ飛びにはやってこない。

写真は3/11.この日は、暖かな1日で、自然と外へ出てしまう陽気。
家の周りの陽だまりでも、様々な虫が飛び交い、うごめいていた。

蝶がうごき始めた。

写真はテングチョウ

日向ぼっこしては、他の蝶が近づくと、執拗に追い払っていた。
テングチョウは数個体が容易に、見られた。

その他におそらく、ヤマキチョウ、か、スジボソヤマキチョウが、
レモンイエローの踊りで、まだ、冬枯れのままの景色に、彩りを加えていた。
たちまち、華やぐ。

あと、タテハ蝶の類一個体。(あっという間で、種は見分けられず)

寒の戻りで、一旦は飛び出した蝶や虫達も、また、身を潜めているのだろう。