はるばるブログ@信州四賀の里山暮らし

日々季節を送る農の暮らしは、まるで旅人です。田んぼに畑に、土手に畦、山川草木に虫の気配、花鳥風月、私の視線。

春への意思、地に映しつつ

2007-12-31 20:37:43 | 農の風景
極北から猛烈な寒波が大陸をすべり、流れ込んでいる。
傾いた地軸、公転と自転、擾乱と安定。
寒い。西方の山脈に重いねずみ色の、強大な雲が乗っていた。

さすがに日中でも地面が凍み固まっていた。
引き締まった年の暮れとなった。



この20日の麦畑の写真。
厳冬の麦の姿はいい。力強いとかいうより、洒落ている。
巨大なガトーショコラのトッピング。

麦の姿を見に立ったのだが、暮れるその日に立ち会う。



こんなひと時に身を置くために、農に入ったのかもしれない。
ただ、ホンの瞬景に立つために、やや急いで走らねばならない。

一瞬の無心を祈りに変えて。日付では、年が暮れ、年を迎える。




歳末、トラフィカビリティ災難

2007-12-29 22:31:48 | 時には寄り道
昨日の話ですが、危機一髪、不幸中の幸い的なデキゴトがありました。

今年最後の出荷日。なのに、天気はすっきりしない、下り坂。気持ちもサゲ気味。

そんな中、出荷作業中、雨が降り出す前にと、コマツナなど畑から当日収穫する
野菜の収穫へ。(冬期はほとんどの野菜が収穫し保管してあるもの)

その帰り道、片側が段丘の崖になっている農道で、軽トラックの前輪タイヤが、ぬかるんだ轍から脱輪し、あわや崖に転倒、転落か、というアクシデント。

いやー、災いというのは、ホントニ不意にやってくる。

後輪が軽く浮いていたから、大惨事も考えられた。冷や汗。
(現場は下記の当ブログ内写真の道の奥、木々に囲まれたあたり)
http://blog.goo.ne.jp/harubaru_2005/e/051143db230008322144e3453456129d

出荷作業中だったのに、頭の中は、事後処理モードを急遽ロード。
どうする、状況の詳細把握、使える備品は、援軍はいるか、???
「シドニー、出来るか?ジャック、任せて!」

まずは、徒歩で帰宅。しょんぼり気味に、妻へ報告。キャベツの外葉を剥いていた。


対応としては、トラクターでとりあえず引っ張ってみて、様子を見る。
しかし、それがきっかけで、転落するかも。
最悪なことに、トラクターは6kも離れた畑にある。。。
トラクターで30分以上。
出荷日にやることか?

その道は一本道で軽トラが道をふさいでしまって、もう片側も土手ですれ違えず、
背後に回りこめない。状況は最悪に思えた。確か雨雲も県境まで来ている。

しかし、隣接する養鶏所からひょっとして上がれる箇所があるかもしれない。
車では無理だが、トラクターなら。考えたこともなかったが、その場所を確認。
いけそう。養鶏所へ電話。立ち入りを許可してもらい、トラクターを取りに行く。

引っ張るには最適の場所がたまたま、空き地に。トラクターを配置して一端帰宅。

昼ごはんのチャーハンが出来たとこ。気を沈め、食べる。
子供の冬休み初日、保育園児は休んだので、家族で昼飯。

トラクターが引きずられるのではとの懸念を抱きつつ、着手。

案ずるより引くが易し。無事成功。ほー。

ついてねー、と思うな。この程度で、今年の厄が落ちつくしたと思え。

みなさんも、冬場のぬかるんだ農道、林道、ご注意あれ。

ねぎの掘り上げ

2007-12-27 00:27:56 | 有機の畑



いよいよ寒くなるかと、ねぎを掘り上げた日は、12月12日。
太陽が低い。
それでも暖かな初冬なのだろう。12月中旬にねぎ掘りは遅めだ。

寒さに当ったねぎは甘い。
「松本一本」という品種。



畝間にびっしりハコベのカーペット。(コハコベか)

冬の柔らかい日差しは、ささやかなものほど存在を照らし際だ出せる
気がする。

山の陰が午後に入るとすぐ迫ってきた。
吸い込む空気がヒンヤリ痛い。すごいねぎの匂い。

 


大根の冬越し

2007-12-22 17:52:28 | 有機の畑


(12/8撮)

今日は、西から低気圧が迫っている。雪か雨か、たくさんか降るかどうか。
自分の中では、今日が今年の冬の境界線のような感じ。
あわてて午前中は畑をトラクターで耕した。すべて終わらぬ。
少しでもこなしておく。春のスタートが違う。

12/8、その先に野菜のセット便に入れる大根をすべて抜き取り、
葉を落とし土中保存。

やわらかい冬の日差しが、大根の頬を照らす。まどろむ、はしりぐも。

週末なので強制圃場内学童保育。




日付的には、遅れている作業だか本気の寒波があまりないので
助けられている。

寒いのは苦手だが、仕方がない。春のため。



田のリズム、くりかえし

2007-12-12 21:43:12 | 農の風景



ころん。と、転がった稲の切り株。地に張った根の様子をとどめている。
稲を育み、あれこれ土づくりと言っている深さは、こうしてみると浅い。

それに引き換え、稲がその丈いっぱいに広がっていた空の無限さ。

田んぼ一枚。どこにも動かぬ地表と空に続く無限の空間。

そこにある変わらなく見える田んぼは、人の手入れと、自然のうつろいを受け、
田んぼであり続ける。変化しつづけることが、変わらない系を生む。

惑星表面の一片を耕す。

(11/26撮)

 


出版記念講演会です!

2007-12-05 23:36:17 | あいさつ・お知らせ



このブログでも紹介した書籍の出版記念講演会のおしらせです。

久野公啓さんが、「田んぼで出会う 花・虫・鳥」という書籍を出版されました。
田んぼの生き物の世界へ誘う、ステキな一冊です。
それを記念して、私達ひと・むしたんぼの会で、講演会を企画しました。
ここ数年、そしてこれからも久野さんが向き合っていく田んぼの世界を
久野さんの「マナザシ」から、楽しく紹介してくれることでしょう。

場所も伊那・農学部です。ぜひ、ご参加ください。
また、ひと・むしたんぼの会のパネル展も同時開催しています。

以下、会からの案内転載です。

■□□□
講演会「田んぼで出会う 花・虫・鳥」
講師:久野公啓氏(写真家・鳥類研究家・信州大学農学部OB)
日時:12月15日(土) 午後1時半~3時半
場所:信州大学農学「食と緑の科学資料館 ゆりの木」研修室
申込み不要・聴講無料

 同名の書籍が本年9月に築地書館から出版された。その出版を記念した講演会。
講師特有の飄々とした語り口で田んぼに暮らす生き物たちを美しい写真で紹介しな
がら、豊かな「自然」を育んできた百姓仕事の価値をアピールします。季節ごとに移り変わる田んぼのさまざまな表情は、そこに暮らす生き物とともに、私たちの心にしみ込んでくることでしょう。
なお、書籍に関しては下記アドレスを参照ください。(築地書館HP内)
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1354-8.html


■■□□
パネル展「ひと・むし・たんぼ」

会期:2007年12月10日(月)~21日(金) 12月16日休館
開館時間:午前10時~午後4時
場所:信州大学農学「食と緑の科学資料館 ゆりの木」
観覧無料
主催:ひと・むし・たんぼの会
共催:信州大学農学部・飯田市美術博物館

 ひと・むし・たんぼの会は、百姓とその周辺の人間による
農と自然を語り調べるグループ。
2002年から、伊那市を中心に活動をしている。
同名の展示会は、これまでに飯田市美術博物館、伊那市図書館、
東京池袋ジュンク堂書店、松本市乗鞍自然保護センターなどで開催している。
今回は、田んぼの生き物たちの写真、会員によるエッセイ、
水田の生き物の標本などを展示する予定。


白菜群に月の出

2007-12-01 00:10:23 | 有機の畑



白菜が良くできた。パンパンにしまって、虫も少ない。
巨はくさい、爆はくさい、大はくさい、激はくさい、いろいろあるぞ。

すっかり、日の短くなった。
冷え込みもこのところ中休みだが、
もう、冬越し野菜の取り込み限界になりつつある。

白菜、キャベツ、大根、人参、ネギと畑からあげて、それぞれの方法でもって
保存しながら、出荷したり、家事消費する。

畑でも寒さに耐えているかのような姿。
午後、畑に収穫に出ると、東の空に月の出。白菜の肩越しの。