稲穂も頭を垂れ始め、稲刈りが近づいてきました。
「出た?」「だめだね。」「えらい、さわぎ。」
シカやイノシシの出没が、ムラのあちこちで見られます。
うちもいっちばん出来のよさそうな田んぼにシカが何度か侵入し、
1週間ほどまえのある晩には、ひどく踏み荒らし、穂を食べるだか、
なんとも荒らしく生々しい痕跡を残してくれました。
きれいに稔っていた田を荒らされ、言い表しにくい悔しさと、
もっとやられてしまうのでは?という不安に取り付かれ、心穏やかでありません。
獣にとって生きる場は自然そのものであって、人の里など知ったことではないでしょう。
自分の不安と落胆は、我欲の裏返しで、自然はそれを露呈させてくれます。
ああ、そーです。
これ以上、許す訳には行きません。
この田んぼの仕事の成果にとても期待していたし、お米たくさん獲りたい。
2枚続きの田んぼを、紐と電気柵を設置してぐるりと囲みました。
まる一日かかりました。
コスト・効率とは別次元の世界が、山里の暮らしにはあるのです。
設置以後、進入の拡大はないようです。
まめな見回りをしなくてはなりません。