はるばるブログ@信州四賀の里山暮らし

日々季節を送る農の暮らしは、まるで旅人です。田んぼに畑に、土手に畦、山川草木に虫の気配、花鳥風月、私の視線。

ケモノ出る

2011-08-29 00:13:34 | あいさつ・お知らせ



稲穂も頭を垂れ始め、稲刈りが近づいてきました。

「出た?」「だめだね。」「えらい、さわぎ。」
シカやイノシシの出没が、ムラのあちこちで見られます。

うちもいっちばん出来のよさそうな田んぼにシカが何度か侵入し、
1週間ほどまえのある晩には、ひどく踏み荒らし、穂を食べるだか、
なんとも荒らしく生々しい痕跡を残してくれました。

きれいに稔っていた田を荒らされ、言い表しにくい悔しさと、
もっとやられてしまうのでは?という不安に取り付かれ、心穏やかでありません。

獣にとって生きる場は自然そのものであって、人の里など知ったことではないでしょう。

自分の不安と落胆は、我欲の裏返しで、自然はそれを露呈させてくれます。
ああ、そーです。
これ以上、許す訳には行きません。
この田んぼの仕事の成果にとても期待していたし、お米たくさん獲りたい。

2枚続きの田んぼを、紐と電気柵を設置してぐるりと囲みました。
まる一日かかりました。

コスト・効率とは別次元の世界が、山里の暮らしにはあるのです。







設置以後、進入の拡大はないようです。
まめな見回りをしなくてはなりません。


ひもあみ草原

2011-08-26 23:51:56 | 田んぼの仕事・有機の米づくり



青田風もらいてゆれるこうぞりな


ここ1週間は、梅雨のような天気でこんな光り輝く日が恋しい。
6月頃から咲く、コウゾリナですが、

田の土手の草刈りとともに刈られ、そのたび、開花が先送りされます。
水路に沿って、たくさんの黄色い小さな花が気に入って、
種をつける大きな株を刈り残すということを、数年続けてきました。
随分増えたものです。
プチ草原のお花畑。

田んぼは畦がつきもの。
これが張り巡らされていている日本には、大草原が潜んでいるとも言えます。


迷わないもの

2011-08-22 06:12:06 | 季節のうつろい



きゅうりをつくる雨除けのハウスの入り口付近に、ひまわりのこぼれ種が芽を出しました。
そのあたりに、モロヘイヤの畝があったのですが、ひっこぬくのをためらって、移植しよう
とおもいつつ、ぐんぐん伸びて手を出せなくなって。

あっといまに背丈もハウスよりも高く、花もたくさんつけました。
立派なひまわりを育てたいな、などと小さな夢を持っていたので、叶いました。




人懐っこい花というか、人格すら感じます。
うつむいている人どうしましたか?
上の人、あまり見つめないでよ。

夏空が恋しい空が続いています。畑にも入れません。


トマトの森のチビキノコ

2011-08-20 01:29:45 | 有機の畑



トマトの畝間には、キリワラや刈り草を敷きます。
そこに、先日、わーっと小さなキノコが出ていました。
このキノコ自体は、積んである藁や堆肥でよく見かけるものです。
なんだか、森の小道にいるような眺めでした。

藁や草を敷くと乾燥防止のみならず、土壌と相まって小動物や
菌類の住む環境を形成します。
ゆっくり、土壌を育むでしょうし、トマトも根を伸ばしなにか
やり取りをしているかもしれません。


藁?え、大丈夫?ほんと、最悪の世の中になりました。
自前の資材なので、汚染地から搬入されることはありません。
当地(松本市)近辺は、長野県などの検査結果から、土壌、藁など「不検出」の状態です。


「アレクセイと泉」(チェルノブイリのドキュメンタリー映画)を何年も前に観ましたが、
キノコ狩りのシーンを思い出しました。

いったん、事が起これば、山や川や草木や田畑は、空から降り注ぐものを
受け入れるしかありません。
もともと、世界は疑いのないものだったのにね。


朱夏

2011-08-17 23:35:16 | 有機の畑



トマトが熟れ、夏の色を教えてくれる。

最近、赤い食べ物は人気があるなあ。とふと思いました。
そう、トマトの話を出してなんですが、初夏の露地苺。
以前は作付けしていたのですが、ある年、草にしてしまって
絶やしてしまいました。
自家用からまた増やしていこうかな。
とても美味しいものができます。あー食べたい。

トマトにもどって、うちの娘(中一)はトマトが大好きとのことで、
先日、お昼ご飯のおかずをおまかせで頼みました。
すると、「トマトとたまねぎのスープ」と「トマトのサラダ」で、真っ赤な有様で
大うけでした。本人も言われて気付いて、受けてました。
それで、数日後、ハヤシライスの残りがあったので、サラダを頼むと、
「トマトとキュウリの角切りサラダ」と「トマトのハチミツがけ」を作りました。
まただー、と笑われてました。わざとでなく、思いつくまま作っているようです。

赤いおひるご飯、おいしかったです。




夏を占う

2011-08-01 05:43:02 | 季節のうつろい



このところ不安定な空が続いています。
早い梅雨明け以降、雨の少ない状況が続いていたのとは打って変わって、
毎日降る雨に、秋作の作業も本格的に入れないでいます。
草もあっという間に伸びてしまいます。

久しぶりに田んぼにしっかり水を入れられました。
稲は、茎にふっくら穂を孕んでいます。

山や川や崖や谷を形作った、もっと大きな変化の力を
風景の中から読み取ろうとしますが、うまくスケール感がもてません。
あらためて、平穏無事の奇跡にいることを思い知ります。

刈らねばならない夏草に、秋の野草がちらほら目に付くようになってきました。
ほんの少しずつ日の短くなるのを確かめる毎日。