シニアの一人たび

神奈川県大和市の歩行者専用道を紹介したHPを開設してます。
「歩行者専用道」を中心に「北米の旅」、「飛鳥Ⅱ」も併設

揺らぐ在宅医療/訪問看護ステーション 休止や閉鎖

2006-12-11 13:54:05 | 医学
  看護師不足 患者ら不安
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 在宅医療の足もとが揺れている。お年寄りらを自宅でケアする「訪問看護ステー
ション」。看護師不足から休止や閉鎖に追い込まれる事業所が目立つ。労働条件や
経営環境がもっとも厳しいところに、今春の診療報酬改定で、病院が一斉に看護師
増員に乗り出した影響が重なったとみられている。統合などの集約化で生き残りを
はかるステーションもある。今までと同じケアを受けられるのか。利用者には不安
が広がっている。

「来月からうかがえなくなりました」。千葉県市原市の「訪問看護ステーション 
ユー・アイ」の看護師らはこの夏、患者宅を回って、看護師不足で休止せざるを得
ないと伝えた。
 がんの妻を看病する男性は「ようやく看護師さんにも慣れて話せるようになった
のに」とこぼし、脳卒中の患者は「いつか再開してね」と頼んだ。
 所長の亀田ミナ子さん(59)は「患者さんのことを思うとつらい。人材さえ集ま
ればすぐにでも再開したい」と涙ぐむ。約40人いた患者は、地域の別のステーショ
ンに引き継いだ。

 訪問看護を始めて7年。非常勤を含む4人の看護師のがんばりで軌道に乗れ始め
た矢先だった。常勤の1人が6月に体調を崩し、代わりが見つからないまま、9月
にもう1人の常勤が病院に転職してしまった。募集を続けたが、「去年までは選べ
るほど応募があったのに、ぱたりと応募がなくなった。
            (2006.12.10 朝日朝刊/生活『その2に続く』)

病院評価制度伸び悩み/審査手順の煩雑さ理由?

2006-12-11 11:03:05 | 医学
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 病院の安全性や医療の質を第三者の立場から評価し、「お墨付き」を与える財団
法人・日本医療機能評価機構の認定制度が伸びなやんでいる。これまでに全国の4
分の1の病院が認定されたが、新たに認定を求める病院数は04年度をピークに減少
している。審査手順の煩雑さなどが理由とみられ、同機構は「このままでは制度が
形骸化してしまう」と見直しに乗り出した。

 制度は97年、医療事故が相次ぎ、医療への不信が高まる中で、患者が病院を選ぶ
目安にしてもらうため、国と日本医師会の肝いりで始まった。
 同機構の委託を受けた医師や看護師、病院事務経験者らが、申請があった病院を
訪れ、医療体制やサービスの質などを審査して認定書を発行する。認定を受けた病
院は看板などで患者にアピールできる。全国約9千病院のうち、認定病院は11月20
日時点で2238病院(24.8%)ある。

 申請数は、開始からしばらくは年120~130件だった。01年3月に規制緩和
で認定病院を広告掲載できるようになったことなどから増え始め、04年度は465
件に上った。だが、05度年は341件、06年度は170件と一転して減少傾向にな
った。

背景に、病院側の負担感がある。審査開始から認定まで、最短で4カ月程度かかる。
評価項目は病院運営から患者の安全確保など約500に上り、、原則すべてが5段
階で3以上の評価が必要となる。基準に達しなければ、最初から審査を受け直さな
ければならない。
 このため同機構は来年度から、病院側の負担軽減のため訪問審査から4~6週間
で中間結果を病院側に示し、最終結果の前に改善してもらう。必要なら、補充審査
も受けられるようにした。
                      (2006.12.09 朝日夕刊)

「自宅で最期」支援急務/年間死亡者 100万人超時代の在宅医療『その3』

2006-12-11 08:48:59 | 医学
  診療所・医師 足りず
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 現在、自宅で亡くなる人は約13万人。死亡者数がピークになると予想される38年
には、60万人するのが、厚労省の一つの目安だ。
 在宅医療を支える柱は24時間態勢で往診する医師を抱える在宅療養支援診療所だ。
4月から始まった制度で、届け出は半年で約1万カ所に上る。

 現状のままだと、各診療所が60人ずつ受け持った計算で、仮に3万カ所に増えて
も、20人ずつ看取らなければならない。支援診療所の数を3倍に増やすには、年間
600から700人の医師を32年間、養成し続ける必要があり、相当に難しい。

 支援診療所の医師と連携して、看護師を自宅に派遣する訪問看護ステーションの
設置数も伸び悩み、5700カ所しかない。看護師不足は在宅医療の現場でも深刻
で、状況は好転しそうにない。一方、国は、60万人を在宅で看取るには在宅医療の
充実と合わせ、自宅以外にケア付きの高齢者住宅などの整備が必要だ、としている。
         (2006.12.07 朝日朝刊/オピニオン『その4に続く』)