シニアの一人たび

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皮膚から万能細胞/京大教授らマウスで成功

2006-08-11 17:03:24 | 医学
  受精卵使わぬ手法
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 京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授と高橋和利特任助手は、マウスの皮膚細
胞から様々な組織に育つ「万能細胞」を作ることに成功したと、米科学誌セル(電
子版)に11日発表する。万能細胞は、病気や事故で損なわれた組織や臓器を補う再
生医療への利用が期待される。生命の萌芽である受精卵も、提供女性に負担をかけ
る未受精卵も使わない山中さんらの方法は、倫理問題回避の道を示す画期的なもの
で、世界的に注目されている。

 分割を重ねた受精卵(胚)から取り出す胚性幹細胞(ES細胞)は、様々な細胞
に育つ万能性を備えた細胞の代表格だが、受精卵を壊すことに強い反対もある。皮
膚細胞などの体細胞から万能細胞を作ることは、再生医療研究者の夢だった。

 山中さんらは、ES細胞で特徴的に働いている24の遺伝子に万能性のカギがある
と考えた。マウスのしっぽの皮膚から採取した細胞に、これらの遺伝子を組み込ん
で盛んに働かせ、万能性を示すかどうか調べた。遺伝子を一つずつ組み込んだので
はだめだったが、特定の四つの遺伝子を組み込むと、細胞はES細胞のような万能
性を示した。誘導多能性幹細胞(iPS)と名付けたねこの細胞をマウスの皮下に
注射すると、ES細胞を注射した場合と同様に、消化管のような構造と、神経組織
、軟骨組織が生じた。

 また、マウスの初期胚にiPS細胞を移植すると、体の様々な部分にiPS細胞
由来の体細胞が交じったマウスが生まれ、iPS細胞が胎児の形成に寄与したこと
が確かめられた。試験管内で、iPS細胞から神経細胞や心筋細胞、肝臓のもとに
なる細胞にそれぞれ似た細胞を作ることなどにも成功したという。
 山中さんには、すでに人の体細胞を使った研究に入っている。
(2006.08.11 朝日朝刊/1面)

あわや医療事故 18万件/薬処方・管の接続など

2006-08-11 08:36:17 | 医学
  249病院など昨年分調査
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 一歩間違えば医療事故につながりかねない「ヒヤリ・ハット事例」の報告が、全
国249の医療機関から昨年1年間で約18万3千件あったことが9日、財団法人「
日本医療機能評価機構」のまちめで分かった。全国には約17万5千の医療機関があ
り同機構は「表に出てこない事例は相当数に上る可能性がある」と注意を呼びかけ
ている。

 04年10月から始まった国の医療事故報告程度の一環として、事故防止に役立てよ
うと同機構が大学病院など249の病院や診療所の協力を得て調査している。
 それによると、昨年1年間の報告数は、18万2898件。薬の種類や量を間違えるな
ど「処方・投薬」に関する事例が最も多く、全体の26.0%に上った。次いで、栄養
補給のためのチューブ接続など「ドレーン・チューブ類の使用・管理」(16.2%)、
入浴や移動などの「療養生活」(12.9%)など。「手術」は1.5%だつた。

 具体的には,新生児が入る保育器の電源いったん切った後で、再起動の手順を間
違えたために保育器内の酸素濃度が下がった▽天井から吊り下げ式の点滴を吊り下
げる金具が患者の上に落ちた▽全身麻酔の機器のトラブルで、手術中に患者の麻酔
が覚めたために静脈麻酔で対応したなどの例があった。

 職種別では、看護師が76.7%で最も多く、医師は4.3%。また、配属年数ごと
に見ると、最も多い1年未満(24.8%)から3年目までで全体の約半数を占めた。
 医療事故に関する調査では、報告義務がある272の医療機関のうち、176
施設から計1114の報告があった。
                  (2006.08.10 朝日朝刊/総合)