田舎はよろし

本当に田舎暮らしが良い。お日様に合わせ、日がな一日中暮らす。気ままなものだ、

農業を魅力ある産業にするために(その5)

2023-02-23 18:34:45 | 自産自炊自消
自作農創設特別措置法というのがあった。
既に廃止された法律のようであるが、戦後の農地解放に絶大な権力を発揮したはずだ。はずだというのは、私が生まれる前の出来事なので実態を知らないということだ。小地主だった我が家も、そう多くない田んぼのうち、いくばくかの田んぼは取り上げられた。そして旧小作人の方に転売された。そういうことが国家の政策としてなされた。
そういう絶大な力で行った政策だから、今もって我が国の農業政策の根本はその呪縛から逃れられないでいる。
農業を産業として育てるという純粋な政策が立てられない。あくまで自作農を維持すること、それが大命題になってしまっている。
ところが現代、そうやって80年近くも守り育てて来たはずの自作農の方々のうち、どの程度の割合か確たることは分からないが、少なくとも私が知りうる我が地域のかなりの方々にとっては、もはや農地は精を出して耕作するような価値あるものではなく、休耕するか耕作放棄するか、人に貸すか管理してもらうか、まことに悩ましい存在に成り下がってしまっているのである。売ろうにも売れない。買い手がつかない。已む無く所有を続けて、固定資産税を払い続けるしかない。国に寄贈したくても国は寄贈するためのハードルを格段に高く設定しているので、事実上国への寄贈は難しい。迷惑とまでは言わないが、下手に相続させて農業をやったこともない自分の子や孫に継がせるのもいかがなものか。
農地は不動産ではなく完全に負動産とみなすしかない状況になってしまっている。
どうする百姓、どうする農家、いやどうしてくれる、農水省。
自給率も上がるわけではなく、このままの小手先のちょこちょことした農水省政策の継続だと日本の農業はますますブラックホールに吸い込まれていくしかない、そう愚考する。
農政の大転換を図るべきだ。
大胆な農地の流動化を図りつつ、例えば守るべき農業・農地と純粋に産業化すべき農業・農地とを分けるような、旧来路線とは全く異なる新たな発想で未来の日本のために、食糧自給率を向上させ、持続可能な地球環境の維持に貢献することこそ農政の王道ではないか。
自作農の維持という発想はもう時代に合わない。そう愚考する。
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