食糧自給率が3〜4割という国が、国内自給率を上げる努力を怠って、輸出を奨励するなど、本末転倒も甚だしい。
国内の農地はどんどん荒れ果て、農家は高齢化の末に朽ち果て、農村は打ち捨てられ、棄村・廃村で地方は衰亡。
それもこれも戦後一貫して巨額の予算を使いながら、結果的に何も出来なかった農水省の責任は小さくないものがある。
まさに前例踏襲・既得権益の岩盤に縛られた農水施策の悲劇だ。
自然保護の観点からすると、諫早湾のギロチンなどは、アマゾンの焼き畑に等しい酷い施策だった。
それによって、国家的に何がプラスとなったのか。地球環境的には、失ったものの方が遥かに大きい。
そして国内施策に行き詰まり、苦し紛れに輸出依存策に行き着いた。
そんなところだろう。
農業のやり方は2000年来殆ど進歩がない。水を引き田を作り、米を植え。
水は高い所から低い所へ流れ、田には肥料を施し、季節になれば種を撒き、苗を育て、太陽の恵みを頼りに成長を期待し、風や雨や気温などは自然のなすがままに翻弄され、虫や病気には対処療法を施し、収穫保存も2000年来一日、たいした進歩は見られない。
そうこうする内に日本的農業は国際的な経済合理性の中で競争力を失い、また、魅力的な食を生み出せず、伝統的な食は文化財に堕し、壊滅状態になってしまった。