田舎はよろし

本当に田舎暮らしが良い。お日様に合わせ、日がな一日中暮らす。気ままなものだ、

農地は農家に多大な負担となっている

2023-03-17 20:27:21 | 自産自炊自消

ついこの間まで、(多分ざっと20~30年くらい前まで)、農地や山林は確かに財産としての価値を有していた。農地を持っているだけで、山林を持っているだけで、それだけで財産だったのだ。

弥生時代ごろからのことなんだろうなと思う。二千年来この方、稲作開始とともに計画的な農地開発が始まり、農耕が始まり、農民が出来、農村が出来た。米作りはよほど我が民族と相性が良かったと見えて、米作りはどんどん文化を生み出し、発展させた。人口もどんどん増え、たくさんの外来移住者、帰化人や知識・文明をも迎え入れて立派な日本国を形成した。ざっくりと言ってそういうことなんだろう。

定住農耕社会はいつの間にか我が国の当たり前の社会是となり、米本位制国家を作り上げた。家屋敷田畑山林の財産価値とそれに基づく社会秩序が出来上がった。

第2次大戦後は地主制が我が国の間違いの元だと農地解放があり、ただでさえ細分化されていた農地がさらに細分化され、全国津々浦々、小土地持ちによる土地の分割所有体制が出来上がった。土地を財産とみなして小口に分割して民衆にばらまいたのだ。

戦後80年近いときが経った。今、農村では農地≠財産ではない。

少なくとも私が住む農村では、この農地制度に基づく田畑を、田畑として子孫に積極的に相続させようという姿勢は見られない。この80年の間に、世の中は大きく変化した。80年前に現役で農家だった世代はほぼ絶えた。今はその次の世代の70歳から~80歳の世代が高齢者ながら農業を続ける家は続ける、現在農業の主流世代だ。

その次の40歳~50歳の世代になるともはや現役農業世帯は希少価値となる。

その次の20歳~30歳になると、もはや戦後の農地解放という考え方がとおの昔に通用しない世代となっている。農村で農地持ちの農家でも、元農家とでも表現すべき世代となっている。彼らに農家という意識はない。職業を尋ねれば、普通にサラリーマン、教師、会社員、工員などという回答になるに決まっている。

農地はそうした元農家の手元にたくさん残されている。

この農地は、維持管理に大きな負担を伴う。農業の、のの字もやったことがない子供たちに、ただ元農家であるというだけで農地を相続させることは、固定資産税の負担もさることながら、さらに農地としての適正な維持管理を求めることは多大なる負担を強いることにほかならないという現実がある。

ここ数十年続く農政の現実離れした惨状~口当たりの良い場当たり的な政策の終始~は、上記のような現状に基づく確実な分析と見直し、地に足の着いた政策を行っていかない限り、不毛の連鎖の繰り返しとなって行かざるを得ない。

そう考えている。

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