論文騒動に思う「大道廃れて仁義あり」

地面にこぼれた種が時が来れば、自然と芽を出し、おひさまの光にあたり成長する。
論文なんか読まなくても、私たちはそれを知っている。

ましてや、その論文の論文マナーがてんでなっていないから、写真を切り貼りしたから・・、植物が土と水と光だけで成長するのは疑わしいと言わざるをえない・・・と目を三角にして言われても、戸惑うばかりだ。



　　　　　

山中教授「論文データ不備」謝罪(産経新聞) - goo ニュース

昨日ニュースを見ながら、ノーベル賞学者の山中教授が頭を下げている場面は、痛々しくて。なんで全国民の前で謝る必要があるんだろうか？

「大道廃れて仁義あり」こればっかりが頭のなかで渦巻く。
　
天の理が当たり前のように理解されていた時には、ことさら、仁とか義とか強調することもなかった。
しかしそれらが、失われ、不正がはびこりだした時、道徳を作り、「思いやりをもて」「国に忠であれ」とあえて学ばなくてはならなくなった。
それは時には有効に働くだろうが、ひとが作ったことは解釈の仕方次第で、意図的に利用もできるし、真実を見間違えてしまうこともある。
老子は暗にそういうことを批判していた。

科学者がなぜ科学者になるのか。すべての命を守る、幸せにする、その大道を科学が歩んでいれば、私はそれでいいと思う。
今回の、山中教授の謝罪など、何の意味も感じないけれど、あえて意味があると考えれば、このばかばかしさに気づいた人たちが、理性の壁をやすやすと乗り越えて、次の時代の科学の扉を開けてくれること、そればかりを希望している。