はるのほっぺ

備忘録です。仕事柄、政治の話題が中心です。

「地味な」議論の積み重ね

2007年05月19日 | 政治

 いよいよ国防、安全保障に関する本格的な議論が始まります。昨日、政府は安倍晋三首相も出席して、集団的自衛権行使の個別事例について研究する「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の初会合を首相官邸で開きました。
 安保法制懇が議論を重ねる内容は、時事通信<憲法解釈の見直しに着手=首相「安保体制構築に責任」-集団的自衛権、有識者会議>から、以下にポイントだけを抜粋します。
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(1)自衛艦と公海上で共同訓練などをしている米艦船が攻撃された場合の応戦
(2)米国など第3国に向かう可能性のあるミサイルの迎撃
(3)国連平和維持活動(PKO)などに参加中、攻撃された外国部隊を救援するための武器使用
(4)PKOなどに参加している他国の後方支援の在り方
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集団的自衛権行使について、個別事例ごとに検討するということで理解しておけばいいと思います。
 こうした政府の動きに対して、国会議員も積極的に動き始めました。昨日の安全保障委員会でのやりとりですが、こちらも時事通信<米狙うミサイルも迎撃可能=防衛出動時に個別的自衛権で-久間防衛相>から以下に抜粋します。
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 民主党の前原誠司前代表が
「(ある国が)日本を先に攻撃する。日本が防衛出動を発令して、米国に撃たれたミサイルを迎撃するのは集団的自衛権ではないか」と質問。
これに対し久間氏は、
「日本を援護してくれる米国がつぶれたら日本も危ない。個別的自衛権の延長だ」と答弁した。
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 久間防衛大臣の発言は「従来の政府解釈を発展させたもの」(防衛省筋)と記事にもありましたが、この質疑は久間-前原のナイスプレーだと思います。
 安保法制懇も大事ですが、あくまで政治主導で議論を深めることが重要です。塩崎官房長官が「国民の理解が深まってこそ」のような発言をしていたと思いますが、やはり国民の負託を得ている国会議員が国防、安全保障の現実的な認識を深めて活発に議論してもらいたいものです。
地味な議論の積み重ねこそが、大きな決断をするときの自信と安心に繋がると思っています。
 前原誠司も久しぶりに活き活きしているように見えます。安全保障のことではまだまだ民主党のなかにもスペシャリストがいます。
ちょっと脱線しますが、健全な野党がいるのも良いことなのです。反対、反対よりもよっぽど頼もしくも見えます。
 それにしても時代が変わったと思います。昨晩のテレビでも、石破茂元防衛庁長官が出演し堂々と国防を語っていましたし、かつては話題にすることもタブーであったはずです。
 建設、運輸、農林水産といった族議員がいましたが、これからの時代は国防族が国を形づくることになるのでしょう。

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