吉松ひろむの日記

高麗陶磁器並びに李朝朝鮮、現代韓国に詳しい吉松ひろむの日記です。大正生まれ、大正ロマンのブログです。

韓国旅のふうけい七十二

2006年06月20日 18時20分55秒 | Weblog
韓国旅の風景 七十二                             

 韓国タクシー事情
 二十数年前、韓国のタクシーは小型のポニーとコールタクシーと言うベージュ色の中型車の二種類だった。広い市内の道路の混み具合は想像をぜっするほどで、日本より信号は少ないがそれでも三車線、四車線もある道路は早朝から深夜までラッシュである。    人口一千万人のソウルのタクシー台数は、絶対不足の状況が続いている。しかし地方では釜山(プサン)仁川(インチョン)太邱(テェグ)光州(クワンジュ)その他人口百万都市では全く同じ事情で、その間隙をぬって走行するバス同士の競争も凄い様相をていしている。オリンピック前の地下鉄工事もすすんではいるが交通不便を解消するまでには至っていない。人口の少ない小都市では殆どが目的地までの料金は交渉で決まる。私は論山(ノンサン)駅前の十数台むらがるタクシーから一番安いタクシーを選んで扶余(プヨ)まで乗ったが料金差が三千ウオンもあった。                     ソウル市内では要所、要所にタクシー乗り場はあるが殆ど用をなさない。
 乗客はてんでに手をふってタクシーを止めようとする。しかも同じ方向かどうかドアを開いたまま確かめて方向が合うと相乗りとなり、料金はてんでにメーターの示したとうりに支払う。タクシーの運転はうまいというより乱暴とスピードでなれない日本人にはとても怖い。運転手の給料はすべて歩合制と距離制の併用だから無理もない話である。
 不思議なことに私が止めたタクシーは一人も韓国人がのっていなかったし、私が黙って乗ってもすぐ日本人と分るらしく、いままでたった一度だけ韓国人が乗り込んできた時があったが彼らが私を日本人と見破る眼力は百%にちかいのはなぜなんだろうと自問したが分らない。 
 ある日の事だ。H氏の運転手が風邪で休んだので市内タクシーをつかまえて、城北区郊外に差し掛かった時、一人の乗客を見て車は急停車、同じ方向なのでその客を乗せて走り出した瞬間、H氏は檄怒して車の急停車を命じた。…ウエグクサラン!こいつ野郎!と怒鳴った。呆気に取られた私に…外国人を乗せているのに失礼な野郎だ!と興奮覚めやらずに言った。