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国道11号丹原道路・・・幻に終わった西条市内のもう1つのバイパス

関連ブログ記事・・・2024/4/24付「愛媛県西条市内の2つの国道11号バイパスについて

四国地方整備局の公式サイトでは、2005年度以降の事業評価監視委員会の開催結果にアクセスすることができます。

https://www.skr.mlit.go.jp/kokai/project_evaluation/home.html

過去の情報を見ていくと、2009/3/12に開催された事業評価監視委員会開催結果の中に、「一般国道11号 丹原道路(再評価)」とあります。2024年度時点の国道11号においてこのような名称の事業は存在しませんが、名称からすると小松バイパスの西側に接続するように取れます。資料を開くと、だいたいその通りでした。

https://www.skr.mlit.go.jp/kokai/project_evaluation/h20/3rd/pdf/6.pdf

国道11号の西条市~東温市の間は「桜三里」の別称で知られる山越え区間で線形不良区間が多く、特に松山自動車道が開通するまでは交通の難所でした。これを回避するのと、1988年に愛媛県が計画決定した中山川ダムの建設により国道11号の一部が水没するため、ダム事業及び道路事業の合併事業として長さ5km程度のバイパスを建設する計画として1999年に「丹原道路」が事業化されました。

しかし・・・

その中山川ダムは2002年に事業休止となってしまい、丹原道路についてはバイパスルートから現道活用ルートに変更して事業継続を模索していましたが、ルート検討に必要な調査を行った結果、事業区間内の地すべり地の規模が想定よりも大きいことが判明し、2008年度時点では安定度評価のための動態観測を行っていました。そして、評価の結果、事務局案は「事業中止」となっています。理由は以下の通りで、地元自治体も中止はやむをえないとしています。 

① 地すべり地の安定度評価をするための動態観測等に時間が必要である。
② 調査・観測結果によっては、ルート・工法等の大幅な見直しの可能性がある。事業量が多大となる可能性が高く、現時点では事業期間および費用が不明確である。災害時等の迂回ルートとして国道 196 号がある。
以上の状況を勘案すれば、今後の調査・観測結果をふまえ、改めて対策方法を検討することが必要と考えられる。

ただ、ネット上では「丹原道路の事業が正式に中止になった」旨の情報にたどりつくことができませんでした。そもそも、桜三里の一部区間を水没させる計画だった中山川ダムの事業休止に関しても情報が実に少ないのですね(あるいは、ダム建設反対運動が皆無だったから?)。

さらに調べると、2003年度第5回事業評価監視委員会(2004/1/29開催)における丹原道路に関する資料が見つかりました。

https://www.skr.mlit.go.jp/kokai/project_evaluation/h15/dai_5/pdf/siryou_3.pdf

この開催時点で既に中山川ダムは事業休止が決定していましたが、資料上では「事前通行規制の解除・線形不良箇所の解消に向けて、現道改良(道路事業単独)を進め、平成30年代前半の事業完了を目指す。」となっており、バイパスルートはまだ取り下げていなかったようです。

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