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愛媛県西条市内の2つの国道11号バイパスについて

関連ブログ記事・・・2024/4/23付「新居浜バイパスの断絶区間が2024/4/27にようやく開通・・・東側はメドなし

国道11号新居浜バイパスの西端部は現道拡幅の4車線道路ですが、隣の西条市内に入っても4車線は続き、松山自動車道いよ西条ICへのアクセス道路と交わります。

その少し先で国道11号は二股に分かれますが、海側に向かう4車線のバイパス道路(国道11号西条市バイパス)は途中で国道としては断ち切られており、松山方面に国道11号経由で行く場合は、バイパスに入らず内陸部を通る現道に左折する必要があります。

バイパスのほうは、断ち切られた地点から県道13号<主要地方道>壬生川新居浜野田線に生まれ変わり、4車線から2車線に移行してそのまま西条市の臨海部を西に向かいますが、最終的に西条市小松地区の交差点で国道196号とぶつかります。

付近のGoogleMapはこちら

しかし、その交差点から先は再び国道11号扱いとなっており、このブログ記事を書いている時点のGoogleMapではストリートビューのない未供用の道路のようになっていますが、実際には中山川までの400m区間について「国道11号小松バイパス」として2023/9/23に開通しています。

https://www.skr.mlit.go.jp/matsuyam/pres/pres2023/pres/230721.pdf

これからは、西条市内の2つの国道11号バイパスについて解説していくこととします。

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ネット上で「西条市バイパス」と検索しても小松バイパスに関する情報しか返ってこず、Wikipedia上にも西条市バイパスの詳細に関する情報はないので、何故途中で断ち切られる形になったかは不明です。ただ、手元にある昭文社の愛媛県都市地図(1993年7月発行)で既に西条市バイパスは全面開通しており、その先の県道13号壬生川新居浜野田線のほうも全面開通済み(1993年時点では一部区間が東予有料道路だった)ので、かなり早い段階で計画変更があったのか、それとも最初から国と愛媛県とのコラボで整備するつもりだったのかは不明です。ちなみに、Wikipediaには「東予有料道路」の項目が存在しており、こちらによれば「1973/9/6着工→1978/5/1開通→2006/3/31無料開放」とあります。

一方、事業の進捗は牛歩とはいえ現在進行形の小松バイパスについては、複数の再評価資料が存在します。

1.平成17年度再評価結果(平成18年度事業継続箇所)

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/17sai/2_h17_060.pdf

冒頭に以下の文言が登場します。

「一連のバイパスルート(西条市バイパス・主要地方道壬生川新居浜野田線〔東予有料道路〕・小松バイパス)が開通することで、一般国道11号の交通量を分散させ、交通混雑の解消、高い死傷事故率の低下、沿道環境の改善が期待できると同時に、三次医療施設へのアクセス向上などを目的とした事業である。」

つまり、途中に長い県道区間はあるものの、全体として実質的な西条市内区間の国道11号バイパスとしての役割が期待されていたわけですね。

ただ、小松バイパス区間については1991年に事業化・都市計画決定され、翌1992年に用地買収に着手、1998年に着工したものの、2004年度末時点では全延長7.5kmのうち0.9km(2001年に供用開始済の今治小松自動車道いよ小松北ICの前後)のみ暫定2車線で供用しており、2007年度に1.1kmを延伸する予定となっていました。

2.平成22年度第1回 四国地方整備局事業評価監視委員会説明資料(2010/10/27付)

https://www.skr.mlit.go.jp/kokai/project_evaluation/h22/3rd/pdf/6.pdf

2010年時点では既に旧東予有料道路区間は無料化されており、主要地方道壬生川新居浜野田線部分も実質的な国道11号バイパスとして機能していました。しかし、小松バイパス区間については供用延長はようやく2kmのみで、残りの5.5km区間は西寄り・東寄りとも2009年度末時点では調査設計中で用地買収率はゼロでした・・・

3.平成25年度再評価結果(平成26年度事業継続箇所)

https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/25sai/2_h25_168.pdf

起点部(L=400m)区間についてのみ「平成24年度に地元設計協議を行い、平成25年度には用地調査に着手し、計画的に事業を進めていく」とあります。つまり、未開通の5.5km区間にあまねく力を注ぐのではなく、短区間ではあるものの周辺の交通の流れをスムーズにする高い効果があると考えられる400m区間に注力することにしたようですね。しかし、僅か400mにもかかわらず、実際に開通したのは再評価の9年半後でした・・・(上記で記した2023/9/23に開通した区間が該当)。

4.令和元年度第2回 四国地方整備局事業評価監視委員会説明資料(2019/10/11付)

https://www.skr.mlit.go.jp/kokai/project_evaluation/r1/2nd/pdf/03-3-1.pdf

このブログ記事を書いている時点では、4が最新のようです。

事業の進捗状況ですが、2015年度末時点では用地進捗率=約38%・事業進捗率=約43%だったのが、2018年度末時点では用地進捗率=約58%・事業進捗率=約61%になっています。つまり、起点部400m区間以外でも用地買収や調査設計は確実に進捗していたようですが、注力した400m区間でも残念ながら現地での着工には至らなかったわけですね。

そして、用地補償費が前回の評価時点から一気に22億円増えて54億円に達しています。理由は、「詳細な物件等の調査により、施設全体が不離一体の形態であることが判り、これを踏まえた移転補償を行う必要が生じたから」だそうです。

 

未開通区間は5.1kmとなりましたが、GoogleMapの航空写真を見る限り、西寄り東寄りとも道路の予定ラインがかなりくっきりと見えてきており、用地買収は相当進んでいるようです。立ち退きが済んでいない建物も皆無に近そうです。ただ、中山川を渡る橋も含め土木工事の着手には辿り着いていないようにも見えます。

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