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スクラッチ木造帆船製作日記と映画、スタトレなどあれこれです。

フレーム調整続き

2004年09月04日 | HMS バウンティー製作日誌
 説明書どおりフレームの調整を全て終わりましたが、船全体のプロポーションもかなり、現存する図面と違います。
 しかも、バウンティというのは、農場奴隷の食料として、西インド諸島にパンノキを輸送する任務の為に、海軍が輸送船を買い上げて改装した、特殊な用途の輸送船で、本来、艦長が居住する艦尾の特等席と、上級将校が会食する艦長執務室の部分が、全部、植木鉢に占領されて通称’ガーデン’と呼ばれる一種の温室になっています。カットモデルにするなら、まさにこの部分が見せ場のはずですが、なんと、この部分は中を見せない設計になっています。
 余談ですが、艦長室は、普通の艦だと、先任海尉(海戦モノの名訳者高橋泰邦氏の訳語を借ります)が入る部屋より更に下の普通だと准士官の航海長や士官扱いの外科医がはいる部屋に割り当てられています。本来海尉の入る部屋がある部分も改造されてガーデンになっているのです。
 この艦内配置のおかげで、反乱を抑止できなかった可能性があるようです。艦長室は、甲板から専用の通路を通らないと近づけないのが普通ですが、バウンティの場合は、あらゆる場所からアクセスが可能で、守りにくい上に、艦長のプライバシーが守られず権威が低下する一因となったようです。
 不平ばかり言っていても仕方ないので、作業は進めて行くものの、この際、思い切って、内部構造だけのモデルを別に製作してみようかと考えています。偽装も外板もない中身だけのモデルは、あまり見かけませんし、作業が重複することも無いので無駄もなく、ストレス解消には良いかもしれません。艤装とかはないものの、ビルジポンプやライトハウス、ライディングビットまわりや、ホース(錨をつなぐ太いロープ)関係など、見せ場はたっぷりあるし楽しいかもしれません。
 ディアゴの方は、外観に力を尽くし、カットモデルで見える部分を覆ってしまうか、’ベシア’(バウンティに改造される前の状態)当時の状態にするか、何か方法を考えることにします。
 ディアゴの目玉である模型は非常に出来の悪い粗悪な考証もへったくれもないひどいものですが、添付されてる小冊子の歴史の方は、初心者向けとして非常に良くできた内容で、落差の激しさに驚きます。
 

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