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スクラッチ木造帆船製作日記と映画、スタトレなどあれこれです。

Fubbs DAY72;キールの製作

2007年07月28日 | Fubbs 建造日誌

●フレームの接合 1~31番フレームまでの外側下磨き終了。
 基本的に、外側のほとんどの部分の下地磨きが終了した。キール接合部の整形と磨きはまだ。キールに合わせて行う。また、32~37番フレームの接合とベベルつけは、デッドウッドとの噛み合わせの関係上、船体のキールとの接合部の整形が終了してから行う。
 船体内側の磨きだしは、明日の予定。

●キールの製作 終了。
 表題写真は、工作中のキール。ルーターテーブルを使用して、釣鐘型の断面を削りだしている。手前のクランプした板は、フェンスとの間で材料を押さえて、一定の深さに削り込めるようにするためのもの。長いものの工作にはこれがないとかなり難しいことがわかった。今回は間に合わせで工作したが、今後、レールのモールディングや、側面成形など、長い門を工作することも多いので、近いうちにテーブルを改造してクランプしやすい改造と、懸案事項であるミニター取り付け用のマウントを制作する必要が出てきた。また、テーパーをつけるために便利なフェンスも制作する必要がある。
 パーマーフィム材をはじめて使用した。工作した感じは柘植に似ている。目立った木目がなく、木目が細かい。磨くとかなりぴかぴかする。色も黄色がかっていて、これまた柘植に似ている。きっと同じ種類の木なのだろう。柘植と異なるところは、軽い感じがするところ。また削った感触では、柘植よりは柔らかい感じだ。
 


完成したキール。下が張り出した形状をしているので、削りだす必要があった。また、テーパーが付いており、張り出し部は、艦尾ではなくなっている。
図面に従って製作したところ、船体に比して思いのほか薄くて驚いた。これでラベット(船体外板がキールに噛みあう溝)をつけたら、船体との接合部は1ミリ幅も残らない。図面では、ラベット部のキール幅は0.8ミリである。これでは流石に弱い上に、見た目にもおかしい。図面の誤りのような気もするが、反対する根拠もないので、このまま製作をつづけることにしたが、ラベットは省略することにした。流石に接合部が0.8ミリでは、実際問題、強度が不足しすぎる。ラベットなしでも1.2ミリもなく、十分不安を感じる弱さだ。



テーパーが付いて、キール下の張り出しがなくなってゆく部分。張り出しが薄くなるにつれ、張り出し部の高さが上がって見えるのは、張り出しが釣鐘型の断面をしているため。
 艦尾部分では上下方向にもテーパーが付くが、こちらのテーパーはまだ付けていない。このテーパーは、ライジングウッドとデッドウッドを取り付けてから、一度に工作する。



分かりにくいが、釣鐘型に削ったキール中央部の側面。この断面は、ステムの接続部から先にはついていない。
 艦首部品の製作にはステムが必要になるので、ライジングウッドと、ステムの製作に取り掛かる必要がある。
 その後、艦尾の6フレームを組み立てて、トランサムに取り掛かる段取りだ。
 


●Fubbs解説本 P566まで、全体の90.6パーセント終了。あと76ページ。
 ようやく、彫刻のパートが終了。あとは、彫刻の補遺を残すのみ。大半が意味のない記述。おまけに、彫刻用の型紙と称する絵が実にひどい。これを型紙として公に出す度胸にも驚くが、なにより、この人の型紙とは比較にならない画力で描かれたタカキャンの絵をかなりけなしている。型紙だけがひどいわけではなく、彫刻の作例もお粗末な出来栄えだ。生まれて初めて彫刻する人を10人集めて作らせて下から三番目くらいの出来栄えである。基本的なアプローチは間違ってはいないし、アカンザスの葉とか、渦巻き模様とか、人物以外はそれほどひどくないが、人物像は壊滅的に下手糞だ。こんな写真や作例を見て作ったりしたら、永久に上達しない気がする。
 SWAN級の作業図面を分けてもらった時に1000枚近い製作中の写真をつけてもらったのだが、フレームの接合部といい、表面の仕上げといい、人間業とは思えない精緻な出来であった。こういうすぐれた作例を見てはじめて参考になると思う。残念ながら、まだ船体のフレーム組み立てが終了したところなので、彫刻類の写真はないが、他の作品を見ても、実にすばらしい出来なので、今から完成が楽しみだ。2年後には、完成する予定ということなので、完成したら、残りの写真も分けてもらおうと考えている。
 
 まあ、あと10ページほどご託に付き合ったら気持ち悪い彫刻の解説も終わりで、あとは細かい艤装品周りだ。さっさと片付けて、もう少し実のあるものを翻訳したいところだ。
 まあ、解説のコンセプトは手取り足とりで、親切そうだったのだが、図は不正確だわ、技量は低いわ、気持ち悪いわで、直接には役に立たなかったと言ってよいだろう。ただし、一通りの作業について細かく書いているので、そのやり方に不満を持つことで、自分なりの作り方を固めることができた効果は大きい。


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