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スクラッチ木造帆船製作日記と映画、スタトレなどあれこれです。

機械じかけの小児病棟

2007年03月29日 | 映画
この邦題もひどいもんです。これじゃ、跨ぐ人も多いかも。内容は、邦題とは異なり、良い出来の映画でした。
 原題はFragiles(こわれもの)。物理的には病気の子供や、寓意的には話の核心部分を表したよいタイトルだと思います。主演は、アリーmy loveのカリスタ・フロックハートと、ヴァン・ヘルシングでドラキュラやってたリチャード・ロクスボロー。彼は今回は、善玉で人間の役です^^;
 舞台は、イギリスのワイト島ですが、映画自体はスペイン資本でスペインのスタッフが撮ってるスペイン映画です。
 この邦題では、どう見てもダメ映画って雰囲気ですが、内容は、非常によくできたホラーです。アジア・ホラーが脚光を浴びて久しいですが、スペインは全体的にホラーの水準が高くあまり外れがありません。

 ハリウッド系のホラーは、いわゆる怪談話というよりは、神だの悪魔だの鮮血ドバドバだのといった経路が濃いですが、スペイン系は、怨念系の話が多くて、いわゆる怪談系が多いようです。

 この作品も、宗教的な展開はなく怪談系で、閉鎖直前の病院の小児科病棟が舞台です。
 「機械じかけの・・・」の由来は、昔の骨折治療の矯正具が、機械じかけにみえて、子どもが、機械の女の子という表現を使うセリフがあるからのようですが、全然機械じかけではありません。

 この病院の描写が妙にリアルで、それがまた怖さ抜群です。話も良くまとまっていますし、映像的にも雰囲気の出し方がうまく、イギリスの陰鬱な景色ともあいまって、上質な感じが出ています。過剰な演出もなく、それでいて肉体的にも怖さが伝わってきます。

 大抵の場合、話が核心に迫ってくると、興ざめな展開になるわけですが、これは、そのあたりもうまく処理していて、素直に感動できました。

 ホラー嫌いの人にも、是非とも見てもらいたい作品でした。アメリカ版のリングや呪怨よりは、遙かにいい作品だと思います。

機械じかけの小児病棟

松竹

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