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スクラッチ木造帆船製作日記と映画、スタトレなどあれこれです。

ステイ

2006年09月17日 | 映画
 パッケージもソウっぽい白基調のだし、サイコ・スリラーなどとうたっていたので、てっきり、怖い映画かと思っていましたが、実際は、怖がらせる映画ではありませんでした。このジャンルは、結構好きというのもありますが、感銘を受けました。お勧めしたい一本です。

 このジャンルというのは、『ジェイコブス・ラダー』とか『リプレイ』とか『シックスセンス』、『アザーズ』といったテーマのジャンルです。この例に出した4作品は、どれも、生きてる人が主人公と思わせておいて、実は死んでましたというやつですが、本作は、厳密に言うと、それとは違います。
 実は、見方によっては、実に悲しくかわいそうで救いのない話とも見れるし、可愛そうだけど救われるいい話とも見ることができます。見る人の宗教観というか、世界観で、大きく差が出るところでしょう。
 シックスセンスは大ヒットしましたし、ジェイコブズ・ラダーはカルト的人気のある作品なわけで、この作品は、二番煎じにならないために、はなから、この手のだましは仕掛けていません。有体に言っちゃうと、誰が死んでるかがよくわからないまま引っ張られてゆくわけです。
 そうした雰囲気を出すために、カットの切り替えなど、映像表現に非常に神経を使っていて、不思議な感覚をかもし出しています。強いて言えば、ジェイコブズ・ラダーに一番近い気もしますが、ちょっとエンジェル・ハートのテイストも入っています。
 主演はユアン・マクレガーとナオミ・ワッツ、ライアン・ゴスリング。脇をボブ・ホスキンスが固めています。
 リプレイや、アザーズのように、恐怖やサスペンスを狙っていませんので、謳い文句でイメージを持ってしまうと、間違ってしまいます。
 見ている間は、不条理な展開や謎めいた展開がずっと続くのですが、ラストで、不条理に見えた状況に説明がつき、タイトルが思い出されて感動する仕掛けです。
 
 じんわりした、良い話ですので、ぜひ、パッケージや宣伝に幻惑されることなく、事前の情報は頭から消して、観賞してください。
 これはお勧めの一本です。

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