GREEN Library

2019年は書店員としてのお仕事のめくるめく素晴らしい日々を。時々エレカシ・ミッシェル・Suchmosなど

きよしこ

2008-01-26 | 小説・映画など

 

ばらの花って 写真うつりがとてもいいですね・・  うらやましいな

 

 

 

 

   ぼくは君の顔を知らない。声を聞いたこともない。

   君は、2年ほど前にぼくが受け取った手紙の中にいた。

   うつむいて、しょんぼりとして、ひとりぼっちでたたずんでいた。

        (きよしこ (新潮文庫)重松 清)

 

木曜日、1年ぶりに6年生の読み聞かせをしてきました

重松清さんの「きよしこ」の最初と最後の ある少年に語りかけているところを読み、6年生の子どもたちに聞いてもらった

 

1週間ほど、繰り返し朗読の練習をしていたので、冒頭部分を暗誦し、今もときどき口ずさんでいたりします

 

最初の部分6ページ、最後の部分3ページ。 

この少ないページ数のなかに 重松さんの優しさがつまっていて、読めば読むほど いろいろな思いが 私の心にもわきあがってきた

朗読の練習のおかげで 素敵な日々を過ごしたなぁ・・と 今しみじみ感じています

 

6年生の子どもたちにも何かが残せていればいいのですが・・

 

「そういえば、読み聞かせの人、一生懸命読んでいたなぁ・・ そんなにうまくなかったけど。

『きよしこ』だったっけ。  ちょっと読んでみようかな」 と 本屋さんか図書館で 「きよしこ」 を手にとってくれていますように

 

 

↓ ここがいいんだよねぇ

 

少年は君と似ていただろうか。ぼくは君になにかを伝えられただろうか。

いつか  いつでもいい、いつか、君の話も聞かせてくれないか。

うつむいて、ぼそぼそとした声で話せばいい。ひとの顔をまっすぐに見て話すなんて死ぬほど難しいことだと、ぼくは知っているから。

ゆっくりと話してくれればいい。

君の話す最初の言葉がどんなにつっかえても、ぼくはそれを、ぼくの心の扉を叩くノックの音だと思って、君のお話が始まるのをじっと待つことにするから。

君が話したい相手の心の扉は、ときどき閉まっているかもしれない。

でも、鍵はかかっていない。鍵をかけられた心なんて、どこにもない。

ぼくはきよしこからそう教わって、いまも、そう信じている。

 

 

きよしこは言っていた。

「それがほんとうに伝えたいことだったら・・・・・・・・伝わるよ、 きっと。」

 

きよしこ (新潮文庫) きよしこ (新潮文庫)
重松 清

 

 

コメント (4)