今年のノーベル物理学賞は、
連想記憶型ニューラルネットワークの
提案者であるホップフィールド教授と、
ボルツマンマシンや誤差逆伝播学習の
提案者の一人である
ヒントン教授が受賞した。
うーむ・・・
「物理学」の分野からは
離れた分野からの受賞に見えて、
かなり驚きがある。
もちろん「機械学習」技術は、
ノーベル賞の本来の趣旨である、
社会を大きく変えた発明・発見には
該当する(特に、ヒントンさんの業績)ので、
ノーベル賞級の価値があるのは
間違いないが、「物理学賞」には驚いた。
とはいえ、ホップフィールドさんは
もともと物理学の研究者で、
今回の受賞対象となったのは、
1980年代の研究だと思うが、
その頃には、ホップフィールドさんに
影響されて、統計物理学の研究者が
ニューラルネットワークの研究に
参入してきたので、
そうした意味での物理学との
つながりが考慮された
ということなのかもしれない。
ヒントンさんには、
ホップフィールドモデルを
確率化したボルツマンマシンや、
ヘルムホルツマシンという
物理学っぽい名前のついた
研究もある。
ただし、ホップフィールドさんの
連想記憶モデルの研究は、
これも学習ではあるのだが、
今使われているような
誤差逆伝播学習を基盤とする
「機械学習」とは少し違うので、
「機械学習」の研究の開祖という意味で、
ホップフィールドさんが入っているのは
少し違和感があったりする。
いずれにしても、
機械学習の分野にとっては
おめでたいことだ。
お祝いをしなくては。
追記:
公式のプレスリリースを読むと、
ヒントンさんの主たる受賞対象業績は、
深層学習の基盤になった
誤差逆伝播学習ではなくて、
ボルツマンマシンのほうだった。
うーむ・・・
ホップフィールドネットや
ボルツマンマシンは、
今のところ、社会的インパクトは、
それほど大きくはない
(深層学習の初期の論文は
ボルツマンマシンを
発展させたものだったが)。
今後のアニーリング方式の
量子コンピュータとの絡みも
意識したのだろうか?
このあたりの事情が
いつか本になると
面白いと思う。
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